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ステンレスの降伏点とは?
- ステンレスの降伏点はJIS規格とステンレス協会の値が異なる理由を解説します。
- SUS430はフェライト系であるため焼入焼戻はできません。
- 冷間加工の影響はSUS430にわずかであり、耐力と引張強度は同一です。
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元の質問を締め切っていたので、質問に回答の形でお礼 いたします。皆様ありがとうございました。 ネットや文献を調べていたのですが、色々調べた断片的な 事柄と繋がってきました。
話は少しだけ逸れますが、鋼構造設計基準というものは御存知と思いますが、 その中には許容応力について例えばSS400(<40t)であれば基準強度:降伏点を JIS規格材料を使うという前提条件ならば、1.1倍にしても構わないという規定 が存在します。もしも圧力容器などの法規定を受けないならば、同様な考え方 で社内基準として少なくともSUS430耐力205x1.1=225.5でも通用できそうです もっと突っ込んで見れば、使用材料から試験用試料を切り出し引張試験成績書 で御社が証明すればミルシートなどというロッド単位の厳密には宛にならん物 を使わないでもより高い基準強度を使える可能性もある事も御存知と思います 戻って最近はSUS430という材料は使わなくなりました。(プラント業界では) フェライト系のステンレスは溶接が難しいというか組織が肥大し易いからかも 知れないし2相系ステンレスの入手が容易になったのもあろうかと思います。 敢えてSUS430を使うのは厨房とか建築外装くらいのものではと思ってました。 元の質問(No.42852)を見てみました。 >どちらで計算するのが正しいのでしょうか。 そりゃ設計的には最低値でしょうっと私は言いたいがw設計者の判断に依る所が 大きいのだろうと思います。そもそも構造部材か単なる置物?なのかにも依る 尚且つステンは錆びないと思われがちだが、錆び難いのであって、腐れ代等も 場合によって考慮しなければならない。つまり設計条件を把握する必要がある
>SUS430は製造方法にかかわらず最終は焼きなまし処理 この知識はありませんでした。 ここで確認し http://www.lucefin.com/wp-content/files_mf/1.4016a43062.pdf Cold-processed.... Rp0.2 A% size~10 320 8 ------ 400-630 240 20 とあるので圧延によるサイズ効果があると思い、伸びの小ささを見落とし焼きなましは無いであろうと判断、しかし小径でも伸びが20%あるならそれは間違い。 もし製造メーカまたは流通関係のお方なら、この例のようにサイズ別のtypical値を示してほしいと要望します。 他にS-C、SCM などでも規格値だけなのが日本の実情。jfeの代表例なんてほんとにレア。なので探しまくって見つけたのがこの海外サイト。 私の関係ではtypical値を示さずして売れはしないのに、なんと殿様商売なことかと。。。。 >SPCCでも、板厚により熱処理材の規格値が異なるのは伸びだけであり、 耐力と引張強度は同一です。 これは違うと思いますよ。 http://www.toishi.info/sozai/spcc_spcd_spce_spcf_spcg/spcc.html SPCCの調質記号と硬度、伸び 引張強さと伸びは、厚さ0.25mm以上幅30mm以上に適用 設計者はミルシートの以前に設計するうえでデータが欲しいのです。 最近は弾塑性解析のためのデータやS-N曲線データの質問も。(前件の海外を探る途上で見つけたがスルー) JIS規格もS45Cなどは参考値も消された。なので某設計サイトの旧規格の紙コピーを掲げるのが検索で掛かる状態。それを見るにも調質の値と小物で焼入低温戻しの値さと誤解する例も数多。 質問も多くありました。(最近は全体で質問件数が激減) その実態あるゆえ、硬さ換算から引張強さを出せと、適用限界も知らずしてデタラメを繰返す回答者がランキングトップを続け、混迷を極めてました。 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=265626&event=QE0004 この大嘘つきは滅多に出てこなくなったが、ここ数日はちょろちょろしてます。常連回答者は全て無視してますが、どうなることやら。。。
補足
かなり調べて回答されているのですね。感心しました。 ご指摘の点、再確認して訂正も含めてコメントします。 1.最終工程は焼きなましの件 JISハンドブックで製造方法を再確認すると、G4303,4304,4305は最終は焼きなましです。ただG4309だけは焼きなまし後、必要ならば伸線をすることになっています。SUS430線材の強度規格から見て、最終は伸線になると推定します。 2.lucefinの資料 冷間圧延材の左側の欄(多分圧延まま)が空欄で、右側の焼鈍材の欄だけが記載されており、製品は必ず焼きなまし材のようです。強度にはかなり大きい板厚効果が示されており、このようなデータは初めて見ました。勉強になりました。この事例は冷間圧延素材の板厚がかなり大きく、圧延による微細化効果が焼きなまし後にも影響していると推定します。ただ同じ製品板厚でも加工率により値が異なるので、他のメーカー材にそのまま適用できるとは思われません。 3.SPCCの件 小生は「板厚による熱処理材の規格値の違い」について、つまり調質記号がAとSの場合について述べました。冷間加工ままの規格については御指摘の通りです。 4.供給側の表示の件 小生は定年後の身なので確実なコメントはできませんが、フェライト系の結晶粒度は冷間加工率により変わるため、素材の転用性汎用性から製品板厚に対して常に同一の加工率を付与することが難しく、ご指摘のような一般表示はしないと思います。但しユーザーと個別仕様書を結ぶことにより強度を指定することは可能です。 補足を追加します。「日本ではS-C、SCM などでも規格値だけ」には誤解があるようです。 1. 一般的に鋼材メーカーの出荷状態は、SCやSCMなどの構造用鋼は圧延まま、軸受鋼、工具鋼、マルテンサイト系SUSと耐熱鋼は焼きなまし状態です。出荷材そのものの強度には何の規格もありません。焼入焼戻後の機械的性質は、ユーザーでの使用形状と熱処理条件に依存します。JISの要求は「25mm丸材をJISの条件で熱処理した場合」の機械的性質の保障だけです。それ以外の寸法や熱処理方法については保障しません(この点については誤解が多い)。また各種寸法と熱処理条件に関して参考値を出すことは不可能ではないのですが、多くの条件を網羅することは技術的に困難です。 2. マルテンサイト系以外のSUSと耐熱鋼は、鋼材メーカーで熱処理して出荷します。この場合もJISに規定されているのは25mm材の特性です。各種寸法の特性について、ご指摘のようにメーカーが公表することが望ましいとは思いますが、一般的にはほとんどしていません。ただし要求すれば、ミルシートに記載させることは可能だと思います。 設計者のニーズはわかります。 ミルシートは保証書ですから、原則的にはJIS項目しか記載しません。 それ以外のデータは「カタログ」や「技術資料」に代表値を記載してあります。しかし残念ながらWEB上には公開している例は多くありません。lucefinの資料はカタログに当たりますが、このように公開しているのは稀な例です。 さらにそれ以外の設計データが必要な場合、企業内技術者の方々は遠慮なく鋼材メーカーに問い合わせて下さい。要求通りの資料がない場合でも、何らかの説明や助言はしてくれます。