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【哲学・トルストイ】ロシアの思想家のトルストイって
【哲学・トルストイ】ロシアの思想家のトルストイってどういう人ですか? 現代でも尊敬に値する人ですか?
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トルストイはロシアの同じドストエフスキーと同時代の人で、ちょっと年上、そしてロシアの大地主で、思想的にはショーペンハウワーの影響を受けて、厭世論者、自分の机の上にショーペンハウワーの写真を飾っていたという。 「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」が代表作。 時代は封建制から、近代に向かう過渡期で、大地主制が終焉を迎えようとする時代だった。 トルストイは自分が大地主だったこともあり、その葛藤で苦しんだ。 晩年に、その所有地を小作人である農民に分け分け与えようとしたが、奥さんに猛反対されて、家出し、小さな駅で野垂れ死んだ。 ドストエフスキーと比べると、死に対する恐怖心があって、それを「イワン・イリイッチの死」で描く如く、それを乗り越えられなかったという点では、ドストエフスキーとは異なる。ドストエフスキーには癲癇持ちだったこともあり、デモーニッシュなところがあったけど、トルストイは小心翼々、小市民的なところがあります。 その点ではアントン・チェーホフと似ています。 「戦争と平和」は自分の属する貴族社会を舞台に、ナポレオン戦争をスケール大きく描いており、私はまるで歴史絵巻を読むように感動して読みましたが、思想的には「人生論」という小さな本を読みふけりました。 前述のようにショーペンハウワーの厭世論の影響のもと、ペシミズムに横溢した本でした。 私の好みからすると、トルストイよりはドストエフスキーの方が好きで、ドストエフスキーの本は、特に初期のものが好きで、「二重人格(分身)」とか、「地下生活者の手記」などが一番好きです。 まあ、ドストエフスキーといえば何と言っても「罪と罰」で、その本にドストエフスキーのすべてがあると言っていいと思います。私はそれを何度も、繰り返し読みました。 トルストイが現代でも尊敬するに値しますか? という質問ですが、時代が違うし、一概に言えないけど、私もショーペンハウワーには若いとき、影響を受けて読みふけったことがあるので、彼の小説はもう読まないけれども、その思想には共感するところがあります。
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