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大日本帝国憲法と日本国憲法の違いの特徴
大日本帝国憲法では、第二十九条に「臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ…」とあるように自由権は認められながらも、臣民の権利は簡単に法律で制限されてしまうということ(法律の留保)はよくわかるのですが、現行の日本国憲法でも自由権はある程度で制限されていませんか? 表現の自由(日本国憲法二十一条)は公共の福祉の名の下(日本国憲法十三条)に制限されています。(例えば1957年のチャタレー事件) ということは、大日本帝国憲法と日本国憲法の相違点の一つとして 大日本帝国憲法では上位法優位の原理が存在せず、法律で人権を制限することができるが、日本国憲法は憲法で人権を制限している、と言うことができますよね?
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臣民権は天皇の慈恵によって与えられたものですから、そこには支配と隷従の関係があります。思想良心や学問の自由、平等権すら保障されてません。人権は生来的に人間固有の権利であるとする観念とは質的に全く違います。なので明治憲法における臣民権を人権というには抵抗があります。法律の留保といったところで、制度上は立法権の主体は天皇(議会は協賛機関)ですからね。 公共の福祉は人権相互の矛盾衝突を調整するための実質的公平の原理として、憲法規定にかかわらず全ての人権に論理必然的に内在する物という通説的な立場(一元的内在的制約説を前提に12条・13条の公共福祉が憲法上の制約根拠とする)を採るならば、憲法によって人権を制約するのではないと思いますよ。一元的外在的制約説を採れば、また話は違いますが。 あとチャタレーは批判も多いですね。 ↓他の質問の時に書いたものですが、ご参考までに貼っておきますね。 【明治憲法の特徴】 ・制定過程…英仏(議会重視)を見習わずに、絶対主義的な内実が立憲主義的な外皮によって包み込まれていたドイツ諸邦の憲法を手本とした。 ・欽定憲法。天皇が主権者、統治権の総覧者。神勅(ににぎのみこと)。神権主義的。神聖不可侵。憲法と同位の皇室典範。 ・天皇の大権を中心とした憲法:統帥大権、宮務大権、国務大権…大権ごとの補佐機関。大権中心主義の憲法。統帥権の独立。 ・裁判官の独立あり。しかし司法権は「天皇の名において」裁判所が行った。裁判官は司法大臣の監督下におかれていた。違憲審査権なし。国家の無謬。 ・立法の主体はあくまで天皇。天皇の立法権に対する協賛機関にすぎない議会(裁可権の留保、緊急勅令・独立命令) ・民意を反映しない貴族院(貴族・勅撰議員) ・議院内閣制ではなかった(内閣は単なる官制上の機関) ・総理大臣は国務大臣に対して罷免権・指揮命令権を持たず、「単なる同輩中の首席」にすぎなかった。国務大臣の責任は、大臣助言制の下、天皇に対する単独責任であった(憲法上、大臣は議会に対して一切責任負わず)。枢密院の存在。憲法規定外の内大臣・元老の存在。 ・国民の権利は人間固有の生来的・自然権的なものではなく、天皇の慈恵によって付与された「臣民権」にすぎなかった。天皇が臣民を支配、臣民はそれに隷従するという構図、あくまでその範囲内での権利保障。思想良心の自由や学問の自由、平等権の保障も規定されず。 ・憲法上の権利規定は行政府と裁判所に対して拘束力を有するのみで、議会を拘束するものではないかった。→法律の留保。
お礼
大日本国帝国憲法の臣民の権利は、現在の自然権としての自由権ではなく、あくまで天皇から与えられた権利というニュアンスですね! ありがとうございました!!