キリストが、ユダヤ人かどうか、立場によって異なります。
ユダヤ人の定義ですが、現在イスラエルが規定しているユダヤ人の定義からすれば、イエス自身が、ユダヤ教の改革者の立場にいるだけで、ユダヤ教を否定していませんから、ユダヤ人と言えます。
ナチスドイツの定義では、ユダヤ人の血が、1/4以上入った人間をユダヤ人と定義しました。(宗教は関係無い)
イエスの母マリアは、多分ユダヤ人であったため、ここでも、イエスはユダヤ人であったと言えます。
イエスが、人間であれば、ユダヤ人であったと考えてよいと思います。
宗教界では、イエスが人間だったのか、神であったのかの、議論が行われました。
キリスト教のネストリウス派・イスラム教の立場では、「イエスは人間である」という立場をとりますから、この場合、イエスはユダヤ人であったと言えます。
キリスト教単性派の場合、「イエスの人間性は、神性に吸収され、神性のみが残った」と考えますから、「生まれた時はユダヤ人だったが、神性に吸収され、人間を超越した神に近い存在になった」(ユダヤ人ではない)という事でしょうか。
キリスト教パウロス派、ボゴミール派、カタリ派などの二元論派では、「キリストは、神の子で、悪魔サタナエルの双子である」と考えます。
また、「キリストの肉体は、幻にすぎない」(本来人間らは見えない神の姿を、人間に見えるように、幻を見せていた)とも考えます。
この考え方の場合、「キリストは神であり、ユダヤ人ではない」という考えになります。
キリスト教カルケドン派においては、「神・人・精霊の三位一体」を基本とします。
つまり、「キリストは、神が、人々を導くために、人間の姿を借りて、地上に現れた」と言う事になります。
この場合の人間は、神の仮の姿と言う事になります。
この場合、「神がたまたま姿を借りたのがユダヤ人であっただけで、本質は神であるから、ヤダヤ人とは言えない」となるのでしょうか。
カルケドン派は、現在のキリスト教の95%を占めます。
モルモン教、統一原理、エホバの証人などの解釈は知りません。
またカルケドン派でも、一部のプロテスタントは、別の考えを持っているかもしれませんが、全てを調べる事は不可能です。
補足
質問を言い換えれば、キリストはユダヤ教徒といえるのか? ということになるでしょうか。