カブトムシは外骨格を持っている生き物です。
外骨格は物理的な衝撃への保護だけでなく、病原体の侵入をは阻む目的で形成されていると考えられています。その理由は、外骨格からは抗菌ペプチド、異物認識タンパク質、メラニン合成系酵素などの、免疫をもたらす因子が発見されているからです。
さて、一般に、脊椎動物の骨格(内骨格)はカルシウムですが、カブトムシの外骨格は多糖高分子のキチンを主成分としています。成体になるための初期段階では、外骨格は柔らかく強度は不十分ですが、ラッカーぜと呼ばれる銅タンパク質により硬化し、また茶色く着色された成体となります。
少なくとも、外骨格にカルシウムは含まれていない、ということです。
そこで、本題への回答です。
魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類はどれも内骨格を持つ脊椎動物となりますが、そのうち、身体の外部にカルシウムを含有した組織を持つものは、鳥類と哺乳類の一部にいるので、カブトムシはそれらではない、と考えられます。
また爬虫類では絶滅してしまった恐竜は、内骨格から派生したツノを体外に持つものもいた、カルシウムによる組織を体外に持たないカブトムシは爬虫類ではないでしょう。
残るは魚類と両生類となりますが、魚類の場合、カブトムシに酷似した外骨格のような形質を持つ硬骨魚という種類がいて、有名なのはシーラカンスです。しかし、シーラカンスの鱗はコズミン鱗と呼ばれる、哺乳類の歯と同じハイドロキシンアパタイトとエナメル層により形成されたものであり、カブトムシの外骨格とは成分が異なります。
よって、消去法から、カブトムシはおそらく両生類の仲間です。
両生類は、カブトムシが何らかの理由で、外骨格を硬化させずに幼生のまま成長した姿なのか、それとも他の免疫系(たとえば粘液などの分泌物)を獲得したことで外骨格を退化させたのか、または、両生類が表皮を硬化する方法を獲得し進化したのか…そこまでは定かではありませんが。