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振動する水分子による熱エネルギーの伝播
水分子の振動はお隣の水分子に伝わり、振動が水分子を次々と伝わっていきますよね。水分子の振動が伝播する理由とは、 A. 水分子内の酸素原子核内と水素原子核内の陽子からのクーロン引力が、お隣の水分子内の酸素原子内と水素原子内の軌道電子を振動させる。 B. 水分子内の酸素原子内と水素原子内の軌道電子からのクーロン斥力が、お隣の水分子内の酸素原子内と水素原子内の軌道電子を振動させる。 C. 水分子内の荷電粒子(陽子と電子)からの電磁波が、お隣の水分子の荷電粒子をローレンツ力で振動させる。 D. その他。
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>水分子の振動はお隣の水分子に伝わり、振動が水分子を次々と伝わっていきますよね。 違います。 「熱振動」であるとか「分子振動」とかいった、あまり適切ではない用語がしばしば使われることがあるため勘違いをしているのだと思います。水分子は、いわゆる「振動」はしていません。 振動のもっとも単純な例として、振り子を考えてみましょう。 振り子のおもりが一番下の位置で止まっているとします。このおもりを手で引っ張って、45度ぐらいの位置まで持って行き、手を放します。するとおもりは重力によって下へ引っ張られて、「元の位置」に戻ろうとします。この時の「元の位置」を「原点」と呼び、原点に戻ろうとする力を「復元力」と呼びます。 復元力によりおもりは元の位置に向けて「加速して」ゆき、「原点でスピードが最大」になって、原点を通り過ぎます。原点を通り過ぎると復元力はスピードを抑える方向に働き、減速します。そして、おもりは徐々にスピードを落とし、45度近くで停止します。停止した錘は復元力によって原点の方向へ動き始め、徐々にスピードを増します。そして、やはり原点でスピードが最大になり、原点を通り過ぎます。原点を通り過ぎると、復元力によって減速され・・・ という過程を繰り返します。つまり、おもりは原点に向かう復元力を受け、原点の周囲を往復するような加速度運動をするわけです。 ギターの弦はどうでしょうか? 弦が止まっている状態から、ピックで弦をはじくと、弦ははじめの位置(これも原点と呼ぶことにしましょう)からある距離だけピックによって移動させられて、そして離されるわけです。すると、減の張力は弦を原点へ戻そうとする復元力として働きます。この復元力によって弦は原点に向けて加速されます。スピードが増加してゆくので、原点でスピードが最大になり、原点を通り過ぎます。原点を通り過ぎると、復元力により減の運動は減速されてゆき、あるところで弦は停止します。すこから弦は原点に向けて動き出し、復元力によって加速され、やはり原点でスピードが最大となり、原点を通り過ぎます。原点を通り過ぎた弦は復元力により減速され、あるところで停止します。それから復元力により原点に向けて動き始め、復元力によって加速されて、原点でスピードが最大となって原点を通り過ぎ・・・ という過程を繰り前します。 つまり、弦が原点に向かう復元力を受け、原点の周囲を往復するような運動をするわけです。 音叉の振動を見てみましょう。U字型に曲がった音叉の端をたたくと、たたいた衝撃で音叉の端が曲がります。すると金属の弾性力が復元力となって、曲がった音叉の端をもとの位置(原点)に向かって運動します。音叉の端は復元力によって加速され、徐々にスピードを増し、原点でスピードが最大となって原点を通り過ぎます。原点を通り過ぎると、復元力は音叉の端の運動を減速するように働くので、ある点で音叉の端の動きは停止し、再び原点へ受けて運動をし始めます。 以下同文 というわけで、音叉の「振動」も、音叉の端の部分が復元力によって原点へ戻ろうとして、原点の周囲を往復するような運動をします。 このように、いわゆる「振動」と呼ばれる動きは、原点へ向けて物体を動かそうとする復元力により、原点へ向けて加速されるような往復運動をします。 では、水の分子の「熱振動」はどうでしょう? そもそも「熱」とは何かというと、10^10個とか、10^20個とかいった、あまりに多すぎて個々の粒子の運動を計算しようとしてもしきれないような多数の粒子の運動を調べたいときに、個々の粒子の運動を一つ一つ計算することを放棄して、粒子の集合全体の動きを調べようとする試みであって、粒子全体の運動エネルギーを熱と呼び、平均の運動エネルギーを温度と呼ぶのです。 つまり、個々の水の分子はそれぞれ勝手に運動しているのです。勝手に運動しているので、その運動は等速直線運動です。ただし、すぐ近くに他の水分子がいるので、少し動いただけですぐに隣の水分子と衝突します。水の分子は「く」の字型をしているので、衝突すると不規則に跳ね返り、運動エネルギーと運動量が移動します。多くの場合、運動エネルギーの大きい分子から小さい分子へ運動エネルギーが移ります。その結果それぞれの水分子の運動エネルギーは、もとの運動エネルギーの小さかった方の運動エネルギーよりは大きく、もとの大きかった方の運動エネルギーよりは小さくなります。つまり、運動エネルギーが平均化されてゆくわけです。 2つの分子の集団があり、それぞれの集団の分子の運動エネルギーの平均値が、一方の方が他方より大きかったとします。個々の分子の運動エネルギーの総和が熱であり、運動エネルギーの平均値が温度ですから、温度の異なる2つの分子集団があるわけです。たとえば熱湯の中へ冷水を注いだような状態と思ってください。 熱湯の中へ冷水を入れると、熱湯の部分では分子同士がそれぞれ勝手に等速直線運動を行い、衝突を繰り返します。冷水の部分の内部でも、分子同士がそれぞれ勝手に等速直線運動を行い、衝突を繰り返します。さらに、熱湯と冷水とが接する部分でも、分子同士がそれぞれ勝手に等速直線運動を行い、衝突を繰り返します。 熱湯は運動エネルギーが大きい水分子が集まっており、冷水には運動エネルギーが小さい分子が集まっています。運動エネルギーの大きな分子と小さな分子とが衝突すると運動エネルギーは、運動エネルギーが大きい分子から小さい分子へと移動します。 このようにして、運動エネルギーは平均の運動エネルギーが大きい方の分子集団から、平均の運動エネルギーが小さい方の分子集団へと移動します。 この時の運動エネルギーの総和が熱であり、運動エネルギーの平均が温度ですから、温度の高い熱湯から温度の低い冷水へと、運動エネルギーである熱が移動することになります。 電磁波は全く関係ありません。 古典電磁気学では、原子核の周りを電子が周回していると、円運動は加速度運動であるため、電磁波を放出します。電磁波が放出されるということはエネルギーが外部へ放出されるということであり、この時に外部へ放出されるエネルギーは電子が原子核の周りをまわる運動エネルギーになります。すると、電子の回転速度が遅くなり、最後は電子が原子核に落ち込んでしまい、原子がつぶれてしまいます。これは数秒程度以内の時間で生じます。ということは、原子はすぐにつぶれてしまうわけです。それは現実とは合致しませんから、原子の世界では古典電磁気学は、そのままでは適応できないということになります。だから量子力学が必要になるのです。 また、軌道電子は振動しませんし、仮に振動したとしても、それと熱エネルギーとは関係ありません。 基本的に古典論が通用しなくなり、量子論でなければ説明できないような現象に、古典論で妄想を膨らませても、心理に遠ざかるだけです。 まず、「熱エネルギー」で検索して熱エネルギーというものがどのようなものであるのかを理解しましょう。
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- Nakay702
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お礼コメントとリンクの添付をありがとうございました。 まだよく拝見してしておりませんので、見当違いかもしれませんが、例えば、電気ウナギが天敵や餌を一瞬しびれさすことができる、ということも関係ありますかね。
- ohkawa3
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ミクロな熱運搬のメカニズムに対して想像を膨らませていらっしゃいますが、 液体の「水」の熱エネルギー運搬は、温められた水自体が移動することによって生じる「対流」現象が主体であると捉えることが常識的と思います。 ご質問になっているメカニズムは、固体の水である「氷」に適用するとしたほうがよさそうに思います。
- Nakay702
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私の独断と偏見によれば、D.その他、だと思います。 水分子中の熱エネルギーの伝播は、次のような形で進むと考えます。 第一段階:水分子の温度が上がると、それを構成する原子の、その原子を構成する全粒子の動きが激化します。そして、(鶏と卵問題みたいですが)粒子の動きが激化すると分子の温度上がります。 第二段階:熱線の浸透作用と帯熱部位の対流により、隣接の水分子の温度が上がる。 →第一段階へ影響し、水分子の温度上昇のスパイラルと拡散が続く…。 要約:「物質の熱は、構成粒子の運動である」。 自信ありそうに書きましたが、実は、ありません。^o^!
お礼
対流と伝導、液体の運動は奥が深いですね。ありがとうございます。 熱運動と直接は無関係ですが、水は極性分子でプラス電荷とマイナス電荷の部位が有るので高い木の頂上まで上れる、という興味深いビデオが有りました。 https://www.jw.org/finder?wtlocale=J&docid=1102017893&srcid=share
お礼
水は極性分子で、プラス電荷とマイナス電荷の部位が有るので高い木でも上れる、というビデオを観たので、熱の伝播もクーロン力が関係するのかもと思いました。固体と違って液体は対流で熱を運搬できる訳ですね。ありがとうございます。