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中欧の鉄道輸送
先日の一帯一路のNHKの再放送を見てふと疑問に思いました。 中欧間で鉄道を使った貿易が盛んなようですが、中国と欧州の間の国々は鉄道の軌間が違うはず。 いったいどういう流れでコンテナが鉄道輸送されるのでしょうか?
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- FEX2053
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一帯一路の鉄道輸送って、一番の狙いは「中国内陸部の工業化」 なんです。直で船に乗せられる広州や上海のことは考えてません。 内陸の西安や重慶、それこそウルムチやハルピンが狙いです。 船に乗せるのに、一旦陸上=鉄道輸送が必要な地域ですね。 なので、多少速度が犠牲になっても、コスト最優先なんです。 パナマ運河経由の船と競争する、アメリカの大陸横断鉄道の貨物 列車とは微妙に考え方が違います。 ただ、積み替えの手間ってのはバカになりません。なので、中央 アジアの国々は「標準軌間の貨物別線」を考えているところも あるようですよ。土地が余ってるところですし、広軌の鉄道は 旧ロシア時代にろくにメンテナンスされず放置されて状態の悪い 線路ですからね。改軌するより作っちゃったほうが安いんです。
- eroero4649
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#2です。そういわれてみれば欧州側の積み替え駅をあまり考えたことがありませんでしたが、基本的にシベリア鉄道と同じルートになると思われるので、南経由ではなくモスクワに行き、そこからミンスクに至るんじゃないかなと思ったのですが、こんな挿絵が見つかったのでそれでほぼ間違いないようです。 http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20161212000401_comm.jpg モスクワって、実は鉄道のハブ都市でロシア鉄道網にとって最も重要な交差点なのです。ワルシャワからシベリア鉄道まで至る東西の鉄道路とサンクトペテルブルクからボルゴグラードに至る南北の鉄道路はモスクワが交差点の位置になるのです。 だから、ナチスドイツはモスクワを目指しスターリンはモスクワを死守したのです。モスクワを失うと、鉄道の最も重要な要衝を失うことになるので全線へのソ連軍への補給が維持できなくなる可能性があるのですよね。 私の手元には第二次世界大戦当時のソ連の鉄道ルートの資料しかありませんが、鉄道路線はこの当時も今も基本的には変わってないはずです。ロシアの東西の鉄道ルートはポーランドからバルト三国を通ってサンクトペテルブルクに至る路線と、ポーランドからミンスクを通ってスモレンスクからモスクワに至る路線とポーランドからキエフを通ってハリコフに至るルートがありますが、このうちウクライナを通るルートはまさにロストフ・ナ・ドヌの近くを通らないといけないので今そこは紛争地ですからこのルートはないと思います。元々メインルートでもないですしね。 そう考えるとモスクワを経てベラルーシでまた乗せ換えていると考えるのが自然だと思います。 Wikipediaによると、ハンブルグと北京の間は鉄道輸送で15日かかるそうで、これは海路に比べると約半分の日数だということです。半分というのはアドバンテージは大きいと思いますね。しかも途中でロシア向けのものとか東欧・中欧向けのものとかを分配することができるのも大きいと思います。 人間の輸送は飛行機というものがありますから、やはりメインは物資輸送だと思いますよ。元々鉄道は軍隊を迅速にかつ大量に輸送するために発達したという歴史がありますからね。大砲の弾を大量に消費する近代戦においてはその補給輸送の手段が・・・(以下自粛)
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再度のご回答ありがとうございます。 寒くて雪深いところに遠回りするような気がしますがモスクワ経由ですか。 まあ戦場は通れませんしね。
- eroero4649
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中国とヨーロッパは標準軌と呼ばれる1435ミリ幅のレールを使っています。だから機関車は別にしても少なくとも貨車(と客車)は共用することができます。ちなみに新幹線も標準軌です。 しかーし、そのまま中国からヨーロッパに輸送することはできないのです。なぜかというと、その間に挟まっているロシアが広軌と呼ばれる幅が広い規格を使っているのです。1520ミリですね。かつてナチスドイツがソ連に侵攻したとき、鉄道の規格が違うのでレールの張替えからやらなければならなった(ついでに広軌のロシアでは給水所の間隔も広いので新たな給水所も建設しなければならなかった)なんていう話もあります。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%BA%96%E8%BB%8C#/media/File:Rail_gauge_world.png 閑話休題。じゃあ中国からヨーロッパに鉄道輸送しているときにどうしているのかというと、カザフスタンに巨大な乗り換え貨物駅があるそうで、そこでコンテナを移しているそうですよ。もちろんこのときに移し替えの手数料が発生するわけですが、これが何ドル相当になるんだったかなあ、ちょっと数字は忘れてしまいましたが国家財政を十分潤すほどのカザフスタンの「主要産業」のひとつになっているそうですよ。 鉄道輸送に伴う電力の需要増加はインフラ整備の後押しをしますので、これをきっかけにカザフスタンは悲願の工業国化を目指しているそうですよ(カザフスタンは地下資源が豊富なので工業国化すれば国が大変に豊かになりますね)。まずはソ連時代から続く軍用車両の開発なんかで重工業化を図っているそうで、軍需主導の重工業化路線は昭和初期の大日本帝国と同じですな。ちなみに石油資源も豊富なカザフスタンにはアメリカも注目していて、カザフスタン軍とアメリカ軍は提携関係にあります。確かカザフスタンはNATO入りを望んでいたような。もちろん一帯一路運動では非常に重要な国ですから中国もカザフスタンへ熱心に接近しており、今中央アジアではカザフスタンが熱いようですね。
お礼
ご回答ありがとうございます、カザフで積み替えとなるとそのあとまたウクライナ・ポーランドで積み替えですね? 東ウクライナの戦場を平然と鉄道は通過してるということでしょうか? いっそのこと三線軌条を建設して弾丸列車を通して通過料とてtしまえばいいのに、そういった話は出ないんですかねえ?
- FEX2053
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国境の駅で、隣の国の貨車にコンテナを積み替えてます。 客車の場合は、台車を入れ替えて直通すると言う荒業をやって いますが、貨物の場合は旅客ほど急がないことと(急ぎの荷物は 航空便で行ってしまう)、コストが優先されるので、丸一日ほど かけて、国境の駅で積み替えることで済ませてしまいます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 うーん本来なら海上輸送より速いのが売りの鉄道輸送になれるのに、いろいろ不便そうですねえ。
お礼
中国でこれから不足するであろう穀物とエネルギーがカザフにはたくさんあると思ってましたが、確かに中国側としても北西部の奥地開発になりますね。中国としてはヨーロッパまで弾丸輸送網を築ければ日本に対して時間面で輸出に有利(日本にとって脅威)になるかと思いましたが、さすがに中国一国の都合じゃそこまではめども立たないといったところでしょうかね。 ご回答ありがとうございました。