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お寺は仏様がいる場所なんでしょうか?
神社には神様が宿るご神体や杜がありますよね。だから神社自体がパワースポットや聖域として扱われています。 いっぽうお寺には仏様がいるんでしょうか?仏像は有りますが、仏って仏像に宿るものでしたっけ?仏はお寺に常駐していて、他にはいないものなんですか? お寺という場所と仏様の関係についてが良くわからないので教えて下さい。
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お寺に安置されている仏像と神社のご神体とは少し違います。 仏像には大きく分けて二つの役目というか機能があります。 一つは仏教の教えを具体的に目で見て理解するための補助としての機能です。 口で説明したりお経のように文章で説明する代わりの役割です。 仏像というのは、一定のルールに基づいて作られています。 一番分かり易いのが、手の形です。 印相と呼ばれます。 仏の印相について - ZAQ www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/inn.htm 逆に言いますと仏像の手の形を見れば、その仏像はどの仏様を表しているのかが分かります。 十一面千手観音像のような沢山頭があったり手がある仏像もありますが、これは、観音様は世の中の全ての事柄や人の心の動きを全部見ています。困っている人や苦しんでいる人を助けるためのあらゆる手段を持っています。ということを表しています。 もう一つの働きはイメージトレーニングの補助です。 小説を読むのとコミックで済ませてしまうのとよく似ています。 文章で書かれた小説は情景や登場人物の姿は、読者がイメージしながら読んで行く必要があります。 コミックは読者は絵を見るだけでいちいちイメージを創らなくても済みます。 念仏という言葉を聞かれたことがあるかと思いますが、念仏というのは実は普段耳にするように声で唱えるものだけではなく、仏様の姿をイメージするやりかたも含まれています。観想念仏と呼ばれます。 これが非常に盛んになったのが平安時代です。 仏様の姿だけではなく、仏様がいる浄土の光景までイメージするようになりました。 ついには、実際にそのイメージどおりの建物を造りました。有名なのが京都宇治の平等院です。 お寺も実はこのミニ版です。 仏像の周りに色々な装飾品が飾られているのはこのためです。 奈良や京都の古いお寺は、創建当初は極彩色の絵で埋め尽くされていて仏像も金色に輝いていました。 現在のイメージとは全く違う景観でした。 鎌倉時代に禅宗が盛んになり、簡素であることを重要視してわびとかさびと呼ばれる美意識というか価値観が生まれました。 この価値観が現在も続いていて、現在のようなお寺のイメージになりました。 密教と呼ばれる宗派では、理論が難しいのでこれを図で表しました。 曼荼羅とよばれる大きな壁かけがこれです。 さらに、これを立体的に仏像を配列したものが京都の東寺に残されています。 立体曼荼羅と呼ばれます。 これらの仏像を始めとする内装品に囲まれた場所で、仏様の世界を疑似体験することで仏教の教えに従うようになる効果があります。 現在のお寺の仏像もその前に座って、姿をみることで仏の教えに導かれると期待されて作られています。 以上のように、仏像は仏教思想の視覚化であると同時にイメージトレーニングのための装置でした。 これに、神社のご神体のようになにかが宿っている、と考えるのは後から加えられた考え方です。 仏像を新造したさいに開眼供養とよばれる儀式が行われるのはこのためです。 開眼供養を行うことで、単なる彫刻作品に神格が生まれると考えられています。 奈良の大仏様も暮れの大掃除の際に僧侶が上りますので、儀式をおこなってこの神格に一時どいてもらいます。 お掃除が終わればまた儀式をして神格に戻ってきてもらいます。 この辺の考え方は神社の考え方とよく似ています。 日本では江戸時代までは、神社もお寺もワンセットで考えられていました。 神社もお寺も同じ敷地にあって、僧侶が神官をかねているところも沢山ありました。 これを無理やり政治的な目的で分けたのが明治政府です。 現在の姿は明治以降に出来上がったものです。 現在でも東大寺の大仏殿のすぐ近くに八幡様(手向山八幡宮)があります。 僧形八幡神坐像|秘仏開扉|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ www.todaiji.or.jp/contents/function/buddha4.html お正月の七福神も同じ宝船に仏様(弁天様、毘沙門天)と大黒様が仲良く乗っています。 吉野熊野や出羽三山の修験道のように完全に一体化した考え方もあります。 ということで、ご神体と仏像の区別がよくつかないのも無理がありません。 どっちもに似たようなものと考えられても一向に差し支えはありません。
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- kohichiro
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お寺は仏教の修行僧が住んで、修行する建物のことだと思います。修行の道具のひとつとして仏像が安置されているので、仏様(死者)は居ないのではないでしょうか。仏像とはおしゃかさまをはじめとした僧が理想としてうやまう仏弟子たちの姿をかたちどったもので、そういったひとたちのみ心が宿っていると考えていいと思います。 >仏はお寺に常駐していて、他にはいないものなんですか? そうではないでしょう。おそらくどこにでもいらっっしゃるし、貴方の心にも入ってこられることもあるのではないでしょうか。大昔は仏像などはなかったので、アレキサンダー大王がアジアに来てギリシャ的な考えでその地の仏教者に作らせたのが広がったそうですよ。
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