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なぜ「たけくらべ」の美登利は遊女にならなければならなかったのか
- 「たけくらべ」の美登利がなぜ遊女にならなければならなかったのかについて、作品の前半部分や農村の状況を考察します。
- 美登利が遊女になる理由について、両親の状況や周囲の期待に焦点を当てて分析します。
- また、後半部分での美登利の激変する様子について、初潮や遊女の扱いに関しての考えを探ります。
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両親が、姉の大巻の勤める遊郭で職を得ていることも、美登利が遊女になるしかない原因かな、と思います。 美登利の家はもともと紀州に住んでいて、姉の身売りの時、一家は遊郭の主の「鑑定(めきき)」にかない吉原近くの町に越してきています。遊郭の主のおぼしめしがなければ、一家は東京で暮らしていけないのでしょう。 姉だけでなく妹の美登利も一緒に鑑定されて、二人の遊女を得るかわりに両親の職の世話もしてもらった、ということかと。 姉の大巻も売れっ妓ではありますが、お職をはっていられるのも若いうちですし、既にどうも胸を病んでいるような気配があります。 売れっ妓遊女になるのが、「郭内(なか)」では女の出世でほめそやされるのですが、これは郭の外「表町」では通用しない価値観です。でも、遊郭の主は当然としても、美登利の両親までもが身を売って生きる悲しさなどは意識して隠し、売れっ妓の姉にかこつけて贅沢をさせ、美登利がすんなりと出世の道だと信じて遊女になるように、しつけているようでもあります。 姉の人気が落ちて、美登利が遊女にならなかったら、両親もそのまま職についていられないでしょうし、一家で路頭に迷うことにもなりかねず、もう嫌だとはいえない状況が出来上がっていてかわいそうです。 美登利の激変の理由は、はっきりわからないですね。 でも、もしかして初潮のときに男女のことなどを聞かされたから、今までのように男の子に混ざってのお転婆ができなくなったのかなあ、とわたしは感じました。 美登利が大人になることへの嫌悪感をしめしているようでもありますので。 遊郭の主にとっても、両親にとっても美登利は「高く売れる商品」なので、まさか「売り物」には手をつけないでしょう。水揚げがあったならもっと遊郭の噂になりそう・・・ わたしも専門ではないので自信はありません。 解釈はいろいろあっていいとも思いますので、ご参考程度になればと思います。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 なるほど、姉が買われるときに美登利も「セット」だったと考えると納得がいきます。 それにしても、美登利が一人で(姉もいますが)一家を支えていかなければならないとは、過酷な運命ですね。にもかかわらず美登利の様子が変わった後に、訳知り顔で笑う母親にはぞっとさせられました。 詳しいご説明、本当にありがとうございました。