比熱には定容と定圧の2種類あるのは知っていますよね?
何が違うかは理解していますが?
また、その差は何かわかりますか?
定圧比熱は単位量(モルまたは質量)に対しての温度変化に必要なエネルギー量に加えて体積変化の膨張仕事に必要なエネルギー量が上乗せされています。この上乗せされるエネルギー量すなわち差分がガス定数になります。
気体分子は温度に合わせて決まった速度でそれぞれ勝手に動き回っています。閉じられた空間で考えた場合、中に存在する分子の数が多いほど、周囲や他の分子に衝突する頻度が高くなります。だから一般的には質量または密度、比容積が関わってきます。
温度が高くなると分子の動きは活発になるので衝突頻度も高くなり圧力が上がります。温度を変えずに容積を大きくするときには、分子の動き回る速度が容積の拡大に追従できれば単に圧力が下がるだけで一般的に言われるPV=nRTなどの一番目にする式にほぼ一致する変化となります。ところがそれ以上の膨張を強いられるときには移動に必要な移動速度が不足してしまうため温度として持っていたエネルギーを一時的に運動エネルギーに変換して温度を下げながら容積変化に追従します。また膨張が止まれば温度を下げて作った運動エネルギーは不要になるので外部とのエネルギー授受がなければ元の温度に戻り、PV=nRTの関係に戻ります。だから一般的に断熱膨張は計算通りにならないとか言われるのです。
ちなみに強制的に容積を増やしただけの膨張は気体分子が自身の持っているエネルギーで勝手に状態を変化させることになるので、変化が終われば元の温度に戻りますが、圧縮の場合は外部から仕事(エネルギー)をもらわなければできません。だから断熱圧縮はほぼ計算式通りの答えになります。
もっと細かく式などを確認したいのであれば熱力学や流体力学、流体工学などの分野で複数の資料を当たってみると良いと思います。
ちなみに違うものだと言い張る人も大勢いると思いますが、中学・高校程度で出てくる運動量保存の法則・エネルギー保存の法則・ベルヌーイの定理、広義で言えば質量保存の法則もすべて同じものと言えると思います。
位置エネルギーと運動エネルギーだけで表せば運動量、加速減速上昇下降を含めて考えればベルヌーイの定理、ジュールの実験関係から出てくる温度と仕事の関係も含めてエネルギー保存の法則ということではないでしょうか。さらに、これらの法則はすべて基準にすべき物質の質量が一定(単位質量当たり)の値で表現されています。