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企業(個人)が私文書偽造等罪で刑罰を受ける場合
- 企業(または個人)が私文書偽造等罪や公正証書原本不実記載等罪で刑罰を受ける場合の条件や罰則について調査しました。
- 農地転用申請書を私の許可なく勝手に作成した場合、刑罰に該当する可能性があります。
- 企業相手の私文書偽造等罪や公正証書原本不実記載等罪では、個人や企業のどちらかが刑罰を受ける可能性があります。
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1.農地転用申請書を「当人の許可なく作成」してその文書を行使するということ自体は私文書偽造等罪及び同行使罪、これを公務員が受付をして処理をすると土地台帳の記載が変わるため公正証書原本不実記載等罪にそれぞれ問われる可能性があります。農地転用申請書は印章を用いるため、有印私文書偽造の扱いとなる可能性が高いといえます。 2.これは作成及び行使した個人が罪に問われます。刑法は法人を処罰するようには作られていません。そのため、法人ぐるみで何らかの犯罪を起こした場合は、実行犯はもとよりそれを指示したり監督したりした人も共同正犯あるいは従犯として個人が罪に問われます。今回のケースでは、この農地転用申請書を作成し、行使(使用)した人が実行犯、これを容認または指示した人物があればこれも罪に問われる可能性があります。 3.ケースバイケースであるため、それぞれの罪科における最高刑を上限としてみることになります。 有印私文書偽造(作成の罪)は3か月以上5年以下の懲役が法定刑であるため、罰金刑はありません。有罪になった場合は執行猶予が付く可能性はあっても懲役が科せられます。またこれを行使しても法定刑は同じです。 公正証書原本不実記載等罪は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が法定刑となります。そのため、最高で罰金は50万円です。 4.損益の補填は「反省の度合いを示す」ので、量刑が軽くなる可能性はあります。いわゆる「被害者側の処罰感情」の部分です。ただ、これもケースバイケースですし、今回の場合だと役所を騙しているので、損益補填で私文書偽造関係は量刑が軽くなることはあっても、公正証書原本不実記載等の罪については軽くならないかもしれません。 これは被害者はあなたと役所(公的機関)であるためで、役所側が処罰すべしと判断するのであれば、損害補填しただけでは「役所を騙した」部分においては量刑の軽減はされない可能性があるためです。 5.詐欺罪の構成要件は、「人を欺き、被害者を錯誤させ」「被害者が財産を処分・転移した」ときに成立します。つまり、だまし取ったら詐欺ですが、今回は所有権そのものはあなた自身の意思で処分や転移をしていませんから、詐欺罪自体には問えない可能性が高いです。そもそも、固定資産税が増えたのは「あなたの錯誤」によるものではなく、文書を勝手に作られて提出されたことによる「不法行為に基づくもの」なので、詐欺にはなりません。 虚偽の説明をしたということだけでは詐欺には当たらないですが、このあとに財産を処分・転移させようとしていたことが明らかであれば詐欺未遂として被害届を出すことは可能となるでしょう。 刑事事件の部分では、あくまで「当人が犯した罪」について「検察と被告人」が争うものですので、実損を取り戻すとか、慰謝料を取るのであれば民事訴訟で原告被告の関係で争うことになります。
お礼
親切なご説明に感謝しました。大変ありがとうございました!