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ジオイド上の重力の大きさ
ジオイド上の重力の大きさはなぜ変化するのですか? 重力異常(フリーエア、ブーゲーなど)を補正した高さ(深さ)をジオイド面とするんですよね?そうするとジオイド上は全て同じ重力になりそうな気がするのですが・・・どこで間違っているんでしょうか;; (ジオイドという概念がどうも理解できません・・・)
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#1さんの回答に触発され、素人ですが少し考えてみました。最初は受け入れ難い不思議な感覚にとらわれましたが、何とか納得できました。少しでもaalさんの参考になればと私なりの解釈を書いてみます。 等ポテンシャル面とは、言葉通りその面上を移動しても仕事(エネルギ)のやりとりが必要無い面、すなわち接線方向に重力成分が無い連続な面、あるいは重力と垂直な面を延長して出来た曲面と言う事かと思います。ジオイド面には「陸地にはトンネルを掘って水を引き入れ云々。。の地球規模の平均海面」と言うような説明を良く見ます。これらと「重力は一定とは限らない」を同時に受け入れる為、私には次の様なジレンマの解決が必要となりました。 1.接線方向に重力成分が無い、そんな面上を移動して行く内、いつのまにか重力が変わっているなんて事があって良いのか。重力が変わってしまうのにポテンシャルエネルギは変わってないの。 2.ジオイド上に重力の異なる2箇所があったら、大きい方の水面が下がって、小さい方が持ち上がってバランスする筈。水平方向には重力成分がないから、それで食い止められている訳ないし、最初の水面は本当にジオイドだったのか。 まず、次のサイトをご覧ください。 http://aquarius10.cse.kyutech.ac.jp/~otabe/denjiki/ 重力ではありませんが、類似の素晴らしいシミュレーションがあります(製作者に感謝)。ページの先頭の等電位面のアニメーション、#1さんのおっしゃる「2質点の作る重力、ひょうたん形の等ポテンシャル曲面」そのものだと思います。これら球の中央には同一の質量が集中して在り、2質点の距離が変化した時の等ポテンシャル曲面の変化が表現されているのだと解釈されます。「ひょうたん型」の一瞬を捉え、中央のくびれた付近に着目して下さい。その面に垂直に働く2質点の引力の分力合成成分は、ひょうたん両端での重力より小さいと考えざるを得ないでしょう。また「重力が変わってしまうのにポテンシャルエネルギは変わってないの。」は、うまい事に質点からの距離(高さ)の違いで解決が図られているようです。 さて2質点を囲む等ポテンシャル曲面を模ったひょうたん型の殻(質量零)を用意し、第1のジオイド面と解釈しましょう。この上に水を流すと、どの様に分布するでしょう。ジオイド面上でも重力は異なると言う主張があります。重力の大きい所は沈み込み、小さなところは盛り上がりそうに思えます。水の厚みは一様でなくて良いのでしょうか。これは一見矛盾しているように感じられますが、それで良いのです。こうして得られた一定でない水の厚みで形成された水面もジオイド面なのです(第2のジオイド面)。ここで http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft82039/doc/emf-2.pdf のスライドの5ページ目「点電荷の電位」をご覧下さい(製作者に感謝)。等ポテンシャル面(達)の間隔がひょうたんの中央付近で広く、両端で狭くなる様子が想像できると思います(少し線の間隔が粗くてわかり難いかも)。 等ポテンシャル面上の重力の違いは矛盾ないようです。ちなみに、その大きさに反比例して次の等ポテンシャル面までの間隔が定まると言えるようです。
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- zuyun
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>等ポテンシャル面はがたがた(傾きがばらばら)で、そのためその勾配である重力は一定ではない 「ポテンシャル勾配(gradient)」というのは「等ポテンシャル面の向き」のことではなく、「等ポテンシャル面同士の詰まり具合」のことです。 等ポテンシャル面は玉ねぎのように無数にあります(それらのうち海面と一致するものがジオイド)が、その玉ねぎの皮の一枚一枚が薄く、密に詰まっている部分ほど強い重力が働いています。 次元を2次元に下げて考えたほうが理解しやすいかも知れません: 2次元のポテンシャル場があって、「等ポテンシャル曲線」(地図の等高線のようなもの)が引かれているとします。「場による力」=「ポテンシャル勾配」は、等ポテンシャル曲線が密な部分ほど大きいのです。(地図で言えば、等高線が詰まっている地点ほど土地が大きく傾斜している。) 1本の等高線に沿って歩いてゆくと、ポテンシャル(=標高)は一定ですが、勾配(=土地の傾斜)は場所によって違いますよね?。 (ここで、#1さんの言う「接線方向に重力成分が無い」というのは、この場合、地面にボールを置くと等高線に垂直な向きに転がってゆくことに相当します。) 以上の説明を3次元で考えればよろしいと思います。
お礼
なるほど。イメージでは非常によくわかりました。等ポテンシャル面→等高線→玉葱の皮が、詰まっているところほど勾配(微分値と言えばいいのでしょうか?)が大きく、離れているところほど勾配は小さいというわけですね。同じように考えれば、等ポテンシャル面であるジオイド上の重力は変わってくる・・・ということですね! イメージ、または観念的には理解できました。(まだすぱっと自分を納得させきれてないですが・・・すみません;)ありがとうございました。
- zuyun
- ベストアンサー率53% (16/30)
地学のことはよく知りませんが、ジオイドは等ポテンシャル面であると理解しています。重力はポテンシャルの勾配(gradient)ということになりますが、これが一定でないのは当然と思われます。(完全な球なら一定ですが。) 単純な例として2質点の作る重力を考えると、ひょうたん形の等ポテンシャル曲面ができますが、この面上での重力は一定ではありませんよね?。
補足
ご回答ありがとうございます。 なるほど、論理はよくわかりました。つまり地球が完全な球でない以上、等ポテンシャル面はがたがた(傾きがばらばら)で、そのためその勾配である重力は一定ではないと、そういうことですね? 物理の勉強不足(というか理解不足)で、たいへん申し訳ないのですが、基本的なことを教えて頂けますでしょうか。重力がなぜポテンシャルの勾配で表すことができるのですか?ポテンシャルの概念を理解できてないのかな?すみません・・・
補足
私のまとまりきれてない疑問を整理して、きちんと解決に導いてくださり、たいへん感謝しています。 > 中央のくびれた付近に着目して下さい。その面に垂直に働く2質点の引力の分力合成成分は、ひょうたん両端での重力より小さいと考えざるを得ないでしょう。 なるほど!確かにそうですね。第一、第二のジオイド面の説明もよくわかりました。 ただそうなると、くびれたところは第三、第四・・・第100と増えていくに従い、どんどんくびれていき、膨れているところはどんどん膨れていくようなイメージになるのでしょうか。あれ?逆でしょうか? > 等ポテンシャル面(達)の間隔がひょうたんの中央付近で広く、両端で狭くなる ということは、差がどんどんなくなっていくイメージなのですかね? > その大きさに反比例して次の等ポテンシャル面までの間隔が定まる ということは、重力が大きいほど次の等ポテンシャル面までの間隔が狭まるということ? すみません、混乱しています・・・(X_X) でも、当初の疑問「なぜジオイド上で重力が変わるのか」については、circuit_breakerさんの説明で本当に良くわかりました。ありがとうございました。