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武蔵鐙の由来について
江戸期に刊行された「絵本武蔵鐙」という絵本があります。北斎の絵本です。 古今の武将たちの肖像画が載っています。 なぜ、「武蔵鐙」というタイトルがつけられたのでしょうか?武蔵鐙の由来について教えてください。
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武蔵の国は、中古、鐙の特産地でした。これが歌枕となって、伊勢物語十二段に下記のような物語があります。 昔、武蔵なるおとこ、京なる女のもとに、「聞ゆれば恥づかし、聞えねば苦し」と書きて、上書に、「武蔵鐙」と書きてをこせてのち、をともせずなりにければ、京より女、 武蔵鐙さすがにかけて頼むには問はぬもつらし問ふもうるさし とあるを見てなむ、堪へがたき心地しける。 問へばいふ問はねば恨む武蔵鐙かゝるおりにや人は死ぬらん 以来、「武蔵といえば鐙」というのが歌人や風流者の常識になりました。特に鐙は武具ですので、江戸(関東)の武張ったものを指す書名としてちょうどよく、そこから取られたのではないでしょうか。歌舞伎にも「鬼鹿毛武蔵鐙」というのがあります。一般名詞として先行していた成語が、書名や題名に流用されたものでしょう。