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保守的な売上高計上基準って何?
こんにちは。 私は財務・経理に関して全くの素人です。下記のニュースを見ていて疑問に思ったため、誰かわかる方がいらっしゃったら教えてください。 昨日、文末にある通りのニュースを見かけました。記事には「売上高の計上基準をより保守的に変ええたため、従来基準に比べ12億円の減益要因が発生。」とあります。 売上高の計上基準により企業会計上の収益が変動するのであれば、株主向けには、より増収に見える計上基準を採用するのが良いように思いますが、逆に、減収要因につながる保守的な売上高の計上基準にも、何かしらのメリットがあるのかな?と疑問に思いました。この、保守的な計上およびそれに伴う減収には、具体的にどういったメリットが考えられるでしょうか。(収める税金額の絶対値が少なくなるとか?) ---引用--- 伊藤忠テクノサイエンスが1日発表した2004年9月中間期の連結決算は、経常利益が60億円と前年同期比0.1%減った。売上高の計上基準をより保守的に変えたため、従来基準に比べ12億円の減益要因が発生。それを除けば実質的には19%の増益だった。採算管理の強化や経費削減が寄与した。 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20041101AT3K0101701112004.html ---引用---
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>単純に、原則に合わせたいという理由によるものでしょうか。それとも、何か戦略的な理由が考えられるでしょうか。 この疑問に関しては、私自身は伊藤忠テクノサイエンスという会社の事業内容や収益構造、経営方針を存知あげませんので確答はできません。 ただ、会計上は会計処理を変更することに合理的な理由がある場合には認められますので、変更する事に合理性があったのだと思います。通常は出荷基準を採用している企業がほとんどだと思いますが、例えば、システム開発等の会社の場合は、出荷基準よりも検収基準の方が、一般に合理的だと思われます。 また、アメリカでは投資家の目や株価を気にして(?)、収益を過大に計上した粉飾決算を組んで倒産した大企業がありましたよね。これらを受けて、収益の計上基準は、出荷基準ではなく、到着基準や検収基準の方が適切とする見方も出てきています。 個人的に思うのは、出荷基準から検収基準に変更した場合、その影響での減収・減益は実質一期だけですし、投資家の立場からは、保守的な会計処理をしている財務諸表は堅実で信頼感が増すのではないかと思います。
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- SSSIN
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◆まず、保守主義については 企業会計原則で「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には,これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない」とされています。簡単にいうと企業は継続企業(ゴーイングコンサーン)を前提としているので、予測される将来の危険に備えて慎重な会計処理を行うことを要求しています。つまり、つぶれちゃ困るので、予想される利益は計上せず,予想される損失は計上する、収益は控え目に費用は多めに計上して、資本充実を図り、企業を継続させましょうという内容です。(ただ、過度に保守的な会計処理は適正な財務諸表を表さなくなるのでNGですが) ◆次に、実現主義について 企業会計原則で「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。」とされています。ここの販売とは、一般的には「出荷」又は得意先が「検収」したときをいいます。従って、一般に売上計上基準は、出荷基準(企業が商品を出荷した時点で売上を計上する方法)、検収基準(得意先が商品を検収した時点で売上を計上する方法)があります。どちらの売上計上基準が保守的かといいますと「収益は控え目に費用は多めに計上」という考え方からいうと「検収基準」が「出荷基準」より遅く売上が計上されるので、より保守的な会計処理といえます。ただ、どの基準を採用するかは企業が任意で選択できますが、一旦採用した会計基準は、毎期継続して適用し、正当な理由がない限り、みだりに変更してはいけません(これを継続性の原則といいます)。 以上から「売上計上基準を出荷基準から検収基準に変更」した場合などは、より保守的な会計基準に変更したことになります。 また、仕入についても同じことがいえます。 http://www.asahi-gk.co.jp/kamoku/b02_uriagegenka.html
補足
仔細な解説を頂き、誠に有難う御座います。 私は会計は素人ですが、コンピュータのシステムインテグレーションの予算管理を行っているので、検収基準が保守的であることは大枠理解できるつもりです。 上記が会計処理の原則であることは解るのですが、なぜ"今回保守的な会計処理に変更したのか"という動機が良く掴めません。今回の記事によると、CTCは今まで出荷基準寄りの会計処理を行っていたのだろうと推測できるのですが、なぜ、変更する必要があったのでしょう? 単純に、原則に合わせたいという理由によるものでしょうか。それとも、何か戦略的な理由が考えられるでしょうか。
- namnam6838
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|株主向けには、より増収に見える計上基準を採用するのが良いように思いますが、 それはだめです。 企業会計原則で「保守主義の原則」というものがあります。 http://kai-kei.ceo-jp.com/ks/kg.htm グレーのものはすべて安全性の高いほうに傾けるということです。 株主や債権者にとって安全なのは、売上が確実なものであり、架空ではないことです。 過大な売上が実現しなかったとき、その情報は誤っていたことになり、損害を受けるのは、その売上が正しいと思っていた株主です。
補足
回答頂きありがとう御座います。 そうすると、 今回改めて"売上高の計上基準をより保守的に変えた"のは、保守的な計算により確実と見込まれる売り上げを公表することで、仮に想定した売上が実現しなかったときの影響(業績予想を下方修正するなど)を抑えるためなのかな?と思ったのですが、どう思われますでしょうか。
お礼
返答有難う御座います。 もしかして、このような会計処理に変更する際の"一般的理由"があるのかな?という疑問が本質問を立てた趣旨だったのですが、SSNINさんのおっしゃる通り、やはり、本当の動機はCTCのみしか知りえないのでしょうね。