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電磁場と重力場について
電磁気を勉強していて磁場というものは電場に相対論的効果(電流の電荷密度のローレンツ収縮)を加味することで理解できることが分かりました。一方重力場についても同様の考えが通用するので、重力場にも力が物体の速度と関係するような、磁場に対応する場が必要そうな気がするのですが、なぜそのような新たな場を考える必要がないのでしょうか?一般相対性理論の時空の幾何学の中にその効果が取り込まれているからでしょうか?もしそうであれば、電磁場についても同様に時空の幾何学の中に磁場を取り込むことがてきそうな気がします。電磁場と重力場の扱いの非対称性が気になったので質問しました。御教授ください。
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- ibm_111
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>一般相対性理論の時空の幾何学の中にその効果が取り込まれているからでしょうか? そのはずです。対応関係は 質量⇔電荷 質量流⇔電流 重力波⇔電磁波 ここまではよくて、以下、本題: クリストッフェルシンボル⇔4元ベクトルポテンシャル リーマン曲率テンソル⇔電磁場テンソル したがって、 重力場⇔電磁場 つまり、4元ベクトルポテンシャルは電場成分φと磁場成分Aに分かれてますが、 クリストッフェルシンボルは、たぶん、そんなにきれいに分離してなくて ?⇔電場 ?⇔磁場 分離できたとしても、名前はついてないんじゃないかと。 >もしそうであれば、電磁場についても同様に時空の幾何学の中に磁場を取り込むことがてきそうな気がします。 その路線はカルツァ・クラインの時代にほぼ失敗してます。 日本語版wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A1%EF%BC%9D%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E7%90%86%E8%AB%96 には大した情報は出てないですね。 論点は2つあって、 1.古典的電磁場と重力場の統合はできたけど、新しい物理 (今まで説明できなかった・・・が説明できた、とか、 こーんなすごい現象を予言できる、とか) を生み出せなかった。 数学的には面白いのかもしれませんが、それだけではね・・・ 2.その後に発見された様々な粒子の取り扱いが不明。 新たな粒子が導入されるたびに新しい場を導入するのでは、 あまりにアドホックすぎる。 カルツァ・クライン場は4×4の計量テンソルgμνを、5×5のテンソルに置き換えて 増えた自由度を電磁場に当てました。 それはいいんですが、その後の素粒子物理の発展に伴い、 素粒子の種類が激増していきます。 そのたびに計量テンソルの自由度を上げていくのはちょっと・・・ ということです。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。 クリストッフェルシンボル⇔4元ベクトルポテンシャル リーマン曲率テンソル⇔電磁場テンソル なるほど、電磁場と重力場はそのような対応関係になっているのですね。たしかにクリストッフェル記号からは重力ポテンシャルが出てくるので電磁場のポテンシャルと対応しますね。ただ、2つの対応とも足の数が違うのできれいに対応しているわけではなさそうですね。詳しく調べてみようと思います。失敗したとはいえカルツァ・クラインの理論は示唆に富んでいて面白そうですね。超重力理論で高次元が必要になるのも回答のような理由からなのでしょうね。色々と勉強してみたくなりました。