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宇宙に存在する星雲の、肉眼での見え方
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>もし実際にその星雲の近くに移動できたとして、人間が肉眼で星雲を見たとき、あの写真のようにカラフルな形で見ることができるのでしょうか。 それは無理だと思います。最大の理由は人間の眼とカメラとの機能の違いです。 現在の天体写真の主流であるデジタルによる撮影では、長時間露出して(複数の画像を合成して)かすかな光を蓄積することができますが、肉眼にはそのような機能はありません。暗いところでは肉眼は物体の色を感じにくくなります。また撮像素子は肉眼が感じない波長の光も感じますし、撮影後に画像処理で色を強調することもできるので、肉眼で見るよりずっとカラフルな写真となります。 空の暗いところで大口径・低倍率の望遠鏡でオリオン大星雲(ご質問に添付された画像の天体です)を見れば淡く色が見えるでしょうけれど(人によって何色に見えるかが異なるようです)、昔のフィルム時代の「星雲写りの良いフィルム」のような真っ赤な色や、ご質問に添付された写真のようカラフルには見えません。(天体望遠鏡を使うと星雲までの見かけ上の距離を短縮する効果があるので、近づいてみた場合の参考になるでしょう)いくら星雲に近づこうと、人間の眼の機能は変わりません。 もう一つの大きな問題は、星雲がガスや分子からなる極めて希薄でかつ巨大な天体であることです。恒星が普通の天体望遠鏡で見ても点像にしか見えないのに、望遠鏡を使わず肉眼で見ても星雲(オリオン大星雲など)はボーッとした広がり(大きさ)をもって見えます。これは恒星に比べて星雲がべらぼうに大きいからです。「理科年表」によれば、オリオン大星雲を含むオリオン座分子雲-1は約1400光年の距離にあり、最周辺部まで含めると170光年×40光年もの大きさがあります。これに近づけば近づくほど、肉眼では境界(形)や色がはっきりしなくなるのではないかと思います。 遠方の山は近づけば近づくほど細部が見えるようになりますが、山腹の雲は近づけば近づくほどぼんやりとしか見えなくなる(というか霧の中に入ったようになる)のと同じではないかと考えますが、いかがでしょうか。もちろんこれは単なる比喩で、分子雲の密度は地球上の雲とは比較にならないほど低く、一般の実験室で作る真空以下です。
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- iapetus
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お示しの画像は、恐らく、NASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡」で捉えたオリオン大星雲の画像で、星雲を構成する元素を判り易くするために着色処理したものです。 (参照:マイナビニュース) http://news.mynavi.jp/articles/2012/04/15/nasaimg20120415/ これによると、「緑色は水素と硫黄ガス、赤色とオレンジ色は炭素を多く含む分子を表している。」とのこと。 つまり、肉眼で見た星雲の色ではないことになります。 Wikipediaなどには、恐らく可視光に近いと思われる写真が載っています。見比べてみてください。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%A4%A7%E6%98%9F%E9%9B%B2#/media/File:M42-20050206-lrgb-900.jpg
お礼
ありがとうございます。添付画像は着色処理されていたのですね。
- staratras
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N0.4です。少し補足しますと、オリオン大星雲や天の川の中などに散在する散光星雲の「色」はフィルム時代から天体写真撮影で悩ましいものの一つでした。 というのは、星雲が発する主な光である電離水素が発する光(Hα線)の波長656.3ナノメートルは、肉眼ではあまり見えない(網膜の感度が低い波長)だけでなく、フィルムによってもよく写るものと写りにくいものがあったからです。このためフィルムの選択に気を使わなければなりませんでしたし、フィルムを選択した時点で星雲の「色」が大まかには決まっていました。例えば1970年代にフジカラーR100というリバーサルフィルムで撮影すると緋毛氈のような鮮やかな赤色に写りました。 ある銘柄のフィルムは感光層や乳剤が変更された結果、ある時点の製品から赤い散光星雲の写りが悪くなった(白っぽくしか写らなくなった)こともあります。一般の被写体の写りは良くなったということなので、メーカーとしては「改良」なのですが、天体写真愛好者にとっては「改悪」となってしまったのです。 デジタルカメラになると一般にCCDなどの感光素子の前に赤外線などの波長の長い(周波数の低い)光をカットするローパスフィルターが付けられるようになり、このために赤い星雲の写りが悪くなりました。メーカーもそれは十分承知しており、時々天体写真用にHα線付近の写りを良くした専用の1眼レフのボディーが発売されます。キヤノンではEos20DaやEos60Da、ニコンではD810Aがあります。また専門の業者に依頼して改造を行ってもらう愛好者もいます。 デジタル時代になって「色」を含む撮影後の画像の加工が、フィルム時代とは比較できないほど自由にできるようになりましたが、かえって「本当の色」が分かりにくくなったかもしれません。もっともHα線そのものの色をはっきり肉眼で見ることは困難なので「本当の色」の定義も難しいと思いますが。 下の拙作は回答者がオリオン座の三つ星と大星雲をフィルム1眼レフカメラ(OM1:左)とデジタル1眼レフカメラ(初代Eoskissデジタル:右)で撮影したものです。(ピントが甘いことはご容赦ください)大星雲も馬頭星雲(三つ星の左端の星の下方)も明らかにフィルムの方が赤い色の写りが良いことが分かります。
お礼
ありがとうございます。添付画像を拝見すると、確かにフィルム写真のほうが美しいですね。ただ赤外線フィルター等が付いたデジタルカメラの写真が、より人間の目の見え方の色に近いということですよね(もっとも人間は長時間露光ができないのでこうは見えないでしょうが)。
- tetsumyi
- ベストアンサー率25% (1960/7602)
この写真は直径10m級の望遠鏡で時間を掛けて写した写真です。 この望遠鏡を使って目で見ても明るい部分がかすかに見える程度でその他はほとんど真っ暗です。 さてそこで問題は天体の明るさは距離が遠くなると暗くなるのですがそれは見える面積が小さくなるだけで単位面積当たりの明るさは変わらないのです。 つまり、雲のように見える明るさは近付いても変化しないと言うことです。 そういう訳で巨大な望遠鏡でほとんど見えない雲は、近付いて肉眼で見ても真っ暗です。
お礼
ありがとうございます。 >天体の明るさは距離が遠くなると暗くなるのですがそれは見える面積が小さくなるだけで単位面積当たりの明るさは変わらないのです。 これは初耳でした。光は減衰するものと思っていましたが、そうでもないのでしょうか。 >雲のように見える明るさは近付いても変化しないと言うことです。 そうであったら確かに近づいても何も見えませんね。
- chie65536(@chie65535)
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>もし実際にその星雲の近くに移動できたとして、人間が肉眼で星雲を見たとき、あの写真のようにカラフルな形で見ることができるのでしょうか。 「見える」けど「認識できない」です。 星雲はとても巨大なので「肉眼で見えるほど近付く」と「全天に薄く広がって見える」事になります。つまり「夜空が薄っすらと明るい気がする」みたいになって「目の前に星雲がある」のが「認識できない」です。 つまり「見えるけど認識できない状態」になります。 例えば「巨大な壁画」を遠くから見れば、それを「壁画」と認識できます。 ですが、その壁画が描かれている壁に「顔をぴったりくっ付けて見る」と、目の前には「何か色が付いた壁」が見えるだけで「全体が壁画である」と言う事を認識できなくなります。 それと同じで「肉眼で見えるほど近付いたら、星雲であると認識できなくなってしまう」のです。
お礼
ありがとうございます。たしかに、直径数光年では済まないくらいの大きさがあるのでいわれてみればそのとおりですね。では、星雲の形を認識できる程度の距離に近づけば、肉眼ではあのように見えるのでしょうか。それとも、その程度の距離だと肉眼では暗すぎて見えないのでしょうか。そうだとすると、そこへカメラを持っていって、長時間露光撮影すれば、カラフルな星雲が見えるのでしょうか。
- maiko0333
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奥にある星が手前の星の光によって見えなくなりますね。 まるで雲のようですね。
お礼
ありがとうございます。星雲が雲と言われる所以の話をしていらっしゃるのですか?
- mpascal
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星雲というくらいだから、可視光では雲のように見えるんでしょうかね。
お礼
ありがとうございます。可視光でもあのようにみえるんですかね?
お礼
ありがとうございます。星雲が発する光は人間には見えにくい波長でかつ暗いのであまり見えないということですね。幅が100光年というのは、頭で理解できても想像がつかないくらい大きいですね。分子雲の密度が実験室で作る真空以下というのは初耳でした。実験室で作る超高真空で10^(-5)Paだそうなので、それよりも低密度となるとほとんどないのと一緒ですね。それが100光年に渡って広がっていると考えると、離れて見て初めて存在がわかるというのもうなずけます。