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コヒーラ検波器の原理について
コヒーラ検波器の動作原理は各ホームページにておおよそ分かったのですが、なぜ電波が金属粒子の酸化皮膜を破壊するのかが分かりません。 ホームページによって、「金属粒子間に火花が発生するため」「金属粒子内の電子が電波によって移動するため」と書いてありましたが、どちらが正しいのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。
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- LCR707
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コヒーラ検波器は、昔読んだ本には、「ガラス管ヒューズみたいなものの中に金属粉を入れた物」と書かれていましたが、ホームページを検索してみると、アルミホイル球による実験がたくさんあります。 おもしろそうなので、アルミホイルでちょっと実験してみました。 アルミホイルを固く巻いて径2mmほどの棒状にしたものに電線を付け、別のアルミホイルを平たく広げた上に軽く接触させます。この2つのアルミホイルに、150Ωの抵抗を介してファンクションジェネレータ(信号発生器)をつなぎ、アルミホイル間の電圧をオシロスコープで観察します。 ファンクションジェネレータは、交流信号だけでなく、オフセットとして直流電圧も出せるので、最初、交流信号は出さず、直流電圧を0Vからゆっくり上げていきます。すると2V位で絶縁がやぶれ、導通しました。何度か繰り返すと、たまに5V位まで耐えることもありますが、おおむね2V位で導通しました。 次に、2V弱の直流電圧をかけ、その上に交流電圧を重畳させました。周波数は20MHzです。交流電圧を増やしていくと、3~4Vp-p位で絶縁が破れました。直流は2V近くかかっているので、ピーク電圧は4V位です。何度か繰り返しても、ほぼ同様な結果でした。 コヒーラ検波器は、電波を受けて導通し、直流を流すという回路に使われるので、何となく直流よりも電波に対する感度のほうが高いのかと思っていましたが、実験した限りでは直流・交流に関係無く、単に高い電圧が加わったとき絶縁破壊を起こして導通しているように思います。アルミ箔表面の酸化膜(アルミナ)は、アルミ電解コンデンサの誘電体にも使われており、比較的特性の素直な誘電体です。従って周波数依存性はあまり無いように思います。(アルミ電解コンデンサの周波数特性が悪いのは、電解液の影響) ということで、コヒーラ検波器をうまく動作させるには、次のような点に注意すれば良いと思います。 1.直流電圧は、1.5V(乾電池1個分)位が良い。(接触部がたくさん直列になるような場合は、もっと高くても良いかも知れない。ただしそれに比例して強い電波が必要になると思う) 2.受信電波による電圧がコヒーラ検波器になるべく大きく加わるよう、電池や負荷との間にチョークコイルを入れてインピーダンスを高くする。 3.電波の周波数が判明しているのであれば、それに同調したQの高いLC共振回路を設けて、何倍もの交流電圧を発生させ、コヒーラ検波器に与える。 実際に上記1~3のとおりに作ってみたところ、けっこううまく動作しました。もっとも、高周波電圧は、共振コイルにM結合でファンクションレギュレータから電圧を与えたので、遠くから電波を飛ばしたわけではありません。その他、試行錯誤して気付いた点を書いておきます。 4.いろいろ試してみたが、アルミとアルミの接触が最も安定。アルミと銅など異種金属の接触は絶縁が破れやすいように思う。また接触圧があまり小さくても、導通した後が安定しない。10mm径のアルミホイル球なら、鉄のナットなどを芯にして少し重くしたほうが良い。 以上、回答に直接関係無いことまで、長々と書いてしまいましたが、参考になれば…。
お礼
実験までしていただいて恐縮です。 当方、電気関係の知識が無いので回答内容が難しいですが、勉強して理解しようと思います。大変ありがとうございました。 実は私も質問の後、実験をしてみました。 用意したのは、ガラス瓶、それに合うプラスチックのフタ、ステンのボルト2本、アルミホイルを小さく丸めた玉数十個です。フタにボルト2本を貫通させて、ガラス瓶の底あたりまでボルトが届くようにボルトの長さを選定しました。ガラス瓶にアルミ玉を入れて、そのフタを取り付けただけの実験装置です。 その装置から数センチぐらい離れたところで、ESD発生器を使って放電を起こしました。するとボルト間の抵抗が下がりました。 アルミ玉が電波を受け取ると、アルミ玉に何が起きるのでしょうか? 直接実験装置に直流や交流を流した場合だと酸化皮膜が壊れるのはなんとなく受け入れられるのですが、外部からの電波で壊れるのが非常に不思議です。 ひとつネットで文献を発見したので載せておきます。 http://perso.ens-lyon.fr/eric.falcon/EPJB03/epjb03.pdf 難しすぎてよく分からないのですが、がんばって読んでいる最中です。 また何か新しい事を発見されたら教えて下さい。 非常に興味をそそられる現象なので、気長に勉強したいと思います。