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近畿と四国には火山がないのでしょうか
塾の教師をやっています。先日過去の高校入試問題を見ていたら近畿と四国には火山がないというのが模範解答になっている問題を見つけました。現在活動中の火山と言うのならわかりますが、火山はないと言い切ってよいのでしょうか。
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少なくとも日本火山学会の火山専門家の間では議論が分かれてはいません。 答は「近畿地方に火山はある」です。火山の専門家に尋ねたら、火山の定義云々等と関係なく近畿地方には火山はあると答えます。以下のとおりです。いずれも兵庫県です。 ・田倉山 ・神鍋火山群(神鍋・目坂・上佐野) ・玄武洞 日本の火山の分布については http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/index.htm 神鍋火山群については以下が参考になります。 ・http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/kazan/Question/topic/topic153.html ・http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN4-8067-1199-3.html また、No5の回答に対する質問「活動の定義」の件ですが、「活火山」の定義は、火山噴火予知連絡会により「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」とされています。「現在活動中の火山」と言ってしまうと、現在噴火中の火山を言っているのか、活火山のことを言っているのか、あるいは別のことを言っているのかが分からず、曖昧ですね。 活火山の定義についてはこちらを参考にしてください。 http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0301/21a/yochiren.pdf
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- pikakuwa
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四国については「ない」と言ってよいと思います。 活火山はありませんし、先の回答の火山カタログにも載っていません。 石鎚山は太古のカルデラであり、また瀬戸内沿いに分布する讃岐石も古い火山噴出物ですが、どちらもあまりにも古いために火山地形は残っていません。古くて火山地形が残っていない場合には、通常「火山」とは呼びません。
お礼
ありがとうございます。いろいろ勉強になりました。
- uPC575
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京都府夜久野町と兵庫県和田山町の間にある「田倉山(宝山)」も 火山と言われているようです。 http://www2.nkansai.ne.jp/off/yakyoui/town/history10.htm 選抜試験で、こういう、議論の分かれる問題は、いやですね。
お礼
ありがとうございます。同感です。
- subduction
- ベストアンサー率33% (1/3)
#5さんの丁寧な回答に補足させて頂きます。 #5さんのご指摘の通り海洋プレートが約100kmの深さにまで沈み込むと始めてマグマが発生します。 メカニズムを説明しますと、 海洋プレートを構成する岩石が、圧力に依存する化学反応によって脱水して、H2Oが岩石の融点を下げます。 同時に、海洋プレートの沈み込みに伴うマントルの反流で高温のマントルが海洋プレート上面に押し上げられて、沈み込み帯の深さ100km付近の温度が上がります。この化学反応とマントルのレオロジーとが組み合わさって初めてマグマが発生します。この化学的および力学的な現象が両方とも海洋プレートの沈み込みによって起きる点がポイントです。 太平洋プレートは地球上で最も古い海洋プレートで、海嶺で生まれてから、古い部分だと1億年以上たっています。すっかり冷えきって重くなっています。一方フィリピン海プレート、特に四国沖の部分は非常に若く、わずか2000万年しかたっていません。若いプレートは古いプレートよりも熱く、軽いという特徴があります(熱いと言ってもマグマはできません。ちょっとだけ暖かいのです)。するとフィリピン海プレートは軽いので、なかなか沈み込みません。 つまり沈み込み角度が小さいのです。すると火山フロントは遠くなります。四国を通り越して中国地方の下まで行かないと深さ100kmに達しません。これが四国に火山がない理由です。 加えて、軽いフィリピン海プレートは太平洋プレートに比べて積極的に沈み込みませんし、そもそも暖かいので比較的早い段階でマントルと一体化するかもしれません。そうしたらマントルの反流を起こしにくくなるかもしれません(ここは想像ですが)。 マグマの発生については巽 先生の 「沈み込み帯のマグマ学 全マントルダイナミクスに向けて」 東京大学出版会 ISBN:4-13-060708-1 を推薦します。 大学生向けですが、図やエピソードも豊富な名著です。
お礼
本当にありがとうございます。 『圧力に依存する化学反応によって脱水して、H2Oが岩石の融点を下げます』や『マントルのレオロジー』等の専門的なことはあまりよくわからなかったのですが(例えば岩盤に亀裂が走って圧力が低下して融点が下がると思ってました)全般的には火山の事などほとんど知らない私にも理解できました。
- big_barn
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こんばんは。 日本付近は、ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピンプレートの4つのプレートが取り巻いていることはご存知だと思います。 このプレートはそれぞれ移動を続けており、日本の近海で潜り込み現象を起こしています。ユーラシアプレートの下にフィリピンプレートが、また、それぞれのプレートのさらに下に太平洋プレートが潜り込んでいます。潜り込んだ部分の巻き込みで窪んだ部分が、海溝やトラフと呼ばれ、それぞれ千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、相模トラフ、東海トラフ(駿河トラフ)、琉球海溝と呼ばれています。 潜り込みによって生まれたエネルギーは、地下に蓄積され地震や火山のエネルギーとなります。特に火山エネルギーは、潜り込んだ海溝やトラフから一定距離にマグマとして蓄積され、海溝から一定距離までは火山が無く、その距離を越えると多くの火山を発生させます。さらにこの距離を過ぎるにつれて火山の発生はまばらになる。この海溝から一定の距離に集中的に火山が発生するラインを火山フロントと呼びます。 なぜ、一定の距離に発生するかという話ですが、日本の火山活動は、すでに述べましたが、日本の周辺で生じているプレートの沈み込みと深い関係があります。 そのメカニズムは、例えば、東北日本では北米プレートの下に太平洋プレートが沈み込んでいますが、マグマの発生原因については、 (1)太平洋プレートが地下深く沈み込んでいくにつれて、温度や圧力が上昇しプレート中の水分が放出されることにより、陸側のマントル中の岩石の融け始める温度が低下しマグマが発生するという説 (2)太平洋プレートの沈み込みにより陸側のマントルの対流が引き起こされ、対流によって上昇するマントルの減圧溶解(高温物質であるマントルが熱の出入りを伴わずに上昇すると、マントル中の岩石にかかる圧力が下がり、岩石の一部が固体から液体に変化する現象)が生じ、マグマが発生する説 などがあります。いずれにせよ、これらによって発生したマグマが、上昇してきて地表に吹きだす現象が火山活動ということになります。 このようなしくみでマグマが発生する場所では、沈み込んでくるプレートの上面の深さは概ね決まっており、地下100km~180kmくらいの範囲になります。プレートの沈み込みの角度は、だいたい同じなので、海溝から一定の距離に火山フロントが形成されるというわけです。 火山フロントの図解、位置は下記urlをご参考にしてください。西日本の火山フロントは曖昧になっていますが、未だによくわかっていないようです。中国山地あたりが火山フロントであるとするのが、一般的なようです。 山陰には比較的最近活動した火山がありますが、少なくとも四国には活火山はないようです。近畿地方に関しても、活火山はないと考えても問題ないと思います。ご指摘どおり現在は、死火山という言葉は使いません。過去1万年以内に噴火履歴のある火山を「活火山」、活火山でない火山は「その他の火山」と呼ばれます。 模範解答についてですが、高校入試の範囲であれば厳密な定義については触れられないので、現在活動していないと考えられているものは火山には含めなくてもよいと思います(極端なことを言えば、1億年前に活動していた火山を、火山と呼ぶのかどうかという話にもなってきますので)。したがって、「火山はない」と言っても問題ないと考えます。 火山フロントについての図解↓ http://www.kishou.go.jp/know/whitep/2-4.html 火山フロントの位置については↓ http://www.sivsc.jp/specialist/item1/01-03.htm マグマに関する説明↓ http://georoom.hp.infoseek.co.jp/3litho/21magma.htm#島弧マグマ ここも参考になると思います↓ http://www2s.biglobe.ne.jp/~aaihara/map.htm
お礼
大変詳しく回答していただいた事に感謝いたします。「高校入試の・・・『現在活動していない』・・・」という部分ですが、「活動」の定義もあいまいであるように思いますがどうなんでしょうか。例えば富士山は火山ですよね。これは地震計等による観測結果から活動中であると判断するのでしょうか?それとも過去何年か以内に噴火した火山は現在も活動中と考えるというような定義でもあってそれに基づいて火山と判断するのでしょうか?
- kkiku
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私は子供の頃、西宮市にある甲山は死火山と習いました。 そして、甲山で検索をして火山との説明のあるページを見つけ、子供の頃はトロイデ式火山と習いましたが、今は火山でもちょっと違った説明になっています。 「近畿には火山はない」と言う模範解答には疑問が残りますね。 甲山のURLを付けておきます。
お礼
ありがとうございます。甲山は火山の芯ですか。知らなかったです。でも、風化して芯だけになったものを火山とはいえないでしょうね。
- Pesuko
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過去に火山だったというのなら。 二上山 http://www.mahoroba.ne.jp/~abenaram/hot38.html 耳成山・畝傍山 http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/kazan/Question/topic/topic151.html またこの上記サイトにもあるように、火山の定義は死火山も含めていますからその問題回答は疑問が残りますね。 上記サイトより引用 火山という言葉は新版地学事典(平凡社)によると火山活動により地表付近 に生じた特徴的な構造あるいは地形をさします。
お礼
ありがとうございます。私もあまり詳しくないのですが今は死火山と言う言葉は使わないようです。火山の定義は専門家でも意見が分かれるようです。
- hime_mama
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無いとは言い切れないみたいです http://homepage2.nifty.com/sankyo-plus/page/100meizan09.htm http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/yama.htm
お礼
ありがとうございます
- z-knight
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こんにちは 下記サイトを見る限り、「活火山」はないようです。
お礼
ありがとうございます。私も活火山はないと記憶しております。
お礼
ありがとうございます。そんなにはっきりしてるのであれば、中学生レベルだからとかいう問題ではなく、近畿に火山はないとする解答は間違いだといいきれる訳ですね。四国についてはどうなんでしょう。