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不平等条約について
条約における「不平等」というのは、 「互いの条件が全く同じではない」 ということになるのですか? また、「京都議定書」は「不平等」にあたるのでしょうか? わかりにくい質問ですみません。
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厳密に言えば違うと思います 偏務的な条約のことを、不平等条約と言います。 例えば最恵国待遇を相互に認めれば不平等条約にはなりませんが、最恵国待遇をどちらか一方のみに認めると、不平等条約となります。 で、何が違うのかと言うと、条件が全く同じだと、返って不平等になる場合があるからです。 その最たる例が京都議定書です。 途上国には削減義務が課されず、 排出削減計画の提出や努力義務が課されただけですが、 先進国と同じ基準の削減義務を課すと不平等になります。 工業化の段階ってものがあります 1、工業化が全く進まず、排出も少ない。 2、工業化が急速に進み、排出も指数関数的に増える。経済発展が優先で、環境問題への関心が薄い 3、工業化によって所得水準が向上し、市民はより豊かな生活を求めるようになる。環境問題に対する関心も高まる。 4、エネルギー効率も次第に向上し、汚染対策も行われるようになり、排出が上げ止まる。 5、エネルギー効率の向上や汚染対策により、工業化が進んでいるにもかかわらず、排出が減少に転じる。 先進国は皆、この段階を通過してきているわけですが、発展途上国は2か3か4の手前位です。自分たちだけ排出したいだけ、排出しておいて、途上国を置き去りにして偏務的に排出の削減を義務付けるのは不平等だって論理です。 とは言え、もう時代が進み、いろんな事がわかってるわけですから、何もしないで放任するのではなく、環境技術の供与や環境対策援助を行ったり、計画を策定させたり、努力義務を課したりするわけです。 ちなみに、オーストラリアやアメリカは、中国に削減義務が課されなかったことに不満を示し、京都議定書に参加しませんでした。 またロシアは経済の後退により、自発的な削減努力無しに削減目標を達成できる見通しで、これも不平等の一つと言えるかもしれませんが、これは条件面での不平等と言うよりは結果論として生じる不平等ということになると思います
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- Jameskusa
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>条約における「不平等」というのは、「互いの条件が全く同じではない」ということになるのですか?< 簡単に言えばそうです。例えば二国間の条約で片方に利益があり、もう片方が損をすることです。江戸時代の後期に日本が列強と結んだ和親条約や通商条約は不平等条約の典型的な例です。 京都議定書については、不平等の解釈の仕方によります。アメリカは国内の産業界からの強い圧力で署名していませんが、先進国のCO2排出量を規制して、発展途上国は大目に見るという内容が不平等にとられる部分でしょう。 しかし先進国は長年にわたり環境を汚染してきた元凶です。それを規制することはある意味当然だし、発展途上国の産業発展のためには先進国並みの規制の基準では成し遂げられないという部分もあります。 発展途上国に有利な不平等条約に見えますが、一概にはそうともいえない面もあります。解釈の仕方によるでしょうね。