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陸奥鉄とは何ですか
放射線分析をするのに,「陸奥鉄」なるものが珍重されると聞いたことがあります。 それは,沈没した戦艦陸奥を引き上げて得た鉄の塊だそうです。 なんでも,放射能汚染されていない昔の鉄ゆえ,精密な放射能分析をするための遮蔽物として不可欠なのだとか。 知りたいのは,現在の鉄が放射能を帯びていて,昔のそれがクリーンだということの理由です。 それと,日本以外でも放射線分析に陸奥鉄が使われているかどうかということ。 つまり,欧州やアメリカにも陸奥鉄が行っているのか,あるいは,欧州やアメリカそれぞれの古い軍艦の鉄が使われているのか。 よろしくお願いします。
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戦後の溶鉱炉(高炉)は耐火煉瓦の摩耗を調べるためにコバルト60が含まれており、そのため製鉄された鋼材にも微量の放射線が含まれてます。 陸奥の製造に使われ鋼材は当然戦前(大正時代)の製鉄されてるため、コバルト60による影響を受けてません。 また、陸奥は昭和18年に爆沈しており、昭和20年8月6日の広島に原子爆弾が投下された時にはすでに海中にあったため、原子爆弾の放射線の影響も受けておりません。 そのため放射線測定器などの微量の放射線でも、測定に影響を受ける精密機器の容器に使用されるのです。 別に陸奥のスクラップの鋼材で無くとも、戦前に製鉄された鋼材なら問題ないですが、当然戦前に製鉄された鋼材などそうそうあるものではありません。 で、陸奥は仮にも39000トンもある戦艦ですから、鋼材がふんだんに使われており、材料として打ってつけだったのです。 それと沈没地点が日本国内、しかも瀬戸内海の浅い海の海中でしたから、船体の75%がサルベージされてます。そのため特殊用途の材料として重宝されたのです。 陸奥鉄は日本国内で貴重と言うだけで、外国でも貴重と言うわけではありません。 アメリカでもイギリスでも陸奥鉄と同様の条件の鋼材は保有しているので、わざわざ日本から輸入する必要もありません。 軍艦のスクラップの数など日本より欧米の方がはるかに数は多いです。
お礼
ありがとうございました。 コバルト60は,いまでも溶鉱炉に使われているのですか。