- 締切済み
焼嵌め条件
- シャフトにブッシュを焼嵌めするための条件を考える
- シャフトは高速モータ用であり、遠心力に耐える必要がある
- 焼嵌めの公差と焼嵌め温度を適切に設定する必要がある
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
>焼嵌め後、常温に戻ったときのシャフト、ブッシュ間の面圧(圧縮応力)の計算方法 を教えて頂きたいのですが。 フープ応力σ=pd/(2t)の式において圧力pがわかりません。 また面が潰れるかどうかの許容限界の求め方も教えて頂ければ幸いです。 1. いいサイトが見つけられませんでした。 次のURLは参考です。今回の中実シャフトとブッシュには適用できません。 www.bea.hi-ho.ne.jp/et6jiyuudo/youso/syuusyuku.pdf 2.フープ応力σ=pd/(2t) この計算式は,中空円筒(今回のブッシュに相当)に内圧pが作用しているときの中空円筒における引張応力(接線方向の引張応力)の計算に使います。つまり,中空円筒の内側に圧力が作用したときに,中空円筒は半径方法に広がります(膨らみます)。 また,この計算式は,円筒を焼き嵌めするときに生じる応力の計算にも使用します。焼き嵌めのときは,上記の内圧pを面圧という表現に置き換えて考えます。内圧が作用するときとは,状態が異なり,次のようになります。 ? ブッシュを温めるとブッシュ内径が大きくなる。 ? その状態で,シャフトに入れるが,すんなりと入る。 ? そして,常温まで冷えると,ブッシュは縮んで元の寸法に戻ろうとする。 ? しかし,シャフトは中実のために,つぶれないので(外径は小さくならない),ブッシュは半径方向に強制的に広げられる。 ? そのために,ブッシュの内周面には,シャフトから押される力(圧縮応力)が作用し,また,外周面には接線方向の引張応力が作用する。 ? 一方,シャフト外面には,作用反作用の関係で,ブッシュの内周面に作用する圧縮応力と同じ値の圧縮応力が作用する。 3.焼き嵌めの強度確認 次の3点は必ず確認が必要です。 ? ブッシュのフープ応力σ(=引張応力) σ=pd/(2t)であるが,面圧pがまだ不明なので,締め代Δdと「フックの法則」を使って計算します。 ε=σ/E・・・フックの法則 ゆえに,σ=ε・E ここに,ε=Δd/d,dはブッシュの内径。 ? ブッシュの面圧 p=2tσ/d ? シャフトの面圧 ?のpと同じ値 4.面がつぶれるかどうかの検討 上記3。?及び?で計算した値が,それぞれの材料の引張強さ(S45Cは570N/mm2,SUS304は520N/mm2)を超えると,面がつぶれる危険があります。実体強度はこれらの値よりは高いことが多いので,実際はまだつぶれないと思いますが。 上記3.?のフープ応力が,ブッシュの引張強さを超えると,割れが発生する危険があります。
さきほど,結論を書きませんでした。申し訳ありませんでした。 焼嵌め代=0.0030.006mmになるように,シャフトとブッシュの公差を決める。ただし,加工において精度が出るかどうかは加工屋さんに確認する必要があります。 焼嵌め温度=計算では温度差72℃なので,実際の温度は入れやすさを考えて室温+80℃程度でしょう。
お礼
お礼が遅れてしまって申し訳ありません。丁寧なご回答誠にありがとうございました。本職が電気設計なので機械設計は疎くて困っていました。 焼嵌め後、常温に戻ったときのシャフト、ブッシュ間の面圧(圧縮応力)の計算方法を教えて頂きたいのですが。 フープ応力σ=pd/(2t)の式において圧力pがわかりません。 また面が潰れるかどうかの許容限界の求め方も教えて頂ければ幸いです。
お察しのとおり,焼嵌め代はきついほうがいいでしょう。ただし,焼嵌め後,常温に戻ったときに,お互いの面に圧縮応力が作用するので,面がつぶれないことを確認しておくことが必要です。 (1) 面がつぶれるかどうかの限界では,焼嵌め代0.013mm (2) 安全率1/2では,焼嵌め代0.006mm です。 詳しくは次のURLを参照してください。 http://mori.nc-net.or.jp/fQA.php?qid=10492 http://mori.nc-net.or.jp/fQA.php?qid=6776
お礼
yukio様、懇切丁寧な説明ありがとうございました。わかりやすくて理解できました。ほんとうにありがとうございました。また今後何か分からないことがあったらご教授願います。