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痛風です 70歳爺ですが・・・
ご指導&お話で良く出るのは (1)ザイロリックですが (2)フェブリク 私は常用しています。 有識者様! 各特徴を 教えて頂けませんでしょうか?
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) 薬剤師
こんにちは。痛風の薬と言ってもたくさんある上に、そもそも作用が似たようなものがあると「どう違うの?」という疑問も出てくるものですね。 ザイロリックとフェブリクは、両方とも「キサンチンオキシダーゼ阻害剤」という種類の薬です。 キサンチンオキシダーゼという代謝酵素を邪魔する薬ということなのですが、このキサンチンオキシダーゼという酵素がプリン体から尿酸を作り出しています。 じゃあ両方とも同じなんじゃ?と思う患者は実際に多いのですが、実はこの二つの薬は結構違うものなのです。 いくつかのポイントに絞ってその違いを説明します。 ・作用するポイント(作用機序) ザイロリックの場合、ザイロリックはキサンチンオキシダーゼによる代謝の対象となるプリン体のフリをすることでプリン体から作られる尿酸を減らします。 自分が盾になってキサンチンオキシダーゼの攻撃からプリン体を逃がしてあげるようなイメージです。 一方フェブリクですが、こちらはキサンチンオキシダーゼにへばりついてプリン体にくっつくことができなくします。 キサンチンオキシダーゼからプリン体を代謝する力を奪うような感じです。 ・飲み方 ザイロリック…1日2~3回 フェブリク……1日1回 フェブリクの方が使いやすいのは一目瞭然、といったところですね。 ・排泄 ザイロリックはキサンチンオキシダーゼによって代謝されて腎臓から排泄されます。 このため腎機能に問題がある場合は投与量の調節が必要になります。 フェブリクは腎臓だけでなく肝臓でも代謝を受けてから尿や糞に排泄されます。 このため多少の腎機能障害があっても調節することなく使用できます。 特徴だけ見るとフェブリクの方が優れた医薬品に思えますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。 ザイロリック メリット ・古くから使用されているので使用経験が豊富で医師としては使いやすい ・非常に安価な医薬品なので長期的に使用するケースが多い高尿酸血症治療薬としては経済効果が大きい(ジェネリックも選べる) デメリット ・1日の服用回数がフェブリクに比べると多いため飲み忘れ等のリスクがある ・腎機能の影響を受けるので調節が必要なケースがある フェブリク メリット ・1日1回でいいため飲み忘れ等のリスクが少ない ・ザイロリックに比べて尿酸値の低下が大きい(より効果的) ・中等度の腎機能障害であれば考慮する必要がない デメリット ・ザイロリックに比べると使用経験に乏しい(しかし発売からそれなりの時間が経過しており信頼性は上がってきている) ・ザイロリックに比べて高価(一般的な使用量で約2.5倍)で、まだジェネリックが存在しない 副作用についてはそれぞれにありますのでどちらが安全かというのは言い切れませんが、フェブリクにはまだ未知の部分があるのに対してザイロリックの副作用はほぼ掌握されていると言えます。 ザイロリックは歴史の長い薬なので以前から使っていた患者が次のような理由でフェブリクに変更することがあります。 ・腎機能が悪くなってきた ・尿酸値が下がらない ・飲み忘れが多い 一方で最近になって高尿酸血症になった人は最初からフェブリクを処方されることが多くなってきています。 似たような薬でも一長一短あります。 ご自身の薬についてこういった興味を持って知ろうとすることはとても素晴らしいことと思います。 ご参考になりましたら幸いです。お大事になさってください。
ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) プロフィール
ドラッグストア・調剤薬局を全国約1300店舗展開しているココカラファインのWEB担当薬剤師です。 健康、美容についての気軽な相談相手として「お友達以上お医者さん未満」のような存在を目指してます。 ...
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