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漢和辞典で「罩」を引くには?
ある芥川賞作家の作品中に「靄が立罩めていた」という文に出遭いました。 読みを全く知らない私が「罩」という漢字を辞典で(総画数以外の方法で)調べる方法を教えてください。 それから、「立罩めていた」の読み方も教えてください。 「たちこめていた」と読むと良さそうだけど、それで正解なら、なぜ「罩」を使ったと思われますか?
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「罩(トウ)」は漢検1級でも訓読みが無いレベルのものです。 もちろん戦後の漢字統制でその「こめる」という意味さえ「込める」に代用され消されてしまったものです。 それまでは漱石はじめ多くの作家がごく自然に用いていたのですが…。 部首索引で5画の「㓁(あみがしら)」に属するように、罔(あみ)で外から套(つつ)むことから「霧・煙があたり一面に広がる様」を表しています。 青空文庫掲載例 : 「どこまでも片づかぬ不安が立て 罩 ( こ ) めている。」(夏目漱石「坑夫」) 「とうに 蒼茫 ( そうぼう ) たる暮色が立ち 罩 ( こ ) めて、」(芥川龍之介「尾生の信」) 「 濛々 ( もうもう ) と立ち 罩 ( こ ) めた湯気のなかに、」(梶井基次郎「温泉」) 「茶煙一室を 罩 ( こ ) め、沸る湯の音 暢 ( のび ) やかに、」(石川啄木「渋民村より」) 「雲と立罩める名聲の只中に、」(中島敦「名人傳」)
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- fine_day
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#5さんの詳しい回答の後では蛇足かと存じますが… 一応返信します。 >部首名を何となっているでしょうか? 巻末の部首名称表では「罒」は 「よこめ かう(買)のあたま」 となっています。 ただし、「罒」部の最初には「もと网部」との添え書きがあります。 「网(㓁)」はすでに出ていますが「あみがしら」です。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1254139812
お礼
いえ、蛇足なんてとんでもありません。大変、役に立ちました。 私は携帯電話で[三省堂辞書]→[漢字辞典]を多用していますが、[部首名]の読み「よこめ」で「罩」を含む21文字が検索され、これらはすべて「あみがしら」で検索される24文字に含まれています。つまり、字数の少ない「よこめ」情報が便利という次第でした。 ちなみに、「あみがしら」では当該21文字の他に「网」「罕」「罔」が検索されます。
- AR159
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漢和辞典で調べるなら画数で調べるのが早いでしょうね。 部首の画数5から「罒」を探して、総画数13画で「罩」(トウ・こめる)に行き当たります。 「罩」は、元々「魚のかご」とか「入れる、包む」といった意味のようです。 立ち込めるを「立ち籠める」と表現することもあるので、同じ「かご」といった意味合いでこういう使い方があったのかなという私の想像です。
お礼
》 同じ「かご」といった意味合いでこういう使い方があったのかなという… そのようですね。 調べていただいて、ありがとうございました。
- fine_day
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#1です。 ふと漢和辞典を見直したら「卓」は八画でした、ごめんなさい。
- mpascal
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ネット検索でウィクショナリーを見ると 部首: 网 + 8 画 音読み 呉音 : チョウ(テウ) 漢音 : トウ(タウ) 訓読み こめ-る なので、「立罩めていた」は「たちこめていた」でしょうか。 http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%BD%A9
お礼
「訓読み こめ-る」なのですね、調べていただいてありがとうございました。 手元の[現代漢語例解辞典第二版](小学館)には「トウ、タク」の音読みしか載っていないのでお尋ねした次第です。 》 部首: 网 + 8 画 その部首名、何と呼ばれているのでしょうか?
- fine_day
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漢和辞典を引いてみました。 まず部首索引の五画のところで「罒」を探し、ページを開いて 今度は七画の「卓」が付く字を探しました。 (新明解漢和辞典第二版で782ページでした) 「罩」は 「一.カゴ。魚をとるかご 二.コめる(コむ)。中に入れて包む」 とありましたから、「たちこめていた」という読みでいいと思います。 なぜこの字を使ったかはわかりませんが…。 http://ja.wiktionary.org/wiki/%E7%BD%A9
お礼
「コめる(コむ)」が載っていましたか、調べていだだいてありがとうございました。 》 部首索引の五画のところで「罒」を探し… 部首名を何となっているでしょうか? 手元の[現代漢語例解辞典第二版](小学館)には「トウ、タク」の音読みしか載っていないのでお尋ねした次第です。
お礼
至れり尽くせりの詳細な解説、誠にありがとうございました。 「あみがしら」という部首名、勉強になりました。 ちなみに、私が引用したのは吉行淳之介「砂の上の植物群」からでした。