- 締切済み
(難しくない?)物理計算について。
無重力空間で、(当初、静止していた)ある物体・粘性体(任意の質量で、磁気力をもたないもの)と鉄球(質量は任意で、当初、静止していたもの)が、完全非弾性衝突を起こした場合と(同じく、当初、静止していた)ある物体・磁性体(前記の物体と同等程度の質量で、磁気力をもつもの)と同鉄球が(さしたる磁石体の磁力により、鉄球が衝突の直前で加速されつつ)完全非弾性衝突を起こした場合では、各々の合体物の移動速度等につき、何らかの差異が生じるのでしょうか? 是の場合には、大体、どの程度の違いが生じるのか、(磁力計算等の)関係式を交えて、お答えの程を。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
完全非弾性衝突(衝突後に一体化する衝突)であれば、磁力の有無に関わらず、何も変わりません。 二つの物体を一つの系として見てみると、二つの物体により作られる重心があります。二つの物体の質量が等しいとすると、二つの物体のちょうど真ん中になります。二つの物体間に磁力による引力が働くとして(数式的に考えれば、斥力でも正負を変えれば同じ、磁力がないなら引力がゼロと考えればよい)、それは内力と呼ばれるものになります。 系の外から働く力を外力といい、外力があると系の重心は位置を変えます。速度なども変わります。これは加速度を生じるからです。台車を押してやると台車は動く、といったことです。一方、内力では重心の位置は変わりません。台車の上でいかに暴れても台車は進まない、といったことです。 今は二つの物体間に引力が働いている状況を考えています。二つの物体同士だけの力であり、外から働く力ではありません。内力です。ですので、衝突する前、後で重心は変わりません。そして、お考えの条件は衝突後に一体となるというものですから、重心は二つの物体が一体化した物体にあります。 一体化するのは、比較対象とした引力がない場合も同じなのでした。だとすれば、どちらも重心は衝突後に一体化した物体にあるという点で、何ら差はありません。そして、衝突する前から重心の位置は変わらないのでした(重心が速度を持っている場合も含む)。 ですので、衝突後は同じになります。 P.S. 完全弾性衝突ではどうなのかも考えてみることにします。その場合、磁力でいきなり考えると、ちょっとやっかいです。 そこで、磁力などがない、ただの鉄球の衝突に置き換えて考えてみます。単なる平らな床上での衝突(お考えの実験で磁力がない場合に相当する)と、凹んだ部分がある床での衝突だとしてみます。どちらも摩擦は無視できるくらい、滑らかな床だとします。 分かりやすくするため、凹んだ部分がある床での衝突は、平らな部分から二つの鉄球をゆっくり転がし始め、双方が凹んだ部分の一番底で衝突するとします。また、凹んだ部分は対称的だとしておきます。 ゆっくり転がり始めた鉄球は、凹んだ部分に差し掛かると、下り坂なのですから加速し始めます。もう一方の鉄球も同じです。そして、速度が最大となった一番底で衝突します。速度が大きくなっていますから、その瞬間は大きくなった速さのまま、方向は反転して二つの鉄球は離れて行きます。 そして、二つの鉄球は今度は上り坂を上ることになります。だんだん速度は落ちて行きます。そして、平らな所に到達したとき、方向は最初と反対で、しかし速さは元のままとなって、その後は等速直線運動で離れて行くことになります。 単に平らな床で衝突させても、衝突すると方向は反転しますが、速さは元のままで離れて行きます。速さはずっと変わりません。 最後こそ違いますが、途中が異なるのは凹んだ床のほうでは、重力による位置エネルギーを消費しながら加速、つまり運動エネルギーを得て、衝突後は速度を減じながら、つまり運動エネルギーを位置エネルギーに変えつつになるからです。 磁力でも重力と同じように位置エネルギーは生じます。そのことを使った、ちょっと面白い実験があるTV番組でありました。 https://www.nhk.or.jp/rika/karasu/origin/tr19.html 磁石球一つと鉄球を幾つか使うものです。鉄球が勢いよく飛び出します。近づいてきた鉄球の速さより、明らかに速くなります。 これは、上記の凹んだ床に喩えると、最初に転がってきた鉄球が高い所から転がされ、反対側の鉄球が低い位置にあるという状況に相当します。磁力なので、一見すると位置エネルギーが分かりませんが、実際には磁力と鉄球がくっついているものは、磁力的な下り坂になっているのです。
お礼
この度のご回答、誠にありがとうございます。 尚恐縮ながらも、熟考の上、分からない点などあれば、改めて、追加質問させて戴きますので、 宜しければ、又、ご直答の程、お願い致します。