院卒で物理屋ですが、数学は快感のある学問だと思います。
算数は面白くもなんともない技術ですけど。
何がかというと、考えかたを替えるだけで面倒なことがさらりとかたづいたりするのに、それを思いつかないころの論理を否定していないし、どちらの方向からの説明もできるようになるからです。
条件がこうだったらこうだ、これとこれがAnd条件になって、Orで論理をつないで、みたいにコトバでしゃべっているとなんだかわからなくなるとき。
そこにブール代数という考え方をもってくると、一発で詳しくない人が見ても納得のいく表現になっている。これが快感です。
状況を表す因子が結構大量にありそれぞれがばらばらにはたらいているけど全体で何かの現象をあらわしている。
方程式で書いたら途方にくれるけど、ここに線形代数という概念を持ち込み、テンソルで解析するという考えを使うと大量のファクターが一つの変数みたいに行動することになり、すんなり解析できる。
快感です。
ややこしい複素数の計算をしているうちに、どっかで間違っているか合っているかすらわからなくなってくる。
ここに架空の次元sを導入することで、複素数は一切なくなってしまうフーリエ変換を持ち込むと単純に割り算掛け算になってしまう。これも快感です。
変な曲線を描くような関数がある。これを計算するのはたいへんだ。
正則でなければならないという条件はありますが、そこにテイラー展開というものをもちこんだら、単なる足し算になります。考えるのが無茶楽になります。
演算子という概念を持ち込みます。
一体何をするのか議論しないで、あることをする処理をこう書こう、と決めて、特殊な記号を使って複雑な現象を記述していきます。
その特殊な記号内でやらなければならないことは置いておいて、あるものだとみて計算しているうちに、約分通分しているうちにその特殊記号が消えていってしまう。
最後にはそんな特殊記号自体なくなっている、という結果がでたら、あ、個々に面倒な計算をしていなくてよかった、と思う。
うわー頭つかわなくてよかった、これは快感です。
無茶苦茶計算が好きで、面倒なほど震えがきてうれしいひとは別ですけど、大体の人は面倒なことは嫌いです。
面倒なことはミスも引き起こし、間違った結果に導かれたりする不快のもとでもあります。
それが数学的工夫で簡単にズルみたいにできると、助かったという思いと、でかしたぞという達成感で満たされます。
そういう意味で数学は快感の学問だと思います。
こういうことをしたうえコンピュータで計算をすれば、天文学的な異常な数字を扱うことでもあっという間に片付きます。
高尚かどうかは知りません。
だけど、今まで言うような個々の発想を考えて発明したひとたちはある意味英雄でしょうね。
お礼
詳しいご回答ありがとうございました。詳しい解説もいただけたのでBAにします。