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ヒトゲノムの謎
遺伝子学系の専門誌を読んでいて疑問を持ちました。 ヒトゲノムの解析によって、タンパク質をコードする遺伝子は約3~4万個しか見つからなかったそうですが、これは他の生物と比較したところ、意外に少ないようです。 しかしながら、人の高次生命活動から考慮しても、実際にはもっと多く、10万個以上と推定されいると聞きます。 この矛盾点について謎が深まるばかりなのですが、 どなたかご教授願えないでしょうか。 よろしくお願いします。
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- miyakosais
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この「うん万個」という数え方にヒントがあるかもしれません。 実は、これらはどれもタンパク質をコードする遺伝子の数の 推定値なわけです。 先の回答者の方が言われる答えももっともですし、それに加えて これまで遺伝子だと思っていなかった「non-coding」なDNA配列、 つまりタンパク質をコードしないDNA領域にも、様々な機能を 持ったRNAがあることがわかっています。 これらnon-codingなものも「遺伝子」として含めてカウント すれば、大きな矛盾を感じない数値が出てくるかもしれません。 ただし、この解析はまだ始まったばかりで、具体的に数値を 算出するに至っていないというのが現状だと思います。 もう一点。 遺伝子の数で複雑さを説明できるという先入観そのものが 間違っている可能性もある・・・・と科学者たちは頭を 悩ませています。 例えば、水分子が作り出す雪の結晶。 http://jp.makezine.com/blog/2008/01/the_wonder_science_and_ho.html などを参考にしてください。 雪の結晶は、非常に複雑に見えるものから簡単なパターンまで様々ですが どれもH2Oという水分子だけで構成されています。 このような自己組織化作用も相まっているかもしれません。 つまり、遺伝子の数が重要なのではなく、ちょっとした 遺伝子の使い方(遺伝子どうしの相互作用)の違いによって 最終的に大変な違いができている可能性もあるわけです。 違い
実際にはスプライシング(出来たRNAが酵素で切断される)により、同一の遺伝子が多数の別のタンパク質(酵素やホルモン)を産むことが出来ることが知られています。 また「発生」時に既存の組織から「誘導」が起きますので、似た様な遺伝子配列から全く異なる生物が生まれてくることは不思議でも何でもありません。