博物館の解説は要点だけですので、補足します。
使われなかった・・・一般には流通しなかったという意味です。開港というのは1876年「日朝修好条規」です。(鎖国していました)
結論からいいますと近代貨幣制度は開港以降導入されたということです。
以下、簡単に歴史を説明します。
996年 高麗時代最初の鉄銭「乾元重宝」を鋳造
その後三韓通宝、三韓重宝、海東通宝、海東重宝、三国通宝、三国重宝の鉄銭、銅銭を相次いで発行。また銀貨も作られました。
1401年 李朝政府は法貨として紙幣を発行
1423年 朝鮮通宝という銅銭を発行
1464年 鉄の箭幣を鋳造
しかし、一部での流通にとどまり一般農民の間では米や布が交換手段として使われ続けました。
経済の発展に伴い貨幣に必要性も高まってきました。
1633年と1651年に常平通宝という銅銭が発行され、いったん中断したものの1678年以降は恒常的に鋳造・発行され全国に流通しました。
1876年の開港とともに日本通貨が流入し、品質の悪い当百銭、当五銭などの通貨が発行されたことで通貨の混乱を招きました。
1894年 甲午改革で新式貨幣発行章程を定め銀本位制をめざしたが補助通貨の白銅貨の乱発がインフレを呼び、日本円銀に内地流通承認で更に混乱を招きました。
1905年 日韓協約にもとづく貨幣整理事業により新貨幣発行、旧貨幣回収事業を行い日本の通貨体制のもとに組み込まれました。
お礼
丁寧なご説明、ありがとうございます。 ご説明の中でも18世紀(1701から1800)の記述がありません。18世紀の朝鮮半島では何が起こっていたのでしょうか?