先生が送付くださった→(尊敬語)
先生に送付していただいた→ 謙譲語(I)
です。
どちらも広く使われています。
詳しくは下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2339.html
以下は一部の抜粋(重言)。
下記の1)と2)がどう違うか、というのは敬語のきわめて基本的な問題ながらキチンと説明するのは相当の難問。
1)ご来店くださいまして(誠に)ありがとうございます。
2)ご来店いただきまして(誠に)ありがとうございます。
「誠に」はなくても構わないが、この文脈だとあるほうが自然な気がする。
基本線としては下記をおさえておきたい。
716)【読書感想文/『敬語再入門』(菊地康人/講談社学術文庫/2010年3月10日第1刷発行)】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1824714512&owner_id=5019671
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【引用部】
Q.「先生が指導していただいた」……どこか変ですね。(P.144)
これ、けっこう基本的な問題だと思う。
本書の解説は先生が大先生に指導してもらった場合を別にすると、おかしいとしている。
下記のどちらかになるらしい。
先生が指導してくださった。(尊敬語)
先生に指導していただいた。(謙譲語I)
それはわかるんだけど、世間でよく話題になるのはもう少しヒネった形。
ご来店{ください/いただき}まして(誠に)ありがとうございます。
これだと主語(的なもの)は「お客様が」でも「お客様に」でもおかしくない。さて、正しいのはどっち?
下記あたりがちょっと関係する。
272)【「ご○○する」「お○○する」【仮】日本語】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1549552703&owner_id=5019671
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「いただきまして」と「くださりまして」の問題は、とても奥が深いらしい。ネット検索すると例によってスゴいことになるが、信頼できるのは下記あたりかも。
【「教えてくださり」? 「教えていただき」?】
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/146.html
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Q 「教えてくださりありがとうございます」と、「教えていただきありがとうございます」とは、どちらが正しいのでしょうか。
A 現状としては、どちらかといえば「教えていただき~」のほうがよく使われており、「教えてくださり~」という言い方は自分ではしないという意見が、やや多くなっています。ですが、両方とも正しい言い方です。
【解説】
「教えてくださり~」のほうは、「あなたが私に教えてくださりありがとうございます」という形で、「相手」の行為に直接感謝を述べています。それに対して「教えていただき~」は、「私があなたに教えていただき、(この状況は)ありがたいものです」という形で、「私」が受けた恩恵に対する感謝の念を間接的に相手に伝えていることになります。
ただし、「教えていただき~」のほうはおかしな表現だと考える人もいます。それはどういうことでしょうか。
「くださる」は「くれる」を敬語の形にしたものなので、たとえば友達に対しては次のように言うことができます。
「教えてくださりありがとうございます。」⇒○「教えてくれてありがとう。」
一方「いただく」に対応する「もらう」では、同じように言いかえることはできません。
「教えていただきありがとうございます。」⇒×「教えてもらってありがとう。」
このように、もともと「教えてもらって~」とはふつうは言わないのだから「教えていただき~」も変なのだ、というのがその根拠になっています。
確かに理屈の上ではそうかもしれないのですが、国が示した『敬語の指針』(文化審議会答申、平成19年)でも、「~いただき」のほうを不適切だと感じる人はいるものの「~くださり」「~いただき」の両方とも適切な表現であると示されているのです。
NHK放送文化研究所でアンケートをおこなったところ、〔「~いただき」を使う(「~くださり」は使わない)〕という回答が、やや多くなっていることがわかりました。また60代以上では、両方使うけれども「~いただき」のほうが感謝の度合いが高いという回答が多く現れました。全体的な流れとしては、「~いただき」のほうが優勢になりつつあるようです。
ふぅ、今回はややこしかったですね。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
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「教えてくださりありがとうございます。」⇒○「教えてくれてありがとう。」
「教えていただきありがとうございます。」⇒×「教えてもらってありがとう。」
これは否定できないから、厳密に言えば「くださり(い)まして」なんだろう。論理的に考えるとそうなってしまう。
しかし、現実にはどちらも使われているし、どちらも「間違い」とは言えない。困ったことに個人的な語感では「いただきまして」のほうが自然。NHKの調査でも、「いただきまして」が優勢のようだ。こうなってくるとなんとも言えない。
下記も参考になるでしょう。
【文化庁「敬語の指針」】5 「いただく」と「くださる」の使い方の問題(P.40)
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf
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【17】 いつも,「御利用いただきましてありがとうございます。」と言ったり,書 いたりしているのだが,「御利用くださいまして」の方が良いのだろうか。 どちらが適切なのだろうか。
【解説1】「御利用いただく」は謙譲語I,「御利用くださる」は尊敬語である。つまり, 「(自分側が相手側や第三者に)御利用いただく」,「(相手側や第三者が)御利用くだ さる」という基本的な違いがある。しかし,立てるべき対象は,どちらも同じであり, また,恩恵を受けるという認識を表す点も同様であるため,どちらの言い方も適切に 敬語が用いられているものである。
【解説2】謙譲語Iの「御利用いただく」の使い方には,問題があると感じている人たち もいる。その理由としては,「利用する」のは相手側や第三者なのだから,尊敬語で ある「御利用くださる」を使うべきだということなどが挙げられているようである。
しかし,「御利用いただく」は,「私はあなたが利用したことを(私の利益になるこ とだと感じ)有り難く思う」という意味を持った敬語である。「利用する」のは相手 側や第三者,「御利用いただく」のは自分側,という点がやや理解されにくい敬語で あるが,自分側の立場から相手側や第三者の行為を表現した敬語であり,敬語の慣用 的な用法として特に問題があるわけではない。ただ,このような「いただく」の用法 に対しては,その受け止め方に個人差があり,不適切な用法だと感じている人たちも いる。
また,「御利用いただきまして...」と「御利用くださいまして...」のどちらが適切 か,どちらが丁寧か,という判断や感じ方についても個人差が大きいようであるが, 基本的には,どちらもほぼ同じように使える敬語だと言ってよい。
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