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Md30の影響とは?
- Md30は高いとマルテンサイトが生成しやすいが、加工に影響があるか?
- マルテンサイトの生成により靱性が減少し、引き抜き時に割れやすくなる可能性がある。
- ステンレス関係の仕事でわからないことが多いので、今後も質問していきたい。
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◎関連の回答を3年ぐらい前にしているので合わせて見てください 1.オーステナイト系ステンレス鋼の分類 (1)安定オーステナイト系ステンレス鋼 a. 過酷な塑性加工を行っても加工誘起マルテンサイト変態しない。(磁性は出ない:反磁性体) b. Ni当量25~26%以上 Md30も0℃以下 c. 時効割れは、発生しない(応力腐食割れは発生する) d. 変態誘起塑性が起きないので、加工性が落ちる。 (2)不安定 (準安定)オ-ステナイト系ステンレス鋼 a. 熱力学的安定相は、フェライト相であるが、Ms点とMd点間では、準安定オーステナイト組織で、過冷又は塑性加工を施すことで、加工誘起マツテンサイト変態(α’変態と略す)が、発生します。 b. 加工誘起マツテンサイト変態に起因する成形性伸びの向上つまり変態誘起塑性TRIP)が起きるので成形性に優れる。(常磁性体となる) c.材料特性の温度依存性・速度依存性が、極めて高い。 d.時効割れが発生しやすい。 2. オーステナイト安定度とは オーステナイト安定度とは、α’変態の起こり易さの組織依存性を示し、安定度の指標としては、Md30値(℃) が指標として使われ以下の実験式で 表されます。(0.3%の歪みを材料に与え、50%マルテンサイトに変態する温度) プレス加工では、添加合金元素の影響を見る為にMd30が一般的に用いられます。 野原の式 Md30 (℃)=551-462(C+N)-9.2(Si) -8.1(Mn)-13.7Cr -9.5(Ni+Cu)-18.5Moー68Nb-1.42(ν-8.0) Ms点 Ms (℃) =1032-41.7Cr-61Ni-33Mn-27.8Si+1667(C+N) Ni当量 (平山の式) オーステナイトの安定度を各成分元素の影響をNiの増減に換算して、Ni当量を次式で表します。 Ni当量(%) =Ni+0.65Cr+0.98Mo +1.05Mn+0.35Si+12.6C 3.結論 ・塑性加工に携わる者は、特にステンレス材を扱う場合、オーステナイト安定度をよく管理(監視)する必要がある。→時効割れの発生 ・変態誘起塑性の性質を利用して引き抜きのような過酷な加工を行うのであるから、この性質をよく理解して利用する必要がある。 ・ステンレス材は、温度依存性が高いので、加工時の温度をコントロールすることで、大きな変形と不具合防止ができる。(温間成形等) ・変態量は、フェライトスコープでフェライト量として簡単管理できる。
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>精密細管を製造 するヒトが答えれば良いでしょうが、日本中で千人も居ないだろうし、その方が此処を訪れることはあまり期待できない。 ステンレスパイプの製造工程 http://www.fujinokuni.co.jp/pipetec/semi.htm 引抜と光輝焼鈍を(繰返す)になってるから、Md30が高いとされるノーマルSUS304でも製品が出来ているのでしょう。 対策低Md30とされるものもどこまで使われてるのか、引抜または絞り工程に続く焼鈍の回数でのコスト増と材料コストの勘定具合になるかと。 鋼種別加工硬化性比較 http://www.ns-sus.co.jp/product/m_04.html 引張強さと加工誘起マルテンサイト量 http://www.sei.co.jp/tr/pdf/industrial/sei10440.pdf
初めてのご質問投稿者さんですね。 初回から厳しい回答をするのはあまり適切ではないのですが、ご所望の回答 が得られるヒントとして聞いて頂ければ有難く思います。 前置き無しで「Md30」とご質問なさっていますが、前提無しでMd30が理解で きる読者(回答者)は少ないと思います。「Md30」がどんな分野で、どのよ うな指標とされているか、ご自身での説明或いは参考URLの紹介をなさるこ とが、ご所望の回答を速く得られるポイントと思います。 今回のご質問で「Md30」とは、オーステナイト系ステンレス鋼の変態のしや すさを表す数値として使われている数値と捉えて宜しいでしょうか?