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NMRについて
私は工学部の学生です。 NMRの原理についての質問です。NMRは核磁気モーメントの緩和現象を利用しているという話を聞いたのですが、この緩和現象とはランダウ‐リフシッツ方程式で記述されているものなのでしょうか? もしそうでなければ、この緩和現象はどのような式(または原理)で表されているのでしょうか?NMRについては素人なので、できるだけ分かりやすく教えていただければと思います。 よろしくお願いいたします。
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核磁気共鳴(NMR)はその名が示すように原子核の共鳴現象を用いて原子核の周囲の情報を得られる実験手段です。NMRでは大きく分けて2つの物理量が観測できます。1つはナイトシフトや化学シフトといったスタティックなものでフリーの原子核からの共鳴周波数のずれという形で検出します。もう一つが緩和率で,測定周波数程度にダイナミックな物理量です。おそらく質問された方はこちらのことを聞きたいのだと思います。 NMRは古典的には歳差運動を記述したブロッホ方程式で考える事が出来ます。核スピンが共鳴周波数に合致した電磁波の入射により倒れたり起き上がる過程を記述します。量子力学的には存在確率の変化で考える事ができます。外部磁界が印加されると有限の量子数を持った核スピンはゼーマン分裂によりエネルギーレベルが分裂します。最初に基底状態のエネルギーレベルにあった核スピンが電磁場の入射によるエネルギーの流入で上のエネルギーレベルに飛び移ります。ですから入射されるエネルギー(すなわち周波数)はエネルギー間隔に等しくないといけません。その後一定時間が経過したときに上のエネルギーレベルにあった核スピンが下のレベルに落ちてきます。つまり緩和現象が起こります。この時の一定時間をスピン格子緩和時間(T1)と呼びます。また緩和が生じる際にはエネルギーを放出するために最初に入射した周波数と同じ電磁波が放出されます。測定では出てきた電磁波を検出するわけですね。この時間はスピン系と格子系との相互作用の大きさで大きく変化します。ちなみにスピンスピン緩和時間(T2)というものもあります。これは周波数スペクトルの広がりをフーリエ変換したようなものです。これが短すぎると現実の装置では測定が大変困難となります。というのは核スピンを励起するために大電力の電磁波を入射するわけで,T2が短いと原子核スピンが放出する電磁波との時間間隔が短くなり,入射したものと区別が付かなくなるのです。現在の装置では通常100nsecくらいが限界でしょうか。質問の中でランダウ方程式の話が出ていますが,これは量子力学に従うのかという質問と解釈してこのような回答としました。 以上かなり端折った説明で恐縮ですが,概念だけを書きました。書いているときりがありません。詳細はNMRの教科書に載っていますので参考にして下さい。
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- KENZOU
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#1のKinakoAmeさんが物理的意味を相当詳しくご説明されていますので、以下は補足の蛇足。 参考URL→「スピン格子緩和時間(T1)]を辿ると緩和現象の簡単な(古典的)数学的取扱いが書かれていますのでご参照してみてください。 http://www15.ocn.ne.jp/~komo/1study/NMR.htm
お礼
回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。
お礼
詳しく説明していただきありがとうございました。