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白金上で起こっている局部アノード・カソード反応
窒素バブリングにより溶存酸素(DO)を除去した硫酸中で白金の電位を測定しました。その結果+0.85 V vs. NHE の測定結果を得ました。この電位を決定づけている、局部アノード反応および局部カソード反応の種類が知りたいです。 以下、詳細条件です *** 白金:純度99.95%の平板。#2000ダイヤペーストで研磨後、イオン交換水中で超音波洗浄 硫酸:0.5 mol/L、1L、25℃ バブリング:窒素ガス(99.99%)を0.5L/分の流量で硫酸に2時間バブリング。その後硫酸の液面上部の気相部(空気からは遮断)に窒素ガスを同じ流量で流し続けた。 *** 電位の理論計算をしたいのではなく、この電位付近で安定している白金上において、現実的に起こりうる局部アノード/カソード反応の種類(複数可)が知りたいです。 自分なりに起こりそうな反応(下記1~6)を考えたのですがスッキリしません。 よろしくお願いします 1)白金の酸化反応 Pt → Pt2+ + 2e- 起こるためには実際の電位が低すぎるのでは? 2)わずかに残留したDOの還元 O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O DOが低減されているのにそのような反応が起こるのか? 3)(2)の逆反応 O2↑ + 4H+ + 4e- ← 2H2O 起こるためにはもう少し高い電位が必要であるような気がするが、わずかに起こっていても不思議はない。 4)低電位側での過酸化水素の生成(還元←)と分解(酸化→) H2O2 ←→ O2 + 2H+ + 2e- DOなしでH2O2が生成するのか? 5)高電位側での過酸化水素の生成(酸化←)と分解(還元→) H2O2 + 2H+ + 2e- ←→ 2H2O H2O2が生成するには非常に高い電位が必要では? 6)水素の酸化還元反応 2H+ + 2e- ←→ H2↑ 環境中に水素ガスは無いので←反応は不可。水素発生反応は低い電位で起こるため→反応も不可
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- Hiroshi_34
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質問7→希硫酸中の白金上で、酸化還元反応が起こっているときの、電流密度は何[μA/cm^2]位ですか。 2時間程度の窒素バブリングでは、まだ溶存酸素が溶けているでしょうから、水素イオンと酸素分子や水分子の反応が考えられますね。 質問8→電池にしろ腐食にしろ、金属材料に白金を選ばれた理由は何でしょうか? 電池であれば、酸化される反応(電子放出反応)の起こる負極には亜鉛などを用いますし、腐食にしても鉄とか銅とかアルミニウムとかを選ばずに白金を選んだ理由が理解できません。 質問9→電解質に希硫酸を選ばれた理由は何でしょうか。所属学会は、電気化学協会ですか、腐食防食協会ですか?実験意図(目的)がつかみきれません。
- Hiroshi_34
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「実験条件が粗い」印象を受けます。 質問1 実験の目的は、希硫酸中の白金電極の電位測定の学生実験でしょうか。 質問2 実験の細かい目的が知りたいです。(電池か、腐食か・・) 質問3 白金の表面の各部を、ルギンキャピラリーで細かく測定した結果が知りたいです。理由は、白金はたぶん反応しないでしょうから、どんな反応が起こっているか知りたいです。+0.85Vと貴な部分で(ある物質が還元される反応?)が起こっていれば、どこかの卑な部分で(ある物質が酸化される反応)が起こっていると考えられますから。 質問4 金属の使用液中の反応は、金属側と溶液側の両方に影響されますから、実験条件を再現制欲するためには、細心の注意が必要かと思います。 質問5 白金の電位が、+0.85V(SHE、標準水素電極)ですが、水素の酸化還元電位より、0.85V高いと言うことは、酸化される反応か、還元される反応か、どちらが起こっているのでしょうか。 質問6 白金試験片の電位が、+0.85V(SHE)であることを、説明できる酸化還元反応は、どのような反応を推定されていますか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私は卒業研究で、窒素で「12時間」脱気した食塩水中のSUS304とSUS316のアノード分極曲線を測定したことがあります。 ステンレス試験片の表面は、濃硝酸で不動態化処理したあと、エメリー湿式研磨紙で400番から2000番まで研磨し、水・アセトンで洗浄後乾燥し、ステンレスリード線とステンレス試験片を(スポット溶接か半田付け、記憶うすい)つけ、片面1平方センチを残し、3度絶縁樹脂を塗り、テフロンシールテープで覆いました。試験片と食塩水と対極と(容器外部の電位測定用の基準電極からのびた)測定用のルギンキャピラリ-の先端をセットした丈夫なアクリル樹脂の容器に一昼夜、窒素ガスをバブリングして溶存酸素を極力除き、翌朝、一定の速度で試験編の電位でアノード分極して、電流を測定しました。 実験の目的は、「ステンレス鋼の耐食性の評価方法の検討」でした。ステンレス鋼は、塩化物イオンの存在下で、孔食や隙間腐食を起こしやすくなります。
補足
>「実験条件が粗い」・・・ 字数制限があったため、詳細を伝え切れませんでした。 試験片の前処理ですが・・・ 樹脂への試験片の埋込み(気泡除去も実施)→エメリー研磨、ダイヤ研磨→イオン交換水中での超音波洗浄→冷風乾燥→テフロンテープによるマスキング→硫酸中において電位走査を行い表面の清浄化→電位の安定待ち(書籍に準拠) なおルギン管は使用せず、二重液絡型参照電極(細い試験管のような形)を直接、硫酸に浸しました。理由は硫酸の汚染防止と、硫酸用ビーカーの気密性を高めるためです。 バブリング条件が粗いことは否めませんが、一応、関連JISに準じました。 >質問1&2 研究機関の研究で、電池と腐食をテーマとしております。 >質問3 ルギン管を利用した電位分布の測定は行っておりません。 おそらく、局部アノード部と局部カソード部のことをおっしゃりたいのかと思います。しかし、キャピラリー先端部の位置を動かして電位を計測するだけでは、電位分布を調べることはできません。貴な部分も卑な部分も同じ導体内に存在するため、本来なら貴な部分は卑方向に、本来なら卑な部分は貴方向に分極され、結果として同じ電位に落ち着きます。その電位が計測された+0.85Vという電位になります。 >質問5 両方起こっております。 局部アノード電流と局部カソード電流のそれぞれの大きさを等しくするような電位が+0.85Vということになります。必ず、局部アノード反応が一つ以上、局部カソード反応も一つ以上、必要となります。 >質問6 この答を知りたくて「教えてgoo」に質問しました。 反応の候補としては初めの質問文中にあるように、(1)~(6)の反応を考えましたが、いずれもスッキリしません。 >私は卒業研究で・・アノード分極曲線を・・ 当方も各種電気化学測定を良く行います。その分野の用語も概ね理解できますので、よろしくお願いします。
この手の内容を考えるときにしてはならない考え方は >水素ガスは無いの の「存在しない」と決め付けること。ppt程度の濃度で十分電位が変化する場合があります(たしか.1990年頃.新潟のにっか年会)。 対応として.適当に分極してかでんあつからeか2eかを見極めて.それらしき反応を探す。 >白金:純度99.95%の平板。 と純度が低いのでりゅうかいに何が入っているか不明。 りゅうかいを作っている結晶(粒子を含む)にX線をあてて元素分析を書けてみてください。 純度が面倒で.黒にして.ほぼ100%で考えるのが対極の場合です。 白金だからわけのわからない触媒活性があるはず。酸化白金・水酸化白金のδGを文献調査。平衡電位は見当つきますね。注意点として生成時間がns・膜あつが1-数分子層ですから通常の熱力学ではないです。対数で1程度の誤差が最低含まれます。 白金は価格が高い(せっかく作った黒を壊したくない)ので直接計ったことはありません。計ったことのある内容はより低価格な金属ですから.調べ方だけ。
お礼
ご回答ありがとうございました。
補足
>質問7 「電流密度」の意味が、「自然電極電位における、局部アノード・カソード電流密度」ということであれば、この値は計測機器で直接測定できませんので未知です。 「電流密度」の意味が、「電流計で直接測定できる、いわゆる外部電流」であれば、硫酸中における白金の自然電極電位を測定しただけですので、電流密度の値は当然ゼロです。 >2時間程度の窒素バブリングでは、 >まだ溶存酸素が溶けているでしょうから・・・ 文献情報に準じて、溶存酸素濃度(DO)が、ほぼ数ppbまで低減されている条件でバブリングを行いました。ただし、その値が保証されているわけではありません。 (大気開放状態の常温の水に含まれるDOの値は7~8ppm) >水素イオンと酸素分子や水分子の反応が >考えられますね。 具体的にはどのような反応が考えられますか? また、DOの関与しない反応が共存していても原理的には問題ないはずですので、何か候補があるでしょうか? 繰り返しになりますが、局部アノード反応が一つ以上、局部カソード反応も一つ以上、必要です。 一方のみのご提案でも助かります。 >質問8、9 これまで当方は実験条件と実験結果をお伝えした上で、結果を引き起こす現象(反応の種類)について尋ねてきました。現段階では、詳しい研究の目的や所属学会については直接関係ないと思いますが・・・