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アリスの姉はなぜ制止しなかつたのか
『不思議の国のアリス』について質問です。 アリスはお姉さんと一緒にゐました。しかし、アリスが兎の穴に飛びこむといふ危険な行為に及んだ際、お姉さんはなぜ制止しようとしなかつたのですか。 夢だつた、といふ夢のない答ではなく、ルイス・キャロルなみの回答を期待してゐます。
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まず、ご存じかも知れませんが、『不思議の国のアリス』の日本語訳は http://www.genpaku.org/alice01/alice01j.html で読めます。これに基づいて話を進めます。 確かに、物語の最後で、アリスは「川辺によこになって、 おねえさんのひざに頭をのせてい」ますから、 すべては夢だったとも解釈できますが、 仮に夢であったとしても、 夢の中でどういう出来事が展開されたかを考えるのは 無駄ではないと思います。 まず、アリスがおねえさんと一緒にいた場所と、 アリスが兎の穴に飛びこんだ場所とは、 野原を隔てた別の場所です。 おねえさんは「絵も会話もない」本を読んでいます。 アリスはうさぎを追って「野原をよこぎ」りますが、 その時のお姉さんの行動については記述がありません。 したがって、おねえさんの行動は 想像してみるしかないのですが、 読書をしていた彼女は、そばにいた妹が 急に「とびあが」って「うさぎのあとを追っかけ」始めたとき、 たとえば、妹の腕をつかんで引き留めるとか、 間を置かずに妹の後を追うとかすることは できなかったのではないでしょうか。 そして、仮に、ですが、 一瞬後に妹の後を追いかけ始めたとしても、 結局、妹がうさぎの穴に飛び込むまで、 追いつくことは出来なかったのでしょう。 (もちろん、おねえさんはうさぎの穴の存在を 前もって感知してはいなかったはずです。) そして、お姉さんは、追いかける途中で 「急にどこへ行くの。止まりなさい」などと 声を掛けた可能性はありますが、 アリスはうさぎを追うのにに夢中になっていますから、 姉の声は耳には届かなかったか、 あるいは、届いていたとしても、 どのみち、止まるはずはなかったと思われます。 先に述べたように、すべては想像でしかありませんが、 ともかく、アリスが穴に飛び込まないことには、 物語は先に進みませんから、 アリスがうさぎを追い始めて以降のおねえさんの行動は 追っかけて止めようが、止めまいが、 それは枝葉末節であって、わざわざ描くほどのことはないと ルイス・キャロルは考えたのではないでしょうか。
お礼
kogotokaubeweさん、こんにちは。多大のお時間を割いての御回答、感謝してをります。プロフィルを拝見しますと、落語がお好きなやうで、それでしたら、私のことを許してくださるのではないかと存じます。 各場面の詳細な分析、頭がさがります。kogotokaubeweさんは思考明晰な方なのですね。 私が求めてをりましたのは、いはゆる「座布団回答」です。「ルイス・キャロルなみの回答を期待してゐます。」と書いたのはさういふ意味です。でも、kogotokaubeweさんの真面目すぎる文章も、別の意味で楽しめました。 大好きなアリスをみんなで楽しめたら、と考へ、シリーズで次次と質問を投稿するつもりだつたのですが、犠牲者をださないために、この1回だけにしたほうがよささうです。申し訳ございませんでした。 ちなみに、今回私が考へた回答のひとつはこれです。 *** *** *** *** *** お姉さんは、アリスが兎の穴に入るのを止めることができませんでした。それはアリスの気持ちが痛いほど解つてゐたからです。アリスには、絵も会話もない本を理解することができません。アリスは恥づかしくて、穴があつたら入りたかつたのです。