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混 -- 「こむ」と「まざる」
「電車がこむ」の「こむ」を国語辞典でひくと、「『混む』とも書く」とかいてありますが、漢和辞典には「こむ」というよみはのっていませんし、文字の解説からも「こむ」という意味はでてこないようにおもいます。 「電車が混む」というかきかたがされるようになった時期と原因をおしえてください。 つけたし 「混雑」という熟語も「雑多なものがいり混じって秩序がない様子」というのがもともとの意味だそうで、「混」が「こむ」という意味をもって「混雑」という熟語がなりたっているわけでもなさそうです。 つけたし2 「こむ」を「混む」とかくのがただしいかまちがいかという質問ではありませんのでよろしくおねがいします。
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- gekkamuka
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#4の補足です。 「外来語の語源」(角川書店)によれば、「ラッシュ・アワー」という訳語が最初に現れたのが大正13年の「新しい外国語の手引き」(田中一郎編/青蛙社)であり「混み合い時間」と訳が振られています。 この頃から既にこれらの言葉の「ゆらぎ」があったものでしょうか。
- gekkamuka
- ベストアンサー率44% (138/309)
「混む」は新聞漢字表の音訓から外れた読み方として「込む」への書き換えをしています(「朝日新聞の用語の手引き」より)。 ただ、大阪文化に詳しい事典には堂々と載っていますね。 コム【混む】(動) 混雑する。雑踏する。[例]風呂が混む。電車が混む。(「大阪ことば事典」講談社学術文庫版) 「混雑」という言葉の持っている意味「雑多なものがいり混じって秩序がない様子」からして、とり散らかって「こちゃこちゃ」「ごちゃごちゃ」なので、やがてごちゃごちゃと混ぜ合わさって「ごちゃ混ぜ」「混ぜこじゃ」となり、だから何かと「ごっちゃつく」「ごたつく」事態へと表現が転化していったものでしょうか。 「込む」と「混じる」が込み混じり、「ごちゃ混ぜ」となって、いつしか大阪言葉では「混む」という表現が生まれ、やがて高度成長時代に全国区になったというのはいかがでしょう。
お礼
ありがとうございます。 『朝日新聞の用語の手引き』のかきかただと「混む」のほうが本来のかきかたともとれますね。 『大阪ことば事典』は私ももっていますが、なぜ「コム【混む】」が立項されているのか不思議です。「こむ」って大阪弁でしたっけ?
補足
『朝日新聞の用語の手引き』みました。 『朝日新聞の用語の手引き』をふくめて、おおくの用字用語集は「こむ」を「混む」とかくのは常用漢字表にないかきかたとし、「込む」を推奨しているようです。ひとつだけ「混む」を旧表記としている用字用語集がありましたが、他の材料からかんがえて、「混む」は旧表記ではなくむしろあたらしい表記の様におもえます。高度成長期にうまれた表現かどうかはわかりませんが…
- kwgm
- ベストアンサー率24% (170/703)
手元にある漢和辞典(学研 常用漢和辞典 S51初版発行 S57第7刷)で調べました。 混 まじる、コン 込む 混むとも書く とのこと。 情報として書いときます。
お礼
ありがとうございます。
補足
「混」という字の項のよみの欄に「まじる、コン」とかいてあり、「込」という字の解説欄に「込む 混むとも書く」とかいてあったということでしょうか。それとも「込む 混むとも書く」いうのも「混」の解説でしょうか。
補足します。 新判『漢語林』大修館書店平成10年4月発行 P644 字義 (1)
お礼
情報をいただきありがとうございます。 近所の書店には『漢語林』はありませんでした。今度のやすみにでももっとおおきな書店にいってみます。
補足
『漢語林』みました。 「こむ」というよみがあるのではなく、「こむ」という意味があるということですね。複数の種類の漢和辞典をみましたが、「混」に「こむ」という意味があるとする辞典は少数派の様ですし、「こむ」というよみをのせているものはみあたらないという結論になりそうです。
日本語の「こむ」に漢字を当てて「込む」と書くか漢語を借りて混雑と書いていたものが、混むという当て字に変わったものと思われます。しかし、その時期までは分かりません。人や物がたくさんいり込んだ姿が混雑なので「混む」が自然発生的に使われ始めたのでしょう。 多分、ワープロが普及してから急速に「混む」派が増え 今や主流になってしまったのでは・・・ しかし、混むは混雑の意味だけで使われ、いり込む、思い込む、取り込むなど等には混むは使われませんね。 なお、漢語辞典でも小さく「こむ」と読みが書いてありますよ。
お礼
ありがとうございました。
補足
3冊の漢和辞典で「混」をしらべました。 三省堂『漢辞海』 大修館『漢語新辞典』 平凡社『字通』 3冊とも「こむ」というよみはのっていませんでした。 ただ『字通』には「混」の字にはもともと「こみあう」という意味をもっていたともとれる記述もありました。 martinbuho さんの参照された漢和辞典の出版社と辞書名をおしえてください。
お礼
ふるい辞書をあたるというのはいいてかもしれません。重要な示唆を与えていただき、ありがとうございました。 もし大正13年にすでに「混み合い時間」という用字がされていたとすれば、ちょっとかんがえなおさなければなりません。
補足
明治の『言海』も平成の『日本国語大辞典』も「こむ」の漢字表記として「籠」と「込」をあげています。『言海』の「混雑」の項には「入リ雑リテ別け難キ」とかいてありました。