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フランクリンが代表的アメリカ人と言われる理由

フランクリンが代表的アメリカ人と言われる理由というのはあるのでしょうか?

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  • Canecius
  • ベストアンサー率77% (7/9)
回答No.2

 ベンジャミン・フランクリンに限らず、特定の人物(現存の人でも歴史上の人でも)をもって「アメリカ人」を「代表」させることは困難ではないかと思います。それは、「アメリカ人」という人々が均質的な人間集団(金太郎飴のような)であるという前提に立脚することになるからです。  このような「アメリカ論」というのは結構世の中に多いです(クリントン大統領の下半身事情を取り上げて「アメリカ人の病理」なんて真顔で語るような対談を、あるオピニオン誌で見たことがあります)。  それはともかく、フランクリンが「アメリカ人代表」とは言えませんが、アメリカの歴史を通じて存在したいくつかの価値観の系譜のうちの一つとしてフランクリンを考えるならば、それはありではないかと思われます。  アメリカに存在するいくつかの価値観の系譜の中に、「セルフ・メイド・マン」とでも呼ぶべきものがあります。つまり勤勉と努力によって立身をはかるというものです。フランクリンはこうした価値観を具現する存在として、しばしば取り上げられます。古くはマックス・ヴェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中でとりあげ(つまり、本来は自分が救われるべき身であることを確信するための労働というプロテスタンティズムの精神が、勤勉によってつくられた蓄財をよしとすることで、資本主義の世俗的精神に転化していった、という図式)、日本ではヴェーバー研究者でもあった大塚久雄が、その著書でやはりフランクリンをそのような文脈の中で捉えていたと記憶しています。最近では、アメリカの中産階級の文化の系譜として、社会学者ロバート・ベラーが著書『心の習慣』において、フランクリンを「功利主義的個人主義」の系譜の典型例として分析しています。  もっとも、フランクリンには単に勤勉倹約で蓄財し立身をはかるという言わばサクセスストーリーの擁護者のような意味だけではなく、多面的な姿を持った人でもあり、それはそれで興味深いところですが。  話を再び「代表的アメリカ人」に戻せば、確かに相当の部分のアメリカ人は、個人の自助努力による立身出世を目指すことに高い価値を与えがちなので、その意味で、「フランクリン=代表的アメリカ人」と論じる人はいそうです。  が、それとは異なる価値を持つ人々も、また少なからず存在することは確かです。また、一人の人間が立身出世を良しとする価値と、それを相対化する価値の両方を持っているということもあります(そうでなければ、歴史的に見ても公民権運動や女性運動、環境保護運動、その他のNGO、NPOなどがあれほどアメリカで起こることもなかったはずです)。

noname#2813
質問者

お礼

ありがとうございます。専門的ご指摘とても勉強になりました。

その他の回答 (2)

  • shoyosi
  • ベストアンサー率46% (1678/3631)
回答No.3

 下のHPに、理由が書いています。 それによると、彼の思想の基底にあるものは,独立,自由,機会,勤労,成功といった,宗教改革を源泉とし,啓蒙主義を経て脱宗教化したピューリタニズムの基本的価値であったことが代表的アメリカ人といわれる所以らしいです。

参考URL:
http://www.yuasa.cpm.ehime-u.ac.jp/yuasa/labor/labor/Franklin.htm
noname#2813
質問者

お礼

いつもありがとうござます。 とても勉強になりました。

  • cotiku
  • ベストアンサー率17% (38/216)
回答No.1

代表的アメリカ人と言われるのですか。 「フランクリン自伝」を昔読んでアメリカにも偉い人がいたものだと感心しました。 私の人生哲学の大きな部分をしめています。 代表的アメリカ人ではなく理想的アメリカ人だと思います。 回答になってないかもしれませんが「フランクリン自伝」はすばらしい本です。

noname#2813
質問者

お礼

ありがとうございます。参考にします。

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