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過酸化水素の半反応式で
酸化還元反応における過酸化水素の反応式において、水素は酸化されるのか、還元されるのかの判断に困っています。 お詳しい方のお知恵を拝借できれば幸いです。 単なる水素分子が電子を放出するときは H2 → 2H+ + 2e- となり、電子を放出しているわけですから水素原子は酸化されていることはわかります。 これが過酸化水素になると、 H2O2 → O2 + 2H+ + 2e- という反応式になるので、水素原子は上と同様に酸化されているように思えるのですが、もともと化合していた酸素と乖離することにもなるので、還元されたようにも思えます。 この過酸化水素の場合、水素原子は酸化されたことになるのでしょうか、還元されたことになるのでしょうか? 反応物として己自身しか反応に寄与していないので、酸化「される」、還元「される」という表現が適切かどうかわかりませんが・・・。
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問題点がはっきりわからないので、的外れな回答になるかもしれませんが、H2O2において原子の酸化数を割り振る場合にはHに+1を、Oに-1を割り振ることになります。そのOの酸化数が-2になるのなら、還元されたことになりますし、0になるのなら酸化されたことになります。ただし、そのときにHの酸化数が変化しないことが前提です。要するに、H2O2の酸化・還元に関してはOの酸化数の変化として記述されるということです。 なお、2H2O2 → 2H2O + O2では酸素の酸化数が0になるものと-2になるものが同数ですので、全体としては酸化でも還元でもありません。ただし、個々の酸素原子に関しては、酸化されたとか還元されたとかの議論をすることは可能です。 H2O2の反応に関しては、 H2O2 → HOO^- + H+となってから反応することが多いように思いますが、いきなり、H2O2 + 2e^- → 2OH^- となることもあるかもしれません。 ただし、現実問題として、酸化還元を評価する場合に反応機構は関係ありませんので、特に無機化学反応の場合には、途中経過はあまり気にする必要はないと思います。
過酸化水素の反応において、通常、水素の酸化数は変化しません。したがって、水素は酸化も還元もされません。 しかし、酸素の方は酸化されたり還元されたりします。それは反応相手によって違います。たとえばKMnO4との反応であれば。酸化されますし、Fe2+などとの反応では還元されます。 H2O2における酸素の酸化数は-1であり、酸化される場合にはそれが0になりますし、還元される場合には-2になります。 つまり、 H2O2 + 2e → 2OH- または、 H2O2 → O2 + 2H+ + 2e のいずれかになります。 過酸化水素が酸化されるとか還元されるというのは良いですが、そのHが酸化されるとか還元されるというのは不適当です。 のいずれかになります。
補足
w-palaceさん、御回答ありがとうございます。 なるほど、酸化剤・還元剤という概念でしたら、反応物として自身以外に「相手」がいないと話ができないですね。 この場合は過酸化水素以外に反応物がないので、電子を放出することをとらえると能動的に自分を酸化したことになるのでしょうか。 酸化数が変化していないというのは、H2O2がまず第一段階としてH2とO2に乖離し、第二段階としてH2が 2H+ + 2e-のように電離するということをまとめてしまっているからでしょうか(実際にこのように反応するのでしょうか)? そもそもこの半反応式のように反応がすすむ(分子状態からプロトンと電子に乖離する)ことが現実に起こりえるのかなと思うので、w-palaceさんのおっしゃる「~そのHが酸化されるとか還元されるというのは不適当です。」ということも納得はできます。 しかし酸化還元反応の学習ではまず「原子について酸化数を考える」ので、今回のような場合に混乱を引き起こしてしまいました。
お礼
w-palaceさん、どうもありがとうございました。 >H2O2 → HOO^- + H+となってから反応することが多いように思います 私自身、その後の調べでどうやらそのように反応するらしいという結論にたどり着きました。 これで確信がもてました。 >現実問題として、酸化還元を評価する場合に反応機構は関係ありません はい、私も個々の反応物に関して細かく酸化数の増減にこだわるのが賢いとは思わないのですが、このような半反応式という概念を聞いたことがないもので、共有結合している物質の扱いに困りました。 最終的な反応式がわかれば半反応式なるものを考える必要性はないと思うのですが。