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ヒトを殺す遺伝子
こんにちは。 数年来の疑問が最近どうしても気になりまして、 この場を借りて質問させて頂きました;お付き合い頂けると幸いです。 それは、3、4年ほど前に読んだ新聞記事のことです。 その新聞記事の内容は 「ヒトには、同種を殺すことを抑制する遺伝子がない」 というものでした。 まだヒトゲノム全解読が終了していない頃だったと記憶しています。 ヒトには「同種を殺してはいけない」という遺伝子がないことが研究で判った、同種を殺すということは種の保存上矛盾しているのに、、、 という内容だったような。うーんあやふやです。 当時学校で読んだのですが、新聞社もよく覚えておらず、検索サイトで調べても見つからないのです;; みなさん、この遺伝子の話、聞いたことありますか? もしくは、この記事を読んだことがあるという方はいらっしゃらないでしょうか; どうかご教授下さい~;
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その記事を見たことはありませんが、概ね意味は理解できます。 行動様式として同種を殺す行為について抑制がかかっている種と抑制のかかっていない種があるのは確かです。 さらには、カマキリのように同種を殺す方向に促進がかかってプログラムされている種もあることはご存知のことでしょう。 そのお話、もともとは行動学の分野で語られていた行動様式の例だったと推測しますが、 行動学では、全ての行動様式は自分の遺伝子コピーを残すのに有利に働いている、 という結論に帰着しますので、こういった話の比重を遺伝子サイドに移した形で語られた記事だったのではないでしょうか? 同種を殺すことを抑制するメカニズムがプログラムされている動物、例えばイヌ科の場合。 犬でもオオカミでも、牙という武器が発達しているため、 オス同士がメスをめぐって争うときに、行き過ぎれば相手を殺してしまうのは容易です。 メスをめぐってオス同士が争い、より優れた個体がメスを勝ち取って遺伝子を残すことは 種にとって有効ですが、その際に負けたオスが全て死んでしまうことは種にとって不利に働きます。 そのため、オス同士の争いで死者が出ないように安全装置がついているのです。 犬、オオカミでは、勝敗が決すると、負けた方が首を上げ、相手に対して一番の弱点をさらすことで「降伏」を宣言します。 降伏姿勢を見た勝者は、ピタリと攻撃をやめるようにプログラムされています。 鳥類では七面鳥が似たようなプログラムを持っています。 やはり、オス同士の戦いに於いて、勝敗が決すると、敗者は地べたに横になり、 無抵抗な姿勢を取ることで降伏を宣言します。 降伏の合図を見ると、勝者は一切攻撃が出来なくなります。 実質的に殺し合いに発展しない動物ではこの制御プログラムが存在しません。 相手を傷つけ、死に至らしめる牙、爪、角などの武器を持たない動物、 あるいは敗者が逃げることで敗北宣言とする場合などです。 孔雀は攻撃性、破壊力共に高い生き物ですが、敗者は飛んで逃げればいいので、 攻撃をストップする合図というのはありません。 よく例に挙げられるのが、孔雀と七面鳥の悲劇。 孔雀と七面鳥がケンカになったとしましょう。(不自然な設定ですが) 体格的に孔雀が優位に立つのは当然の成り行きです。 負けを意識した七面鳥は本能的に地べたに横になって、許しを請います。 孔雀にはその意味がわからないので、執拗に攻撃を続け、七面鳥を殺してしまいます。 その他、過失致死に相当するもの-カモノハシのオス同士が争った場合など。 鋭い爪でケンカをしますが、爪に毒があるため、行き過ぎると死んでしまうことも。 これは同種殺しに抑制がかかっていない例です。 オス同士の争いの他に、多くの種で子殺しが見られます。 子殺しの1つは、間引きの意味で自分の子を殺したり、食べてしまったり、という場合。 子供の数が多くて、育児にかかるエネルギーが大きい場合、優れた遺伝子だけを確実に残すために 劣者をエネルギーに変換するというもの。 子育てをする生物にだけみられる行為で、人間の育児ノイローゼとはちょっと違います。 子殺しのもう1つのパターンは自分の遺伝子を持たぬ、妻の連れ子を殺す場合。 ライオンやツバメなどで見られます。 とまあ、こういった具合に、同種殺しは決して珍しくありませんし、種の保存に矛盾もしていないわけです。 ヒトがヒトを殺す行為について、 もともと、鋭い爪とか、大きな牙や角、毒などの殺傷力の大きい武器を持ち合わせていませんから、 遺伝子レベルで安全装置は付いていないようですね。 道具を使うようになり、同種殺しの手段だけが発達してしまったため、バランスが悪くなった結果でしょう。 そうなると、道徳倫理を言って聞かせても止められるものではない。 動物と違って、ヒトの同種殺しは怨恨、金銭がらみなど、種の保存とはかけ離れた行動が多いですから、 一生物種としては、バランスの悪い、矛盾した存在であるというのはわかりますね。
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- khurata
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その新聞記事に書かれている事が(当時として)正しかったのかどうか、また、そのような記事が事実存在したのかどうかは存じませんが、分かる範囲で回答を書いてみたいと思います。 「同種を殺す」というのは、本能行動ではなく、かなり恣意的な行為です。生物個体に、特定の行為をさせる遺伝子は存在しますが、それは本能行動についてです。同種と認識した上で、それを殺すというのは、それなりの知能がなせるわざであって、遺伝子にそのような行動の由来があるとは考えにくいです。 また、ヒト以外にも、同種を殺す生物の例は多数有り、その点からも「ヒトには」という限定した記述は はなはだ怪しいものだと思います。 少なくとも私の狭い知識の中においては、そのような遺伝子は無いと思います。 遺伝子とは、遺伝の情報を伝える独立粒子の概念であり、その実体物質は DNAもしくは RNAです。遺伝の情報が伝わる事により、子は親に似ますし、種の特徴を受け継いでいく事になるわけです。 遺伝子とはこのようなものなので、意志や行動を規定するとは考えにくいです。 その新聞記事は、科学的な記事だったのでしょうか? 文化学的・社会学的な視点で、戦争などの行為を非難するために書かれたものではなかったでしょうか?
よく記事の内容が分からないですが、細胞死(アポトーシス)のことではないですか?胎児が人の形になるとき例えば手などは最初まあるいへら状です。そして細胞死が起こり指と指の間ができます。しかし遺伝子の事故などですべての細胞が死に指がなくなってしまう方も稀ですがあるみたいです。自身、同種の細胞を殺すという意味でこういうことは言えないかなと思ってかいてみたのですが、お門違いだったらごめんなさい・・
俺の知識の範囲内で答えますと、その記事は当たり前のように思いますね。 「遺伝子」という存在の構造から考えて、「倫理的な記憶」を先天的に持つことはできないように思われます。 遺伝子というのは、人間の「肉体の設計図」なので、そこに「記憶」を含めることはできないんじゃないでしょうか。(「反射条件」といったような類の記憶なら遺伝子に書き込まれてますが) つまり、同種を殺すことを遺伝的には抑制できない、というのは当たり前のことのように思います。 それに、人間には昔から「教育」という概念があり、親が子供に教えてやればいいだけのことなので、遺伝子レベルで殺人を抑制する必要はないですね。 それと、現状では遺伝子の解読は終了したと思われていますが、終了したのは「遺伝子がどんなタンパク質を作るか」だけです。 そのタンパク質がどんな働きをするのか、身体全体に対してどんな作用をするのかが判明していくのはこれからであり、本当の意味で「○○する遺伝子が『ない』」ことが判明するのはずっとずっと未来のことです。
- ken-oo
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同種を殺す行為は、種の保存とは確かに矛盾しますが、 遺伝子の目的とは矛盾しません。 遺伝子の目的というか、機能とは「自分自身(遺伝子)を保存すること」 にあります。 種の保存は遺伝子にとってはどうでもいいことなのです。 詳しくは「利己的な遺伝子」というキーワードで情報収集してみると わかると思います。