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亀とスッポン、どちらが上位?
正倉院の宝物「木画紫檀碁局」には“ひきだし”がついています。 このひきだしは、一方が「亀」で他方は「スッポン」を模っているそうです。 奈良時代、亀とスッポンではどちらが上位とされていたのですか。 よろしくお願いします。 読売オンライン 朝鮮半島製の可能性が浮上した「木画紫檀碁局」 http://www.yomiuri.co.jp/shosoin/2013/treasure/kataru/20130905-OYT8T00886.htm
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No.1です わざわざお礼を記入頂きありがとうございます お礼の中に 「百済製ということですから質問すればびっくりするような回答を得られるのではないか、という身勝手な期待です。」 とありますが、余り身勝手ではないかもしれません。 明日香にある酒船石遺跡に隣接する亀形石槽と呼ばれる写真を眺めていて気が付きました。 この石造は甲羅の部分が椀状に彫り込まれています 結果として甲羅の模様がどこにもありません。 亀という先入観で見るから亀にみえるのであって、鼈と看做しても全くおかしくないのではないのでしょうか。 斉明天皇関連の遺跡であるとされています。 とすると、鼈もそうすてたものではなく、時と場合によっては亀以上に扱われていたかもしれない、と考えることはできませんかね? やっぱり無理ですかね~ 亀の中国思想史 mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/students/04/nagatani.html 「亀卜は、日本では古墳時代から行われていたにもかかわらず、朝鮮半島にはまったく遺物が確認されていないそうです。 」 これは、考古学的な発見が遅れているというよりもカメの生態のせいではないのでしょうか。 亀卜に使われる甲羅は肉厚で大型である必要があるのではないのでしょうか。 肉厚で大型の甲羅といいますとウミガメが身近です。 中国では大型で甲羅の厚いリクガメが使われていたようですが、日本にも朝鮮半島にも生息していません。 黒潮の流域に面した南日本の海岸は北太平洋唯一のウミガメの産卵地帯とされています。 日本の海岸で生まれたウミガメは東シナ海の南部から九州以南の海域で成長していると考えられています。 つまり朝鮮半島の人にとってはウミガメは馴染みの薄い生き物ということになります。 一方黒潮の一部が流れている対馬では現在も亀卜をかたどったお祭りが行われています。 つまり、朝鮮半島では亀の甲羅ではなく、日本や中国でも使われていたシカの肩甲骨が使われていたのではないのでしょうか。 日本でも虎がいたわけも豹がいたわけでもありませんが、言葉としては知っていました。 龍も鳳凰も駱駝もイメージは根付いていました。 玄武、青龍、朱雀、白虎、の四つの神獣は知っていました。 朝鮮半島でウミガメが身近ではないから亀を蔑ろにしていたとは到底思えません。
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- Pinhole-09
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古代中国では、龍と亀は信仰の対象でした。 禹王の亀信仰(水利の神)は知られています。 古代朝鮮も同じです。 ご質問の”ひきだし”にはアゲハマ(取った石)を入れる 容器が入っています。 この容器は円形の亀の形にしました。 二つとも同じにするのは曲が無いし、上下を付けた方が 良いと考え、亀の格下のスッポンににしたと思います。 亀が上位のことは、前記及び、「国家珍宝帳(東大寺 献物長)」に「両辺着環局内蔵碁子・亀形」とあること からわかります。 スッポンは亀を模したものです。 将棋の王将、玉将と同様です。 貴人または上手が亀の方に座ったのでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「禹王の亀信仰」に見られるように亀が上位だろうということですね。 >二つとも同じにするのは曲が無いし、上下を付けた方が良いと考え、亀の格下のスッポンにしたと思います。 なるほど! とにかく天皇がお使いになる物だから、差は付けておかねばならない事情があったのでしょう。
>このひきだしは、一方が「亀」で他方は「スッポン」を模っているそうです。 引き出し全体ではなく、引き出しの中に碁笥あるいは碁器と呼ばれる碁石を入れる容器というかお皿が組み込まれています。 この組み込まれた容器の形が亀と鼈を象っています。 「亀とスッポンではどちらが上位とされていたのですか。」とありますが、この碁盤のどちら側が上位者かというご質問でしょうか? 一般論として、奈良時代に亀と鼈を格付けしていてどちらを上位の格としていたのか、というご質問でしょうか? このご趣旨ですと、碁盤の装飾品だけでは議論そのものが難しいでしょう。 碁盤を置くときにどちらを側を上位者側に置いたのかということになると全くわかりません。 碁石の黒白は先手後手で使い分けられています。 現在は白が後手で上位者とされていますが、これも時代をさかのぼると逆でした。 この碁盤は花点と呼ばれる置石の場所を示す点が古代朝鮮で行われていた巡将碁(じゅんしょうご)と呼ばれるゲームの点の配置になっていて現在の碁盤とは異なります。 この碁盤は百済王から贈られたもので同時に贈られてきた碁石は紅牙撥鏤碁子(こうげばちるのきし)と呼ばれ、色は緑と紅色です。黒白ではありません。 ご指摘の記事では、構造が分かったので朝鮮半島製ではないかと書かれていますが、碁盤の点の配置などから古代朝鮮特有のものであることは以前から知られていました。 今回の発見はそれを裏付けただけのことです。 一般論としての亀と鼈ですが、 どちらも食材としては古くから用いられ食べられてきていました。 鼈は、亀とは違い甲羅が柔らかく保存や他の用途に使用されることはありませんでした。 精々食べた後の甲羅を乾燥させて粉末にして漢方薬として使われる程度です 亀の甲羅は頑丈で、亀の種類によっては極めて綺麗であったことから、古くから珍重されていました。 時には占いの道具としても使われたり亀甲文字と呼ばれるように文字を刻んで記録媒体としても使われました。 占いにつかわれたことから神聖視されました。 このような見かたからしますと、亀の方が格が上ということになるかと思います。 食材としては、鼈の方が好まれますので上かな?と思います。 若干ご質問の趣旨が理解できませんでしたので以上のような説明になりました。ご趣旨を補足願えれば幸いです。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 要領を得ない質問ですが、 碁盤を置くときにどちら側を上位者側に置いたのか、という疑問です。 亀と鼈を格付けしてどちらかが上位であれば、天皇が上位の方の“ひきだし”側に座るだろうと思いました。 なんとなく亀の方が上位だと思っていますが、百済製ということですから 質問すればびっくりするような回答を得られるのではないか、という身勝手な期待です。 亀卜は、日本では古墳時代から行われていたにもかかわらず、朝鮮半島にはまったく遺物が確認されていないそうです。
お礼
素晴らしいご回答ありがとうございます。 歴史を知りたいよりも楽しみたい派の私としては、このような回答を期待していました。 >亀という先入観で見るから亀にみえるのであって、鼈と看做しても全くおかしくないのではないのでしょうか。 >斉明天皇関連の遺跡であるとされています。 >とすると、鼈もそうすてたものではなく、時と場合によっては亀以上に扱われていたかもしれない、と考えることはできませんかね? なるほど!! よ~く見て、考えてみます。 想像したり推定したりすることは大好きですから。 「亀の中国思想史」は、大変参考になりました。 圧倒的に亀が優位のようです。 「神亀」とか「霊亀」とかの年号が奈良時代にあることに気づきました。 「亀と蛇、この二つが関連づけられている記述は意外に多い。」とあります。 亀と蛇では対立するから、亀の相手として姿の似通ったスッポンを選んだのでしょう。