- 締切済み
船舶差押禁止命令
船舶差押禁止命令とはどういった法律に基づく措置でしょうか? なぜ債権者は差押できないのでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- kuzuhan
- ベストアンサー率57% (1585/2775)
回答No.1
民事保全法における、将来に請求されるだろう資産に関して現状を維持するために行われる保全命令の一つです。 差押禁止命令自体は船舶に限らず、差し押さえできるもの全般に対して「差し押さえを禁止する」(その時点で強制執行してはいけない)とする命令で、裁判所がこの命令を出すことができます。 これは資産を差し押さえ(凍結)してしまうと、何らかの問題が生じ得る場合に出されるものです。海運会社の保有資産としての船舶の場合、仮に倒産してしまうと運航中の船舶に積まれている積荷については積み下ろしをしなければ物流自体が滞る可能性があります。そのため、積み下ろしをして空の状態で母港に戻るまでの間は差し押さえを禁止して、物流の保全を優先するために船舶の差し押さえ禁止とします。 差し押さえを禁止しない場合、入港した時点で債権者が資産として船舶を凍結できますが、凍結した時点で積み下ろしなどの業務もできなくなります。資産凍結は原則として「凍結時点の状況のままを維持」させます。 こうして、裁判所によって差押禁止の保全命令が出ると、債権者が出向いても保全命令対象についてはその時点で差し押さえはきません。元々、強制執行としての差し押さえも裁判所が認めて行いますから、保全命令が出ていれば裁判所側が「これは差し押さえできない」と回答します。
お礼
ご回答ありがとうございます。