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気体の溶解状態と体積
ヘンリーの法則に従い,一定量の液体にわずかに溶けている気体の 溶解状態は,溶媒分子のすきまで,大気中の気体と同じように自由にふるまっているのでしょうか。 また,ヘンリーの法則に従い,圧力をかけた場合でも溶解している気体の体積は変わりませんが,溶解している気体の体積とはその一定温度,一定圧力下の液体中で自由にふるまえる空間をいうのでしょうか。 教えて下さい。
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>また,ヘンリーの法則に従い,圧力をかけた場合でも溶解している気体の体積は変わりませんが,・・・(1) 「溶解している気体の体積」という言葉はこれに続く文章の中でも使われています。 >溶解している気体の体積とはその一定温度,一定圧力下の液体中で自由にふるまえる空間をいうのでしょうか。・・・(2) (1)についての質問が(2)です。「溶解している気体の体積」とは何かという質問です。(1)の意味が分からないので「こういうことなんでしょうか?」と質問しているのです。 #2では >後半に関しては質問自体が意味をなしていないように思います。 (1)が分からないからこそ(2)が出てきたのだというところが踏まえられていないように思います。 >『溶解している気体の体積』というのは、溶液中での話とは無関係に、その温度、圧力で気体として測定したときの体積です と書かれていますが「その温度、圧力で気体として測定した時の体積」とはどういうものであるかがやはりはっきりとしないのではないでしょうか。 (1)の記述は教科書に出てきます。問題の形になっているときもあります。 #2様は教科書にある記述の意味をご存知なので(1)の文章が正しいとして答えられているのです。 でも質問者様がこういう質問をしたのは(1)の記述の内容が分かりにくいからです。「気体の溶解量は圧力に比例する」というヘンリーの法則の後に出てくるのですから混乱します。 ここは授業でも教える時に苦労する所です。 ここで扱っている、溶解度に関連して出てくる「溶けた気体の体積」、とは「水に溶けていた気体をもう一度気体として取り出して測った体積」のことです。「水に接触している気体の体積の減少量」だとしても構いません。 ※単元の最初に「溶けている気体の体積」とはこういう意味であるという説明の文章はありません。教える時に補うこととなっているのでしょうがそのまま使ってしまう教師が多いだろうと思います。 ※「溶けた」気体の体積と言うか「溶けている」気体の体積と言うかで受け取るイメージが変わってきます。 ※私はいつも「減少量」の方を使っていました。 溶けた気体の体積は0℃、1気圧に戻して考えるか、溶かした時の温度、圧力のままで考えるかで異なってきます。上の(1)は溶かした時にピストンにかかっていた圧力のままで体積を考える場合です。ボイルの法則と組み合わせて考えることが出来ますので問題として出てくる場合が多いです。 「溶けている気体の体積」 水の中に溶け込んでしまったものはもはや気体ではないのですから体積を決めようがありません。「体積」が意味を持たないと言ってもいいでしょう。だから#1の回答では(1)、(2)をともに否定されたのです。「何らかの意味で気体に戻して考えるのは当然だ」とは言うことは出来ないのです。こういう場面をある程度知っている人がそう考えるのです。普通の高校生にはよほど丁寧に説明しないと理解できないことです。 気体の溶解度の表現が体積を使って行われているというところに一番の原因があります。溶解度の定義の説明で出てくる「10℃で溶けた気体の体積を0℃、1気圧に換算して・・・」という文章でクラスの半分以上が脱落します。食塩の時のように「~g溶ける」、または気体の特徴を踏まえて「~モル溶ける」ということであればそれほど多くの脱落者は出ないだろうと思います。気体は体積の測定が容易です。でも測定のしやすさと原理の理解のしやすさとは別のことです。 私は教科書の採択のときに「気体の溶解度がモルで表わされている」ということだけを基準にしていたことがあります。採択数が一番多いという出版社の人が「なぜうちの教科書を使ってくれないのですか」と言ってきたことがあります。「モルを使ってくれたら考える」、「体積を使っていることでどれだけ理解しにくい状況になっているかご存知ですか」と答えたことがあります。数年後の改定の時に質量表示に変わりました。でも現在どうなっているかはよく知りません。
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>溶解している気体の体積は変わりませんが これは正しいです。少なくとも高校レベルではの話です。ただし、「その時の圧力で』ということですので、圧力が倍になれば溶ける量も倍になります。体積は変わりませんけどね。 後半に関しては質問自体が意味をなしていないように思います。『溶解している気体の体積』というのは、溶液中での話とは無関係に、その温度、圧力で気体として測定したときの体積です。溶液中での状態はこういった議論の対象外です。
>溶解している気体の体積は変わりませんが これは何かの間違い。 多分「溶液の体積」が変らないのでしょう。 >溶媒分子のすきまで,大気中の気体と同じように自由にふるまっている いいえ、溶媒にはほとんど隙間はありませんから、他の物質を溶解した場合と同様、泳ぎ回る感じで、気相のような「平均自由行程(mean free path)」は存在しません。
お礼
大変ご丁寧な回答有り難うございました。いろいろと多くの本等を通して「溶けている気体の体積」について調べましたが分かる説明のあるものはありません。でもいただいた回答でイメージをつかむことができました。本当にご丁寧に対応して下さり,有り難うございました。