- ベストアンサー
これら何という法律に触れるのか
ハンセン病患者の人権問題について調べています。彼らは 強制隔離・監禁・強制労働・断種・堕胎 されていたそうなのですが、具体的に何の法律に触れるのか、何に反する事なのか、知りたいです。 強制隔離は、何か住所の自由みたいなものに反しそうだと思うのですが、そういう法律があるのでしょうか?強制労働が反しているのは職業選択の自由でしょうか?それとも差別されている時点で法の下の平等に反しているのでしょうか? 憲法はほんの少し勉強しただけなので、全くお門違いな事を書いていたらすみません。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ハンセン病患者に対して行われた行為は、基本的には「らい予防法」に 基づいて行われたもので、その意味では法律違反ではありません(現場 で行き過ぎがあった、という部分にはここでは触れません)。 現在問題なっているのはこの「らい予防法」が、憲法違反だったのでは ないか、という点です。 ご存知だと思いますが、憲法は、他の法律を制定するときのよりどころ であって、直接的に国民に適用されることはありません。つまり「法律 の法律」です。 憲法の中に「公共の福祉に反しない限り」基本的人権を尊重する、つま り、公共の福祉のためには人権を制限することもある、と読み取れる記 述があります。 「らい予防法」は、これを根拠に、日本をこの伝染病の脅威から守るつも りで制定(存続)されたものです。 憲法違反であるという指摘は、この判断に誤りがあったのではないか、 との指摘なのです。つまり、あれほどの人権の制限をしなくても公共の 福祉(=ハンセン病の蔓延を防ぐこと)は守れたのではないか、との主 張です。また、廃止が遅れたことも問題になっています。特効薬が発明 され、ハンセン病の感染力が非常に弱いことが分かった後も、「らい予 防法」は長年廃止されませんでした。ハンセン病患者の開放が、公共の 福祉に反しないことが分かった後も、人権の制限を続けたことになりま す。
その他の回答 (1)
- shoyosi
- ベストアンサー率46% (1678/3631)
ハンセン病は顔かたちや手足が変形することから、古代から最重度の病気とされ、仏教思想とあいまって、不治の業病とされ、偏見と差別の対象とされていました。大半の病人は乞食のような格好で全国を放浪していました。1907年にできた癩予防法はこれらの病人を強制収容して、国費で医療を受けさせ、授産・療養施設を供給する一種の社会福祉的要素がありました。ところが1940年国民優性法ができて、子孫の発生を防止する目的で、その対象に精神病者とならんでハンセン病も指定されました。一応、本人の申請に基いたものでしたが、なかば強制的にはんこを押させ、不妊手術・断種処分させられることもありました。戦後、日本国憲法が施行されましたが、癩予防法はらい予防法、国民優性法は優生保護法(現母体保護法)に名前を変えただけでそのままでした。理由はハンセン病は不治の病で伝染性なので、これらの人を野放しにすることは公共の福祉に反するというのが理由でした。法定伝染病の人が強制入院させられるというのと同じ理屈です。ところが、1980年前後には、ハンセン病は特効薬が発明され完治できるようになり、感染力も弱いものであると判ったのにかかわらず、らい予防法が廃止されたのは1996年です。熊本地方裁判所は完治できるようになった後まで「らい予防法」を廃止しなかったのが違憲であり、国会に不作為責任があるとしました。当時としては、強制収容もやむをえなかったとするのが、現在の政府の解釈です。
お礼
詳しい説明をして頂き、ありがとうございました。
お礼
ありがとうございます! 別にそこでされていたことに対して憲法違反だと言っているわけではないんですね。よく分かりました。