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量子力学の限界

量子力学にも通用しない世界があるのですか.たとえば素粒子の世界では量子力学は成立していないのですか.素粒子の世界の近似式のような形で量子力学が成立しているというようなこともあるのですか?

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  • shiara
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回答No.3

 量子力学を近似法則とするような新しい力学が存在するかどうか、という問題と思います。まず、現在、本来の意味での力学と呼ばれるものは2つしかありません。ニュートン力学と量子力学です。本来の意味での力学、とは、力が物体に働いたときに、どのような運動をするのかを記述する、最も基本となる力学です。流体力学とか統計力学とか、○○力学と言っているものは、ニュートン力学か量子力学を特定の現象や領域に限定して適用しているものです。なお、厳密に言えば、ニュートン力学は量子力学の近似となっているものですが、実用上は2つに分けて考えた方が便利です。  次に、素粒子物理学ですが、これは力学ではありません。この世界が何からできているのかを研究する学問です。素粒子は、物質を構成しているものだけではなく、力を伝えるものもありますので、素粒子物理学では、どんな力が存在して、どのように記述されるのかも研究します。ですが、力が働くとどうなるのかは、力学の分野です。そして、素粒子物理学でも量子力学が使われます。  素粒子の世界は、いまだ未知の部分がたくさんありますから、量子力学が成立しなくなる領域があるかもしれません。したがって、新しい力学の可能性は否定できませんが、量子力学とニュートン力学との対比を考えると、量子力学を超える新しい力学はできないのではないかと思われます。  量子力学とニュートン力学の違いは、たった1つ、物理量が可換か(AB=BA)、非可換か(AB≠BA)ということです。それ以外の形式はまったく変わりません。ニュートン力学では、全ての物理量が可換ですが、量子力学では、ある物理量の間では、非可換になります。例えば、座標と運動量は、同じ成分は非可換です。つまり、x・Px=Px・x+ih/2πであり、ih/2πだけ差が生じます。ここでプランク定数hは非常に小さい値であるため、マクロの世界ではhをゼロと見なせることから、量子力学はニュートン力学になる訳です。  このように、ある学問が、他の学問の近似として考えられるというのであれば、そこには合理的に説明の付く類似点と相違点がなければなりません。量子力学を近似法則として持つ新しい力学があるとすれば、ある一部を除いて、他の体系は同じでなければなりませんし、一部の差も、エネルギーレベルの違いで無視できるようになるとか、そういうものでなければなりません。しかしながら、そのような違いを量子力学に付けることはできないのではないかと思われます。なぜならば、量子力学は、実に整合性の取れた理論であり、それを崩さずに手を加えることは不可能ではないかと思われるからです。

kaitaradou
質問者

お礼

重ねて御礼を申し上げます。

kaitaradou
質問者

補足

人間の思考そのものが量子力学の法則に則っているということになるのでしょうか.小生は学問は無限に進むものであると理解していたものですから.

その他の回答 (2)

noname#9431
noname#9431
回答No.2

>素粒子の理論で近似すると量子力学が出てくるというような空想をしたわけです この期待は、在る意味、はずれてはいないと思います。 量子力学と普通言うと、点粒子の力学です。 点の運動量と位置を同時にはきめられないという意味でぼやけているのですが、 増えたり減ったりはしない点に基づいて記述される力学です。 一方、素粒子論のような高エネルギー領域では、量子が生成したり、生滅したりします。 これを記述する枠組みは場の量子論といわれるものです。 電磁場のような、実在の場、(波動関数でなく)を量子化するのです。 量子論と相対論の要請をどうじに満たそうとすると ほぼ必然的に場の量子論を考えねばなりません。 素粒子論はこの場の量子論で記述するのですが、 これは、粒子の生成生滅を考えなくて良いような低エネルギーでは量子力学で記述できます。 この意味で仰っていることはただしです。 でも、場の量子論も、不確定性関係等、量子論の枠組みをやぶるものではありません。 さて、さらに一般に素粒子とよばれる領域をこえるとどうなるかというと、 点にもとづいた記述ではダメだろうと一般に思われています。基本的なぶったいは、 ひも、あるいは膜であろうというのが、超弦理論やM理論の立場です。 今成功している素粒子論(標準理論)もこの低いエネルギー理論として記述されるだろうときたいされていますが、その具体的な方法はまだわかっていません。 ただし、超弦理論、のような枠組みでも、不確定性関係のような量子論の枠組み、 また、相対性理論の枠組みを破るものでは在りません。 むしろ、実験ができないような領域を考えるため、 相対論、量子論の要請をみたすべし、ということをむしろ1つの要請として構成します。

kaitaradou
質問者

お礼

丁寧に御話くださいまして誠にありがとうございます.離散を連続にするものが近似なのかなと思いました.点というのは1次元の存在で抽象的なものですがセロ次元を超えて膜理論の膜というのは負の次元の膜なのでしょうか.空想を楽しませていただきました.ありがとうございました。

回答No.1

>量子力学の限界 面白そうなテーマですね。興味津々です。 >量子力学にも通用しない世界があるのですか. マクロに逃げるのは卑怯ですか? ミクロで勝負を挑むのは未だ難しいですね。 世代が進み、クオークやレプトンの周期律表?が完成すれば或いはあり得るかも知れません。 >たとえば素粒子の世界では量子力学は成立していないのですか. 成立しまくりかと存じます。 >素粒子の世界の近似式のような形で量子力学が成立しているというようなこともあるのですか? 影のフチがボヤけるとか、そーゆーコトではないですよね? すみません、降参です。

kaitaradou
質問者

補足

もとより私は素人ですが量子力学の近似で古典力学が成立するならば素粒子の理論で近似すると量子力学が出てくるというような空想をしたわけです。単なる形式的アナロジーですが、ダメみたいですね。