- 締切済み
フリードリヒ・エンゲルス
フリードリヒ・エンゲルスが 自分の子供を作らなかったのは マルクス家を 援助するためだったんでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10007/12518)
以下のとおりお答えします。 >フリードリヒ・エンゲルスが 自分の子供を作らなかったのは マルクス家を 援助するためだったんでしょうか? ⇒確かに、この種の事柄は調べにくい問題ですね。著名人とはいえ、プライバシーに関わる、いわば「裏面史」の類ですから、専門書や事典・辞典などで説明対象外と見なされるようでほとんど記述がありません。ですから、多分に推測交じりになりますが、私は次のように考えます。すなわち、エンゲルスが自分の子供を作らなかったのは、(マルクスとは関係ないとまで申しませんが)「学問への関心」を優先したことの結果ではないかと思います。 古来、例えばカントのように、生涯独身で通した大哲人が大勢います。カント以外にもデカルト、スピノザ、ライプニッツ、ショウペンハワー、ニーチェなどがいます。その理由について、「結婚は真理の追究をさまたげる」からというのがあります。定説というほどではないとしても、大方の認める公約数的な所説のようです。お尋ねのエンゲルスもその一人であったと見ることができると思います。 フリードリヒ・エンゲルス(1820-95) は、富裕な工場主の家に生まれましたが、故あって幼少時から働き、同時に広く文学・科学・社会学・哲学を学んだ。哲学関係では特にヘーゲル哲学に関心を寄せ、20歳代はじめにカール・マルクス(1818-83) と出会いました。1844年、『経済学批判大綱』の刊行に際してパリで再会した時、二人はすでに完全に一致し、ここに二人の終生にわたる学問上・思想上の結びつきが始まったとされます。その後二人の共同の著作『神聖家族』や『ドイツ・イデオロギー』を書いて、いわゆる「唯物史観」を確立しました。さらに、マルクスの死後は、彼の遺志を受け継いで彼の大著『資本論』を完成させたことがよく知られていますね。 このように、エンゲルスはマルクスに共感・共鳴し、その論稿や思想大全に大きく貢献したことは間違いないと言えるでしょう。とはいえ、エンゲルスは全てを(まして、一身上の結婚や子作り問題を)マルクスに捧げたわけではないはずです。エンゲルス独自の事情・考え・思索・著書などがいろいろあったようで、特にエンゲルスならではの、自前の著作も、例えば、『革命と反革命』・『家族、私有財産および国家起源』・『ドイツ農民戦争』・『弁証法と自然』など、多数にのぼります。 以上の見方により、フリードリヒ・エンゲルスが分の子供を作らなかったのはマルクス家を援助するためだったのかどうか、とのお尋ねに対しては、「そういうことではなかったと思われる」というのが私の結論です。