人間は野獣と一緒に同じ環境で育つと、野獣と同じになるのがわかっています。理性とは、動物的な本能ではなく、後天的に教育によって作り出されたものです。
精神分析学によれば、人間の脳はイド(本能)の上にエゴ(自我)が存在し、それを監視するスーパーエゴ(上位自我)があると考えられています。
本能は、食欲、睡眠欲、性欲の3つからなり、どれも脳幹の下にある視床下部の小さな領域に集中しています。
本能だけで生きているのが、野獣であり、上位自我を持って、自分自身を監視しているのが人間です。理性とは上位自我による監視によって成り立つもので、上位自我の形成が未熟な人は、野獣と同じ行動をします。
悪事が出来ないのは上位自我が監視しているからで、犯罪行為をおこなうと、失敗したり、証拠を残すのも、上位自我によるものです。
実はコンピュータも同じ原理で動いており、アプリケーションソフトが異常な操作をおこなうと、スーパーバイザーと呼ばれる監視ソフト(OS)によってプログラムが停止されるように出来ています。
理性とは、両親や教師による教育によって作られるもので、最初からあるものではありません。理性を持たない人とは、無教育な人という意味になります。
理性とは文明の誕生と共に作り出されたもので、本来の人間は野獣に近い存在でした。理性を持つようになった人間は、他の動物のような行動をしないのは、教育によって脳に上位自我が作り出されているからです。
欲望に忠実に生きる人でも、違法行為をすれば罰せられるのを知っているわけで、法律に縛られずに生きている動物とは違います。