- 締切済み
潜熱の放出???
2018年度センター試験地学基礎の問題なんですが、 「茶碗の湯が表面から冷える過程として最も適当なもの」 として、正解は 「潜熱の放出」を選ばせる問題が出されました。 これって、「潜熱の吸収」とすべきではないのでしょうか。 「潜熱の放出」って、ふつう水蒸気が凝結し、熱を放出するときにつかうんですよね。
- みんなの回答 (8)
- 専門家の回答
みんなの回答
- teppou
- ベストアンサー率46% (356/766)
No.4 teppou です。「お礼コメント」に回答します。 まず、拡散の件ですが、確かに拡散と潜熱は直接の関係はありませんが、拡散するから温度が下がるのであり、拡散しなければ温度は平衡しますので、温度低下の状況の説明には必要と思ったまでです。 お湯の表面から水蒸気が出ることにより、お湯の温度が下がる状況は、お湯の中の水分子のうち、たまたま大きなエネルギーを得た分子が液相の束縛を離れて気体になると言うことです。 この液相と気相との相転移に伴うエネルギーを潜熱と言います。 お湯の温度が下がると言うことは、熱を放出するということで、その熱がこの場合は潜熱であると言うことです。 水蒸気が潜熱を伴って、お湯から出ていくことを、お湯が潜熱を放出すると表現することはおかしくないと思いますので、前回答となった次第です。 次に、 >潜熱という語は厳密に定義できるにも関わらず このようなことは全くありません。 自然科学では、数学での定義と同様の意味で用語を定義することはできません。 用語の定義をしようとすると、まず、その定義に用いる用語の定義をしなければならず、そういうことをしていくと、どこかで堂々巡りに陥ります。 用語は、できるだけ多くの人と共通認識を得るためのものです。 >「蒸発熱の放出」や「気化熱の放出」などの表現が、用語が明確に定義されているような文章で使用例がありましたらご教示ください。 そのような文章は知りませんが、上記の理由で、そういうものを探すことには、あまり意味はないと思います。
- feles_c
- ベストアンサー率42% (18/42)
吸収か放出かの前に、「潜熱の放出」という表現に違和感があるということでしょうか。「潜熱(という形でのエネルギーの)放出」ではどうですか? No.4やNo.5の回答はまとはずれでしたね。
お礼
ご理解いただいてありがとうございます。 現象についてはわかっているつもりなので、用語の使い方の問題として疑問を抱いただけなんです。4択問題で必ず正答が1つあるという条件があるから、受験生は「潜熱の放出」を選ぶけれど、もし記述問題なら正答は「潜熱の吸収」ではないのかと。「記述問題として、正答をつくるならどう書きますか」そう質問すればよかったですね。 実は同僚(私と同様化学系)にも聞いてみたのですが、「う~ん、地学ではアリなんじゃない」という意見でした。 地学の用語ってそんなに曖昧なのか(潜熱を調べると、大抵(蒸発の過程における)蒸発熱等と同義となっています。蒸発熱なら物質について数値が求められる用語なので、概念的なものではありません。)と感じたのが質問の動機です。 >吸収か放出かの前に、「潜熱の放出」という表現に違和感があるということでしょうか。 そうですねえ、「潜熱としての放出」なら、個人的にまだ許せるレベルかなと思います。 「潜熱の放出」の場合、私見では凝縮・凝固の過程で定着した表現であり、それは潜熱を持っていた物質と熱を放出した物質が一致していることから、自然な使い方だと思います。
- feles_c
- ベストアンサー率42% (18/42)
>「物質Aが潜熱を吸収した」現象を「物質Bが潜熱を放出した」と表現することが妥当であるかどうかということではないでしょうか。 ここで、物質Aとは、具体的には何を言っているつもりなのですか。 茶碗の湯が水分子を水蒸気の形で放出したときに、その水分子は気化するための(気化したという状態での)プラスアルファのエネルギーを携えて放出されますね。 茶碗の湯は、潜熱を吸収してますか?放出してますか?
- feles_c
- ベストアンサー率42% (18/42)
「潜熱の放出」は、「持っていた熱エネルギーが出てゆく」というのを難しげに言い換えただけです。 「水蒸気が水に変わる現象のことのみを指していて、それ以外は潜熱の放出ではない」と思い込んでいるようですが、それは全くの誤りです。
お礼
お付き合いいただきありがとうございます。 >「潜熱の放出」は、「持っていた熱エネルギーが出てゆく」というのを難しげに言い換えただけです。 いえいえ、「持っていた熱エネルギーが出てゆく」ならば「熱の放出」ではないでしょうか。 >「水蒸気が水に変わる現象のことのみを指していて、それ以外は潜熱の放出ではない」と思い込んでいるようですが、それは全くの誤りです。 もちろん、水が氷に変わるとき、水蒸気が直接氷に変わるときも水の「潜熱の放出」は起こりますね。 ご回答いただく中で見解の相違が明確になってきたのは、「物質Aが潜熱を吸収した」現象を「物質Bが潜熱を放出した」と表現することが妥当であるかどうかということではないでしょうか。 私は潜熱という語が蒸発の変化においては蒸発熱と同義であり、それは物質について固有の値を持つような用語であることから、熱を放出した物質と状態変化で熱を吸収する物質が同じで無い(センター試験ではともに「水」ではありますが、別の変化をしているので分けて考えます)ときに「潜熱の放出」というような表現は妥当で無いと考えています。 ネット上や手元にある気象学関係の書籍でも、水の蒸発における熱の吸収に関して、温度が低下した物質の「潜熱の放出」という表現は見受けられませんでした。 そのような表現をされている信頼できる文章がありましたら、ご紹介いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。(大学入試センターだからとか、某大学入試だからとかはご勘弁を)
- teppou
- ベストアンサー率46% (356/766)
>「潜熱の放出」って、ふつう水蒸気が凝結し、熱を放出するときにつかうんですよね。 必ずしもそうではないと思います。 「凝縮熱の放出」という場合はその通りと思いますが、潜熱には「凝縮熱」と「気化熱」がありますね。 蒸発により液体の温度が下がる現象は、水蒸気が蒸発熱をうばって、空気中に拡散することですから。「潜熱の放出」と言っても、特におかしくはないと思います。
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 > 「凝縮熱の放出」という場合はその通りと思いますが、潜熱には「凝縮熱」と「気化熱」がありますね。 おっしゃられる「気化熱」は液体についてですので、蒸発熱と同義と考えてよろしいですね。 >水蒸気が蒸発熱をうばって、 これは熱の「吸収」ですね。 >空気中に拡散することですから。 これはNo.3の回答者様が書かれている通り、潜熱の吸収は液体の水から水蒸気への変化で行われていて、その後は無関係。ですから拡散の部分については「潜熱」という語を使用するのは不適当だと思うんです。 潜熱という語は厳密に定義できるにも関わらず、話し言葉のレベルでは曖昧に使われているのではないでしょうか。 このセンター試験の選択肢については、用語についての詰めが甘いように思えるのです。 「蒸発熱の放出」や「気化熱の放出」などの表現が、用語が明確に定義されているような文章で使用例がありましたらご教示ください。
- feles_c
- ベストアンサー率42% (18/42)
問題文をよく読みましょう。 ペーパーテストの基本です。 この問題では、「茶碗のお湯」の話をしています。蒸発した水蒸気がその後どうなるかなど、この問題とはまったく無関係な話です。 「潜熱の放出」は、平たく言えば「持っていた熱エネルギーが出てゆく」ということです。 湯の表面では、水分子が熱エネルギーを受け取って水蒸気に変わる(蒸発)がおきています、他の水分子と引き合う力を振り切って気体になるエネルギーが必要ですが、それが気化熱と言っているものですね。なので、その分湯はエネルギーを失って冷えます。 水蒸気が冷えた窓ガラスに露となって凝結して熱を放出するのは、水蒸気が潜熱を放出していて、「潜熱の放出」の一例にすぎません。日中の日差しで暖められた地面が夜間に徐々に冷えてゆくのも地面が潜熱を放出しているわけで、「潜熱の放出」の例です。
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 >この問題では、「茶碗のお湯」の話をしています。蒸発した水蒸気がその後どうなるかなど、この問題とはまったく無関係な話です。 私は「潜熱の放出」は凝縮(気象としては水蒸気の凝結)の際の表現ですよということをお伝えしたかったのですが、ご理解いただけなかったようで残念です。 >「潜熱の放出」は、平たく言えば「持っていた熱エネルギーが出てゆく」ということです。 「潜熱」である以上、状態変化にともなって(温度変化を伴わずに)物質の持っていた熱エネルギーが出て行くというのが「潜熱の放出」でしょう。「持っていた熱エネルギーが出てゆく」は「熱の放出」にしか過ぎないと思います。 >水蒸気が冷えた窓ガラスに露となって凝結して熱を放出するのは、水蒸気が潜熱を放出していて、「潜熱の放出」の一例にすぎません。 これは確かに「潜熱の放出」の代表的な例ですよね。同意いたします。気象のハドレー循環やフェーン現象の解説でも一般的に用いられる表現ですね。 >日中の日差しで暖められた地面が夜間に徐々に冷えてゆくのも地面が潜熱を放出しているわけで、「潜熱の放出」の例です。 熱放射等を無視するとしても、地面が含んでいた水分による「(水の)潜熱(に相当する熱量)の(地面の物質が顕熱として)放出」であり、先の例とは異なるもの、というより逆の変化(凝縮と蒸発)ですよね。 逆の変化をどちらも「潜熱の放出」としてよければ、言い換えるとどちらも「潜熱の吸収」として良いことになりませんか。もし潜熱を昇華熱に置き換えるとどうでしょうか。昇華熱の放出と、昇華熱の吸収は同じ現象を表すのでしょうか。 放出や吸収は移動の「向き」を含む言葉であり、もし熱化学の問題ならば「吸収」と「放出」を間違えると誤答となると思います。『夏に道路に水をまいたら道路の表面温度が低下した』理由を説明するものを選べという問題なら、「蒸発熱が吸収された」「蒸発熱の吸収」という選択肢が適当であり、ここに「蒸発熱の放出」というような選択肢があるとするならば、熱化学なら誤答にあたる選択肢としか思えないです。 現象については何も考えに相違は無いと思うのです。ただ、私は状態変化をする物質について用いる「潜熱」という用語を、その物質に熱を与える物質の立場から「放出」と表現することに強烈な違和感を感じますし、調べた限り気象学などで一般的に認知されている用語の用い方では無い(話し言葉なら聞き流すと思いますが、これはセンター試験です)と考えています。
- fujic-1990
- ベストアンサー率55% (4505/8062)
> 「潜熱の放出」って、ふつう水蒸気が凝結し、熱を放出するときにつかう 私は理科の教師ではないので「ふつう」どうつかうのかは分かりませんが、水が凝固して熱を放出するときにも、同じように使うと思いますし、 「潜熱」という言葉から判断して、センター試験の「正解」でよいように思います。 潜熱というのは何か、ご存じだろうと思うので略しますが、「気化熱」も潜熱です(各種辞典、事典)。 湯という液体の一部が、温度の変わらない「蒸気」という気体になるには、周囲から気化熱を奪う(受け取る)必要があります。 湯の一部は、湯から気化熱(潜熱)を奪って気化するわけです。 気化熱(潜熱)を奪われた茶碗の湯は、その分冷えます。 今、「熱を奪われた」と書きましたが、これは言い方の問題にすぎません。 湯が一部(表面部分)の湯に「熱をおしつけた。受け取らせた。放出した」と言っても同じです。 くどいですが、この場合の熱は「潜熱」の一種である気化熱のことですので、「湯は潜熱を放出した」と表現していいのではないでしょうか。
お礼
回答をいただきありがとうございます。 冷えた湯は温度を変化させているんですから、放出した熱は顕熱なのではないかと思えます。 この場合の潜熱は蒸発した分のお湯の蒸発熱です。蒸発は吸熱変化です。 潜熱は「蒸発したお湯の蒸発熱」なので、「吸収」と表現するべきでは無いかと考えるわけです。 「蒸発したお湯の潜熱に相当する熱量を、冷やされたお湯が放出した」のですが、これを「潜熱の放出」というのは乱暴な言い方だなと感じます。 例えば、100℃を超える温度の鉄球を100℃のお湯に浸し、お湯が蒸発して、鉄球の温度が100℃に低下したとします。 鉄球の温度が低下した理由として「(水=お湯の)蒸発熱(に相当する熱量)の(鉄球からの顕熱の)放出」というような、途中で主体が変わる表現でなく、「(水=お湯の)蒸発熱の吸収」と主体が一致した表現がなされるべきだと私は思います。 気象関係のサイトも見て回りましたが、「潜熱の放出」という表現は凝縮(地学では凝結の方が一般的でしょうか)の際の表現ですね。「(水の)潜熱の(水の凝縮による)放出」と主体は一致しています。
- feles_c
- ベストアンサー率42% (18/42)
>「潜熱の吸収」とすべきではないのでしょうか。 つまり、「ある物が熱を吸収すると、それは冷たくなる」と主張しているでしょうか?
補足
茶碗の湯は冷たくなりますが、茶碗の湯が放出したのは潜熱ではありませんよね。茶碗の湯の持っていた熱は蒸発した水、水蒸気になった分に潜熱として「吸収」されるのではないですか? お湯の表面で「潜熱の放出」により温度が低下するのですか?潜熱の放出は蒸発した水蒸気が結露する、お湯の表面よりも上の空気の中、あるいはそれがガラス窓で冷やされて結露するところで「潜熱の放出」が起こるのではないでしょうか。
お礼
teppou 様、再び回答いただきありがとうございます。 >拡散するから温度が下がるのであり、拡散しなければ温度は平衡しますので、温度低下の状況の説明には必要と思ったまでです。 了解しました。ありがとうございます。 現象としては理解しているつもりです。 >水蒸気が潜熱を伴って、お湯から出ていくことを、お湯が潜熱を放出すると表現することはおかしくないと思いますの 潜熱を吸収する(状態変化をする)物質に対して、それに相当する熱を与えた物質について「潜熱を放出する」という表現はおかしくないというお考えですね。 >用語は、できるだけ多くの人と共通認識を得るためのものです。 私は「潜熱の放出」は水蒸気の凝縮や、液体の水の凝固のような、ある物質が状態変化をしつつ周囲の他の物質に対して熱を放出する変化に対して用いるという「共通認識」があるものと考えておりました。辞典や気象学の書籍の用例によるとそうなると思うのですが、そうではないというご意見ですね。ありがとうございました。