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凡有の読み
「凡有努力を傾注する」の「凡有」の読みをお教えください。 出来れば出典もお教えいただければ幸いです。
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この「凡有」という字の組み合わせとしては万葉集の歌に現れています。 ・凡有者 左毛右毛将為乎 恐跡 振痛袖乎 忍而有香聞 娘子(巻第六965) (おほならば かもかもせむと かしこみと ふりたきそでを しのびてあるかも) 「有」は「なり」また「あり」と読み、ここでの「凡有(おほなり)」とは「(身分が)平凡である/並み並みの」の意味合いとされます。 (もちろんここでの「者(ば)」は助詞の漢語形です。) 近世の仏典解釈の漢文においては「凡有心文」など「凡(およ)そ心文有(あ)り」など、「おおよそ/すべて/おおむね~あり」などの構文に当てられています。 やがて、江戸後期以降の候文では「凡(ありと)有(あ)る」と連語として用いられ、更に明治期には「あらゆる」の当て字の一つともなって、他の幾多の表記と混在するようにもなったものでしょう。 出典: 「凡有(あら)ゆる物の混沌の、凡有ゆる物の矛盾の」(坂口安吾「FARCEに就て」) 「凡有 ( あらゆ ) る 蟠 ( わだか ) まりを発散して」(坂口安吾「蝉」) 「世の中に存在する所の総(あら)ゆる職業」(夏目漱石「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」) 「縄で所有(あらゆる)樹を絆(つな)ぎ居る」(南方熊楠「十二支考」) 「人生の諸有(あらゆる)経緯の根底に於て」(石川啄木「渋民村より)
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- untiku1942
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YOURS_EVERさんのご回答No.1と2とも素晴らしい内容でして、私自身勉強になりました。あえて蛇足を付け加えますと、漢和辞典「字通 白川静氏著 平凡社」には「ハンユウ」という訓で「凡有 万有」という内容で出ています。参考になさってください。
No.1です。 補足ありがとうございます。 どこから説明すればいいのかわかりませんが、 とりあえず書いてみます。 多分、私の説明ではよくわからないと思います。 私は高学歴ではありませんので。 言い訳はそれくらいにしておきます。 「所有」と「所在」はどちらも「あらゆる」と読みます。 「凡ゆる」も「あらゆる」と読みます。 これらはすべて、古い書き方です。 現在こう書くと「当て字」「読めない」と批判されてしまうでしょう。 その「所有」と「凡ゆる」の二種類が記憶の中でまじってしまい、 「凡有」と書く人もいたと思います。 ご存じの通り、漢字は元々外国語です。 中国語を無理やり日本語に当てて使ったのが漢字です。 なので、漢字はすべて当て字だと思っていいと思います。 大昔にその当て字の使い方を統一して、 それを正しい漢字だと広めて教育しようとしましたが、 現在でも人名漢字があらたに更新され続けているように、 漢字使いの大衆への周知は上手くいっていないように思います。 文系なら、「竹取物語」や「源氏物語」が好きな人、 または理系なら、生物名のなりたちに通じている人、 そういう人たちならわかると思うのですが、 元々の文章が、日本語でも外国語でも、 崩し字の当て字や誤字だらけで書かれているため、 書き写す際に、読み間違いによる誤記がたくさんあります。 それが広まり、一般的に「正しい表記」として認知されることもあります。 昔の学校で、「所有」と書いてある文章を、 「あらゆる」と読み上げた講師がいたとして、 生徒が自分のノートに書き写す際に、 「所有」ではなく「あら有」の字しか思い出せず、 隣の生徒に「あらゆるのあらとはどんな漢字ですか?」と聞いたところ、 そちらの生徒が「凡ゆる」しか知らなかった場合、 「凡人の凡です」と説明すれば、 「凡有」と書いてしまうこともあると思います。 そのノートを書き写す生徒がまた別にいれば、 次からは「凡有」が正しい漢字として認識され、 それを使い続けることになると思います。 そうして、誤字を間違って覚えた方が、 将来物を書く仕事をした際に、 間違った「凡有」が使われ、 のちに、「これは何と書いてあるのだろう?」 と、読んだ人、つまりあなたが、 悩むことになるのだと思います。
読みは「あらゆる」。 凡…「凡ゆる」で「あらゆる」と読みます。 有…「有する」で「ゆうする」と読みます。
補足
なるほど、分かりました。回答ありがとうございます。 出来ますれば出典等分かりましたらお教えくださいませんか。 よろしくお願いします。
お礼
YOURS_EVERさん、untiku1942さん、kine-oreさん お教えありがとうございます。大いに助かります。 日本語は難しいと改めて感じています。70年近くも日本人をやっていますが・・・(^^;)