- ベストアンサー
中性脂肪ってよく聞きますけど
中性脂肪ってよく聞きますけど、 中性脂肪以外の脂肪って人体にないの?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
中性脂肪は学術的には中性脂質というのが正しく、neutral lipidの訳語です。中性脂質の対義語は極性脂質 polar lipidです。この場合の中性とは、極性や電荷がほぼないという意味で、酸性中性アルカリ性の中性ではありません。 中性脂質はトリグリセリドやジグリセリドなど、グリセロールと脂肪酸のエステルです。極性基であるグリセロールのOH基と脂肪酸のカルボン酸基がエステル結合することで極性を失うので、出来上がったグリセリドは極性がない中性脂質となります。体内で脂肪といえばグリセリドのことですから、脂肪=中性脂質です。脂肪が中性なのは当たり前なので中性脂肪という言い方は頭痛が痛いみたいなものでおかしいんです。だからある意味「中性脂肪以外の脂肪って人体にない」というのは正しい。 いっぽう極性脂質の代表はリン脂質です。細胞膜や内膜系(小胞体、ゴルジ体などなど)を構成するやつです。食品成分で言えばレシチンと呼ばれているのがリン脂質のことです。グリセロールに二本の脂肪酸が結合したジグリセリドにくわえて、グリセロールの残りひとつのOH基にリン酸がつきその先にさらにアミン、コリンなどがついた極性をもった頭部がつきます。頭部に極性があるので極性脂質。
お礼
ありがとうございます! 丁寧な説明でよくわかりました 先生ですか