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「~かしらん。」 小沼丹
今、小沼丹の随筆集を読んでいますが、「~かしらん。」という言葉がたくさん出てきます。これは美川憲一さんでも言わないと思いますので、とても違和感を覚えますが、小沼丹さんはこれをどのような感覚で使用していたのでしょうか? とてもおかしくて、こころの中でくすっと笑ってしまいます。 ご回答よろしくお願いします。
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ご質問を拝見して「かしらん」という言葉は、世代によって語感が相当異なるのではないかと感じました。 回答者や、より年長の世代では「かしら」を使うのは主に女性でしたが、「かしらん」「か知らん」は男性も普通に使う言葉でした。回答者はご質問の随筆の文章は読んではいませんが、おそらく違和感はなかろうと思います。 鷗外と漱石の有名な小説から用例を紹介しますと以下の通りです。なお「青年」に登場する「学生」は男子学生です。 学生は、「名刺があったかしらん」とつぶやきながら隠しを探って、小さい名刺を出して純一にくれた。 「瀬戸も来ていますかしらん」 「いたようでしたよ」 「どうも己(おれ)は女の人に物を言うのは、窮屈でならないが、なぜあの奥さんと話をするのを、少しも窮屈に感じなかったのだろう。それにあの奥さんは、妙な目の人だ。あの目の奥には何があるかしらん」 (以上「青年」森鴎外) これは愚だ、やめようかしらんと上り口で佇(たたず)んで見た。 やはりせつなさのあまりかしらん。あるいは敵の不意に出でて、ちょっと逃げ出す余裕を作るための方便か知らん。 「そうかしらん。それじゃ道楽は追って金が這入はいり次第やる事にして、今夜はこれでやめよう」と飯茶椀を出す。 心の修業がつんで消極の極に達するとこんな霊活な作用が出来るのじゃないかしらん。 「…いよいよ大変だ。ことによるともうすでに立派な患者になっているのではないかしらん。…頭は熱いかしらん。これも別に逆上の気味でもない。しかしどうも心配だ。」 その中で多少理窟がわかって、分別のある奴はかえって邪魔になるから、瘋癲院(ふうてんいん)というものを作って、ここへ押し込めて出られないようにするのではないかしらん。 (以上「吾輩は猫である」夏目漱石)
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- 夕紀(@yuki0421)
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「・・・かしらん」は、「・・・かはわからないけど、そうあってほしい。」という気持ちで話す場合だと思います。 「・・・か知らぬ(知らん)」が語源ですから、「・・・か解らん」と同意になります。 オカマちゃん言葉じゃないみたいです。(^^;;
お礼
ありがとうございます。 「しらん」はやはり「知らん」に由来するのですね。でも、だとすれば、なぜ普通「~かしらん」から「ん」を取って「~かしら」というのかも気になってきます。
お礼
大変詳しくありがとうございました。 そういった一昔前の小説はまったく読まないもので、全然知りませんでした。 おそらくこの頃は、口に出して「かしらん」と言っても、上昇調ではなく、女性的じゃない言い方だったかもしれませんね。 今はひと段落したら、夏目漱石の「坊ちゃん」を読もうと思っています。