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江戸時代、成人男子の髪型。

髪型に関して何か法令のようなものは出ていましたか。 例えば、 ・武士の髪型は「まげ」でなければならない。 ・町人・商人など武士以外の人の「まげ」は、武士とは区別できるように。 ・職業によって髪型は決まっていた。僧は「坊主頭」だったと思いますが、神官や公家の髪型は決まっていたのですか。 以上、よろしくお願いいたします。

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  • 4017B
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回答No.2

生活全般の何から何まで雁字搦めに "御法度" で縛られていた江戸時代の人々ですが、意外な事にヘアスタイル、つまり髪型に関する既定や禁止事項などはありませんでした。 これは『武家諸法度』に従う様に幕府から指示されていた武士階級も含めて、被支配階級であった町人(農民、商人、職人)に対しても特にこういう髪型にしなさい~みたいな決まり事などは定められていません。ですので少なくとも、江戸時代の人々にとっては自分のヘアスタイルだけが唯一、自由にして楽しめるファッション分野でした。でしたが…!実際には、当時の人々は所属階級に関係無く徹底的した隣人管理監視社会の中で、「○○職の人はこうあるべき」というガチガチに固まった社会通念によって、髪型は無論の事、立ち振舞いや言葉遣いに至るまで、その全てを強烈な同調圧力の中で自己規制していました。 その逆に「服装の規制」に関しては、何と江戸時代で平均して2年に1回の割合で「奢侈禁止令」が出されています。 - "江戸時代の服装規制": https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/31/6/31_6_432/_pdf 面白いですよね。現代人の感覚だと髪型が一番、規制対象になりやすそうな気がしますが。現代日本人だと「髪型=校則」みたいにイメージして、むしろ江戸時代の方が「髷の乱れは忠義の乱れ」みたいな考えが浸透しててもおかしくなさそうですが…実際には全くのノー規制で自由バンザイの天下御免状態で野放しだったにも関わらず。文献記録や浮世絵などに残る当時の人々の髪型を見ると、多少はアレンジはされてるもののそこまで乱れて?はいない様に感じます。 これはあくまで自分の私見ですが、現代のように髪が伸びたらすぐに理髪店などでカットして貰う事が出来る時代とは異なり、江戸時代の様な中世社会においては過剰な髪型規制を施行したとしても、実効性が伴わなかったのでは無いかと思います。古代中世社会で似た様な「髷の文化」を持っていた中国の唐代でも、やはり特に髪型に関する法規制等は無かったみたいです。これは「髷」を結うためには男女に関係無く、常にロン毛の状態を保って置かなけれならず。また20世紀以降、WW2以降の石油大量消費文明社会が到来するまでは、ほとんど全ての文化圏で「頭髪を洗うのは月に1回程度」だったため、その様な環境では自由にヘアスタイルを変えていじるのは難しかったのではないかと推測します。 このため当時の社会環境では、そもそも髪型を個人の自由に変えて楽しむといった事自体が完全に想定外の事象だったのではないでしょうか。一度、銀杏髷なり総髪頭なりにしてしまえば、その後は最低でも1ヶ月以上はそのままの髪型を維持するしか方策が無い時代だったので。当時の人々も余りヘアスタイルに関して興味関心が向いていなかったのではないかと思います。 他にも同じく江戸時代に発布された『禁中並公家諸法度』にも服装に関する規定は記述されていますが、髪型に関する記述は一切ありません。しかしながら古代の奈良時代にまで遡ると、757年(天平宝字元年)に施行された『養老律令』の中には役人や町人の服装の他に、髪型に関する決まりも記載されています。曰く「一位礼服宝髻」とあり、要約する「(内命婦の)一位の女性の礼服は宝髻(ほうけい)、即ち菩薩様と同じ様な頭上に髷を結ぶ髪型にしなさい」という風に書かれています。自分が調べた限り、男性の髪型に関する規定に関しての具体的な記述は分かりませんでしたが。こういう場合、特に記述が無い場合には「上に倣え」が基本なので、少なくとも朝廷に出仕する役人に関しては上司の許しを得ないと変な髪型には出来なかったと思われます。 江戸時代で幕府が専ら気にして禁止したモノは髪型では無くて "ヒゲ(髭)" でした。江戸時代の最初期の1670年に『大髭禁止令(おおひげきんしれい)』という法令が発布され、少なくとも武家の人間はこれを厳守して「髭を生やしてならない」と定められました。一応、ちょび髭程度のちょっとした髭は良かったみたいなんですが…まあ同調圧力というか、宮仕えで徹底して上役に忖度する事が求められる武士階級なので、すぐに頂点に君臨する将軍様以外の男子は決して髭をたくわえてはならず~と云う風に解釈され、この規定は混迷期の幕末まで徹底して遵守されました。 これも前述の通り、髷を結ったり洗髪したりして鬢付け油で整えたり~と大掛かりになりがちな髪型に比べて、髭は独身者でも水桶鏡に写しながら毎日でも剃刀1本でさっとキレイに出来ますので。仮に法令で強制してもそれなりに実効性があったからだと思われます。

kouki-koureisya
質問者

お礼

詳しいご回答真にありがとうございます。 「強烈な同調圧力の中で自己規制していた」のですね。 江戸時代の雰囲気が伝わってきました。

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その他の回答 (1)

  • f272
  • ベストアンサー率46% (8653/18507)
回答No.1

髪型に関する法規制はありません。しかし身分に応じて常識的な髪型にすることが当然とされていました。 なお服装に関しては何度も倹約を旨とした規制がかけられていました。

kouki-koureisya
質問者

お礼

早々のご回答ありがとうございます。 法規制はなかったのですね。よくわかりました。

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