楚漢戦争物は、陳勝呉広の乱から秦の滅亡までは秦とそれに対する（項羽らも含む）群雄、それ以降は項羽の楚とそれに対立する劉邦の漢を中心とした連合体、という形で概ね単一の対立軸が続き、（実際はそうではないのだが）ずっと同じことをやってる感じになって飽きてしまう。
それに対し三国志は、群雄割拠から三国鼎立へと、対立軸がある程度整理されつつも複数あり続け、（やっていることは楚漢戦争物とそれほど変わらないのだが）そこに複雑さを感じて、それが面白さの維持につながっている。
そういう差がある。
…という感じの評論をどこかで読んで納得した気がする。
しかし最近は（ネットの普及や出版不況などの理由により）有名なものの情報は増え、それほど有名でないものの情報は増えないという状態が続いています。
そのため三国志の評判に触れたことがある人は増えやすく、楚漢戦争物の評判に触れたことのある人はそれほど増えず、結果として人気に格差が広がりやすくなっています。
（日本の歴史もので、織豊時代以外も十分面白い分野があるのですが、同様の理由でそれほど人気になりません）
そういう事情もあるかと。
まぁ、三国志の人気が異常であって、楚漢戦争物も中国史全体でみると有名な方なのですが。
