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平凸レンズについて
平凸レンズの焦点がよく分からないので教えてください。 平行光を集光したい場合は凸側に入射すればよいとの事なんですが理由がわからないんです。 また平側から入射したらどうなってしまうのでしょうか。 よろしくお願いします。
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1. 普通に普及してるレンズの表面形状は 単純な球面です。 入射面の球面の半径を r1、背面のそれを r2 とすれば、焦点距離 f は下式で表されます。 1 1 1 ─ = (n-1)(─ - ─) f r1 r2 n はガラスの屈折率です。 r は、凸ならはプラス、平面なら無限大、凹に引っ込んでるならマイナスです。 そして、 この定義式は 光線の曲がる角度が小さくて sinθ=θ が成り立つ場合「だけの」式です。 2. レンズのヘリ、周辺を通る光は、作図して計算すると簡単に分かりますが 上記の f より短い所で中心軸と交わります。これがいわゆる「焦点ボケ」です。 それと f との差が最小になる r を求めると 2(n+2)(n-1) r1 = f ・─────- n(2n+1) 2(n+2)(n-1) r2 = f ・──────- n(n+1)-2(n+2) となります。r2の分母がゼロになり得ることに注目、屈折率が n = 1/2・(1+√5) ≒ 1.618034… のときです。 このとき r2=無限大、すなわち後面は平面になります。 という訳です。 3. まとめると、 (1) 近軸光線の焦点距離の式では r1 とr2 は可換で表裏どっち使っても同じ。 (2) 周辺光線は sinθ=θ の近似ができない。 (3) そのため、二者は光軸と交わる位置がちがう。 (4) その差を式にすると、そこでは r1 と r2 は可換? これが疑問の核心です、ここに式を書いてしまうと納得度が低いと思うので自分で。 4. 材料; ガラスは西欧で長い長い歴史があって、それに近い屈折率の光学ガラスがたくさんありまして、例えば硼珪クラウンBK7などが代表例です。これの屈折率は nd=1.51633です。 試しにこれで fd = 1000 mm のレンズを作るとすれば、 r1 = +593.83 mm r2 = -3956.32 mm = 3.956 メートル 屈折率が 6% ほど小さいので r2 は完全な平面ではありませんが通称「平凸レンズ」です。 5. nd や fd の添字dは;太陽大気のスペクトル観測でヘリウムを発見したことで歴史に残る輝線スペクトル d線 での値を意味します。(黄色とオレンジの堺、波長587.56nm )ふつう屈折率と言えばこの波長がデフォルトです。 収差は多数ありますが一番目立つのがこの「球面収差」です。今回のように中心に光を集めるだけの目的なら特に(以下略)
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補足 http://www.rnac.ne.jp/~tomoyu/co09.htm の (Step7)ベンディングによる球面収差の補正 を見て戴ければ、様相が掴みやすいかもしれません。 (図では、球面収差を減らす側にベンディングしていますが、平面を並行光線側に持ってくると、球面収差を増やす側にベンディングすることになってしまいます。)
お礼
ありがとうございます。No1の回答とあわせてなんとなく理解することができました。 すばやい回答大変うれしかったです。 また機会がありましたらよろしくお願いします。
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理由は「球面収差」の出方が違うから なんだとか。 (球面の)凸レンズに並行光線を入射したとき、中心線(光軸)から離れて入射した光は光軸に近い光線よりも強く曲げられ、よりレンズに近い側で光軸に交わります(球面収差)。このため、並行光線を入射しても、焦点で一点に集まらず、少し拡がりをもってしまいます。 平凸レンズの場合、凸面に並行光線を入射したほうが、平面側に入射したときよりも、球面収差が小さくなり、より小さいスポットに集光できるようです。 参考書籍 小倉敏布「写真レンズの基礎と発展」朝日ソノラマ など
お礼
数式で書いてくださったので感覚の裏づけが取れた気持ちになりました。 続きをこれから自分で計算してみます。 ありがとうございました。